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W杯強豪国分析:ブラジル。史上最弱なのか?
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2026年6月13日

W杯の優勝候補である強豪国8カ国(フランス、スペイン、イングランド、ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、ポルトガル、オランダ)。その戦術、特徴、フォーメーション、優勝の可能性を分析する。 <ゲスト> 木崎伸也|スポーツライター 1975年、東京都生まれ。2002年夏にオランダへ移住。翌2003年から6...
「史上最弱」から王座へ?ブラジル代表、W杯を制するためのリアルな戦術と展望
サッカー王国ブラジル代表は、2026 FIFAワールドカップにおいて、かつてないほどの厳しい前評判に直面している。「史上最弱」あるいは「近年稀に見る弱さ」と評され、優勝候補の筆頭からも外れているのが現状である。しかし、この下馬評の低さこそが、ブラジルを再び世界の頂点へと導く隠れた武器となりうるという見方も存在する。
本稿では、カルロ・アンチェロッティ監督が率いる新生ブラジル代表が、どのように戦力を見直し、大会を勝ち抜く戦略を構築しているのかを詳細に分析する。はたしてブラジルは周囲の懐疑的な目を覆し、王国の誇りを取り戻せるだろうか。

Q. 今年のブラジル代表は本当に「史上最弱」と評価されているのか?
南米の関係者からは、「近年稀に見る弱さ」とされ、「史上最弱」との厳しい評価が聞こえてくる。優勝候補の筆頭としてスペインやフランスが挙げられる中、ブラジルの前評判は決して高くない状況だ。
しかし、過去のブラジル代表を振り返ると、必ずしもこの評価は悲観的要素だけとは言えない。ブラジルは歴史的に、下馬評が低いときにこそ潜在能力を発揮し、驚異的な結果を残す傾向がある。例えば、1994年のワールドカップアメリカ大会では、守備的な戦術で批判を浴びながらも、最終的に優勝を果たしている。今回の「史上最弱」という声が、かえってチームにプレッシャーを与えず、選手たちが伸び伸びとプレーできる環境を作る可能性も指摘されている。
Q. アンチェロッティ監督のブラジルはどのような戦術を採用するのか?
アンチェロッティ監督のブラジルは、伝統的な4-4-2(あるいは4-2-4)を基本としつつ、高身長フォワードのイゴール・ティアゴを中央に配置する4-3-3も併用すると語った。注目すべきは、アンチェロッティ監督が「攻撃陣に情報を与えすぎず混乱を招きたくない」「取り組みは守備に重点を置いている」と公言したことだ。ブラジル特有の攻撃的タレントの良さを損なわずに、彼らの自由な発想に任せる方針を明らかにした。

一方で守備に関しては、4-4-2の守備ブロックを徹底的に構築するため、練習では多くの時間を守備戦術に費やしているという。これはイタリア人監督らしい堅実なアプローチであり、ブラジルの優れたセンターバック陣(マルキーニョス、ガブリエウなど)を最大限に活かす考えである。中盤のカゼミーロは守備の要として、アンチェロッティ監督の下で攻守のバランスを取る重要な役割を担う。
Q. 注目選手ヴィニシウスの役割やネイマール起用の意図は何か?
ヴィニシウスはレアル・マドリードでは目覚ましい活躍を見せる一方で、ブラジル代表ではまだ真価を発揮しきれていない印象がある。レアルでのエムバペとの共存問題も影響していたかもしれないが、アンチェロッティ監督からは攻撃における多大な自由が与えられており、彼が能力通りにプレーできるかどうかが今大会の重要な鍵を握るだろう。

また、ベテランのネイマールの招集には政治的判断が大きく影響した。怪我で万全なコンディションではなかったにも関わらず、選手や国民の要望を受けて選出された経緯がある。チームに一体感をもたらし、ブラジル国民の支持を得るという、監督のクレバーな手腕が窺える判断と言える。しかし、本番での起用は切り札としての「ジョーカー」に限定される可能性が高く、得点が必要な局面でのゴール前での決定力に期待が寄せられている。彼がいることで、世界的な注目度も増す。
Q. ワールドカップ優勝に向けてブラジルが鍵とするポイントは何か?
守備への重点を置いた現実的な戦術を採用する。攻撃はタレントの自由な発想に任せつつ、守備は組織で固めることで、堅実な試合運びを目指す。これにより、センターバック陣のレベルの高さを活かし、相手を引き込んでのカウンター攻撃が強力な武器となると見られている。
絶対的スター不在がもたらすチームの一体感を重視する。過去のブラジル代表のように特定のスターに頼るのではなく、責任が分散され、選手全員で戦う意識が高まっている。これは前評判が低い分、余計なプレッシャーもなく選手たちが伸び伸びとプレーできるというメリットにつながるだろう。
開催地であるアメリカの「地の利」を最大限に活かす。大会開催時期のアメリカの暑い気候は、暑さに慣れたブラジル選手にとって有利に働き、欧州勢は苦戦を強いられると予想される。さらに、アメリカ国内には多くのブラジル系住民がおり、試合会場は事実上のホームのような雰囲気となるだろう。
これらのポイントは、1994年のワールドカップアメリカ大会でブラジルが優勝した際と同様の要素であり、再現を期待する声も少なくない。アンチェロッティ監督はこの特性を武器と捉えている。
Q. 日本代表がブラジルに勝利する可能性はあるのか?
日本代表がブラジルに勝つためには、ボールを相手に持たせてからのカウンター攻撃が有効な戦略となるだろう。しかし、アンチェロッティ監督が守備的なアプローチを採用していることを考えると、ブラジルが日本にボールを持たせてカウンターを狙うという、日本にとって最も嫌な展開も十分にありうる。カウンター合戦でいかに主導権を握るかが鍵を握る。

ブラジルの明確な弱点であるサイドバックの守備は、中村敬斗のようなドリブラーが個の力で突破する勝機を生むかもしれない。しかし、その先に立ちはだかるのは世界最高峰のセンターバック、マルキーニョスとガブリエウの壁だ。ここを崩してゴールを奪うのは至難の業だと言える。専門家は、日本代表の客観的な勝率は15%程度と見ている。PK戦になっても、ブラジルのキック技術の高さやアリソンという優れたGKの存在を考慮すると分が悪い。90分以内で仕留める戦術が求められる。
Q. ブラジル代表は今大会でどこまで勝ち進むと予想されるのか?
アナリストは、日本代表が敗退したと仮定するならば、ブラジルが優勝すると予想している。その根拠として、「地の利」(アメリカの暑さに強い)、堅守速攻を核とする「カウンター戦術」の有効性、そして「大会中のチームの成長」が挙げられている。アンチェロッティ監督は本番まで試行錯誤を続けるタイプであり、4-4-2と4-3-3を柔軟に使い分けながら、大会を通してチームを完成させていく戦略だと見ている。
準決勝で宿敵アルゼンチンとの対戦が有力視されるが、過去の対戦経験から反省を活かし、さらなる成長を遂げると考えられている。日本の海外評価が高いことや、ブラジルが「史上最弱」と見られている今こそ、ブラジルは真の怖さを見せる危険な存在だと指摘。下馬評が低い時こそ力を発揮する王国の姿に、油断は禁物である。