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【W杯強豪国分析】ポルトガル。PSGトリオとロナウドの爆発
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2026年6月13日

W杯の優勝候補である強豪国8カ国(フランス、スペイン、イングランド、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、ポルトガル、オランダ)。その戦術、特徴、フォーメーション、優勝の可能性を分析する。 <ゲスト> 小澤一郎|サッカージャーナリスト 1977年、京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、社会人経験を経て...
強い「勝者のメンタリティ」を宿すポルトガル代表の可能性
サッカーワールドカップにおいて、常に上位を伺う存在でありながら、今だその栄冠を手にできずにいるポルトガル代表。しかし、そのポテンシャルは疑いの余地がない。クリスティアーノ・ロナウドという絶対的スター選手に加え、次世代を担う若きタレントが豊富なこのチームは、フランスやスペインにも匹敵する優勝候補と目されている。
本稿では、名将マルティネス監督の下で結束し、近年著しい成長を遂げたポルトガル代表の戦力と戦術、そして勝利への鍵をQ&A形式で深く掘り下げる。彼らが宿す「勝者のメンタリティ」が、悲願の初優勝にどこまで近づくのかを探る。

Q. ポルトガル代表は、今回どの程度の強豪と評価できるのか?
ポルトガル代表は、まさにビッグクラブの主力選手が各ポジションに名を連ねる「大スター集団」である。タレントの質、選手層の厚さという点では、同カテゴリの強豪であるスペイン代表をも上回るとの評価もある。特に攻撃的な選手層は他を圧倒し、優勝候補の一角として非常に高い期待を寄せられているのが現状だ。個々の能力をみれば、十分に世界の頂点を狙えるチームと言える。

ベテランのC.ロナウドに加え、ブルーノ・フェルナンデス、ベルナルド・シウバといったワールドクラスが揃い、若手もラファエル・レオン、ジョアン・フェリックスなど将来を嘱望される選手がひしめき合っている。
Q. チームの中心を担う選手や注目すべき点はどこにあるのか?
現在のポルトガル代表の骨格を成すのは、パリ・サンジェルマンに所属するヴィティーニャ、ジョアン・ネヴェス、ヌーノ・メンデスの3人、通称「パリサンジェルマン・トリオ」だ。彼らはクラブでCL連覇という経験を共有しており、その勢いと良好な連携が代表チームにもポジティブな影響をもたらすと期待されている。
特に、司令塔役を担うヴィティーニャの活躍は特筆すべきものだ。豊富な運動量、機動力、優れたパワーとメンタルを併せ持ち、中盤を支配するだけでなく、時にはロナウドの背後までプレッシングをかけ、攻撃にも積極的に絡んでいく。もしポルトガル代表が悲願のワールドカップ初優勝を果たせば、ヴィティーニャがその年のバロンドールを獲得する可能性すら秘めていると言える。
Q. ポルトガル代表の明確な強みと、一方で唯一の懸念点は何だろうか?
チームの最大の強みは、なんと言っても攻撃陣のタレントの豊富さと、世界最高の左サイドバック、ヌーノ・メンデスの存在である。メンデスは攻撃と守備の両面で高いレベルの能力を発揮する。サイドを駆け上がるだけでなく、フォワードのようにゴール前に飛び出し、フィニッシャーとなることもできる変幻自在のプレーヤーであり、「戦術ヌーノ・メンデス」とまで称されるほど、彼の存在はチーム戦術の鍵を握る。相手のドリブラーを完璧に封じ込める守備力も兼ね備えており、文字通り「最強のサイドバック」だ。彼を最大限に活かすために、右サイドバックのダロトが守備に専念し、チームは左サイドからの攻撃を重視する非対称な「左肩上がり」のスタイルを採用する。
一方、唯一の懸念点はセンターバックの層の薄さだ。ルベン・ディアスのコンディションが万全でなく、彼のパートナー候補には、ワールドクラスとまでは言えない選手が並ぶ。世界レベルのアタッカーを相手にした際、このセンターバック陣がカウンターを防ぎきれるかどうかが、チームのアキレス腱となり得る可能性がある。
Q. クリスティアーノ・ロナウドはチームでどのような役割を担い、そのパフォーマンスを最大化するためにどのような戦術が採られるのか?
マルティネス監督は、クリスティアーノ・ロナウドの得点力を最大限に引き出すための戦術を構築しているため、彼の爆発は十分期待できる。監督はロナウドに守備の負担をかけず、ワントップとして最前線でゴールに専念させることを基本としている。他のフィールドプレイヤーが献身的に動き、彼の守備的な負担をカバーする。これにより、ロナウドは大会序盤に得点を決めることができれば、その波に乗ってさらにゴールを量産する可能性が高い。

41歳という年齢を考慮し、ロナウドの出場時間は90分に固定されず、試合展開やコンディションに応じて調整される見込みだ。ベテランとなった彼もチームの決定を受け入れており、交代による不満を表に出すことはないだろう。サウジリーグで今シーズンも30ゴールを記録するなど、得点感覚は健在であり、ワールドカップでの通算得点数も2桁に乗せることが期待されている。
Q. ロベルト・マルティネス監督のリーダーシップと選手マネジメントはチームにどのような影響を与えているか?
ロベルト・マルティネス監督は、3大会連続でワールドカップを指揮する経験豊富な名将だ。彼は戦術家であると同時に、優れたマネジメント能力を併せ持つ。メディア対応や選手とのコミュニケーションに長けており、特に注目すべきは、メンバーから外れたベテラン選手一人ひとりに、発表前に直接電話で落選理由を説明するなど、きめ細やかな配慮を欠かさない点だ。この誠実な姿勢が選手たちからの厚い信頼を勝ち得ており、チームの結束力を高める上で重要な要素となっている。
ロナウドに関しても、その絶対的な存在感を認めつつ、彼が最も輝ける環境を整えている。これにより、ロナウドは所属クラブでの環境以上に代表チームでプレイのしやすさを感じていると言える。監督の手腕がチームにポジティブなムードと、より良いパフォーマンスを引き出していることは間違いない。
Q. 具体的な攻撃と守備の戦術、ロナウド以外の得点パターンはどのようなものか?
ポルトガル代表の攻撃戦術は、現代サッカーのトレンドに沿った流動的なボール保持が特徴だ。中盤のヴィティーニャ、ブルーノ・フェルナンデス、ジョアン・ネヴェスの3人が中心となり、流動的にポジションを入れ替えながら、相手のプレスをかわしてボールを前線へと運ぶ。これに、フォワードのように内側に侵入する左サイドバックのヌーノ・メンデスが絡むことで、ロナウドが中央でおとりになる動きをすれば、メンデスが決定的な役割を果たす得点パターンも存在する。ロナウドへの得点供給は、右サイドバックのダロトからのアーリークロスか、左サイドのドリブラー(ネトやレオン)が深く侵入してからのマイナスのクロスが主な形となる。ロナウド以外にも、ヴィティーニャやブルーノのミドルシュート、ネヴェスの裏への飛び出し、ベルナルド・シウバのボックス内での仕掛けなど、様々な選手が得点に絡むことができるため、攻撃のバリエーションは非常に豊富だ。ラファエル・レオン、ジョアン・フェリックス、ゴンサロ・ラモスといったベンチメンバーも試合の流れを変える強力なタレントであり、控え選手の層の厚さも特筆すべき点だ。

守備戦術では、ロナウドの守備負担を軽減するため、アグレッシブなハイプレスはあまり行わず、ミドルブロックを基本とする。ロナウドは中央でパスコースを限定する最低限のタスクをこなし、残りの9人のフィールドプレイヤーが連携して組織的に守備を行う。ヌーノ・メンデスが攻撃参加して空いたスペースは、ボランチがカバーするか、DFライン全体がスライドして対応し、常に3バックのような守備を構築する。ルベン・ディアスの不安要素を除けば、この合理的なシステムで失点を最小限に抑えることを目指していると言える。
Q. 最終的に、ポルトガル代表は今大会でどこまで勝ち進むと予想されるのか?
ポルトガル代表は、総合力で見て決勝進出の可能性が非常に高いと予想できる。守備面で若干の不安定さがあるものの、それを補って余りある圧倒的な攻撃力と、経験豊富な選手と若きタレントが融合した選手層の厚さを持つ。加えて、CLを連覇したパリSGの選手たちがもたらす「勝者のメンタリティ」や、絶対的な存在であるC.ロナウドがチームに与える自信は計り知れない。トーナメントにおける精神的な強さは、スペイン代表を上回る可能性さえある。
平均年齢も27歳程度と充実しており、まさしく油の乗り切ったチームだ。このため、優勝確率は30%程度と見積もられており、決勝でスペインと「イベリア半島ダービー」が実現すれば、歴史に残る名勝負となるだろう。ポルトガルが悲願のワールドカップ初優勝を達成する可能性は十分に高いと言える。