
【速報解説】ホルムズ危機でも、株価が上がり続ける理由
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2026年4月20日
ホルムズ危機による原油高騰があっても、なぜ最高値更新したのか?今後も株が上がり続ける理由はどこにあるのか?マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士。社会構想大学院大学...
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長期的に株はなぜ上がり続けるのか?「72の法則」と「デフレ脳」からの脱却が示す未来
株価は歴史的に見て、右肩上がりの成長を続けている。
一時的な市場の混乱や地政学リスクにも関わらず、その傾向は変わらない。
本稿では、マネックス証券チーフストラテジストの広木隆氏の分析に基づき、株価が上昇し続ける本質的な理由、日経平均10万円という目標値の根拠、そして日本の投資家が脱却すべき「デフレ脳」について深掘りする。
過去の様々な危機を乗り越え、なぜ株価は上昇を続けてきたのだろうか?
短期的な市場の動きに惑わされず、長期的な視点を持つことの重要性を解説する。

Q. なぜ世界中で株価は上昇を続けているのか?
2024年に入り、日経平均株価は史上最高値を更新し、S&P 500などの米国株価指数も高値圏を維持している。
イラン戦争のような地政学リスクやホルムズ海峡を巡る緊張があるにもかかわらず、市場は力強い上昇を見せている状況だ。
多くの人が直感的に抱く「こんな状況でなぜ株価が上がるのか」という疑問に対し、広木氏は、短期的な事象に囚われすぎない長期的な視点の重要性を指摘している。
彼の著書『株はずっと上がる』のタイトルが示す通り、一時的な悪材料に左右されず、株価が上昇トレンドを維持する構造的な要因が存在すると考えられる。
Q. 短期的な市場変動をなぜ気にする必要がないのか?
株価は日々のニュースやイベントに反応して、大きく上下する性質がある。
例えば、広木氏の著書が発売された3月、イラン戦争の報道によって日経平均は一時的に急落した。
しかし、そこからわずか1ヶ月で市場最高値を更新するという劇的な回復を見せた。
この事例は、株価の短期的な動きが、必ずしも長期的なトレンドを決定づけるものではないことを明確に示している。
目に見える株価は日々変動するものの、その根底には「長期トレンド」という一本の上昇線が存在し、この線に沿って資産は増加していくのである。
短期的な下落は、長期的な視点から見れば一時的な「ノイズ」であり、本質的な上昇の力を覆すものではない。

Q. 歴史的な危機を乗り越えても株価が上昇し続ける理由は何か?
歴史を振り返ると、人類は数々の大規模な危機を経験してきた。
日本では東日本大震災、世界的にはリーマンショック(グローバル金融危機)、さらにはITバブルの崩壊、1980年代後半のバブル崩壊とその後の失われた何十年、ブラックマンデーなど、枚挙にいとまがない。
これらの未曾有の危機は、それぞれ経済に甚大な影響を与え、多くの人々が悲観的な見通しを抱いた。
しかし、驚くべきことに、これらの危機を乗り越えても、株式市場は長期的な上昇トレンドを維持し、現在の水準に到達している。
広木氏の分析によれば、過去50年間における数々の危機を平均化しても、株価は年率約7%で上昇し続けている。
この安定した成長率は、人間の経済活動が根本的に停滞せず、常に価値を生み出し、社会が進化し続けることの証左とも言える。
Q. 「72の法則」とは何か、またどのように日経平均10万円という予測につながるのか?
長期的な株価の動向を理解する上で非常に有用なのが「72の法則」である。
この法則は、「72を金利または年間リターン(%)で割ると、投資額が約2倍になるまでにかかる年数」を概算できるというものだ。
逆に、何年で資産を倍にしたいかを年数で割れば、必要な年間リターンが分かる。
例えば、過去50年の平均成長率である年率7%をこの法則に当てはめると、資産は約10年(72 ÷ 7.2 = 10)で2倍になる計算だ。

つまり、現状の日経平均株価を5万円と仮定すると、この成長率が続けば約10年で10万円に達する可能性が高いことになる。
広木氏はさらに、近年足元のリターンが過去平均を上回り、向こう数年間は年率10%程度の期待リターンが見込めるとしている。
この場合、「72の法則」によれば約7年(72 ÷ 10 = 7.2)で資産は2倍になる計算となる。
2025年を起点とすれば、約7年後の2032年には日経平均10万円到達が十分現実的な目標となり得る。
Q. 原油価格の高騰は企業業績にマイナスにならないのか?
ホルムズ海峡問題など地政学的な要因から原油価格が高止まりする状況が続いている。
日本のような資源輸入国にとっては、原油高は「コスト増」に直結し、それが企業の収益を圧迫し、最終的には株価に悪影響を与えるのではないかという懸念が当然湧き上がる。
しかし、この懸念は、日本が長く経験してきた「デフレ」時代の思考様式に根差している可能性が高い。
デフレ下では物価が上がらず、企業はコスト増を価格に転嫁しにくいため、原材料費の上昇がそのまま利益を削る結果となっていた。
しかし、現在の世界経済はインフレ基調であり、状況は大きく異なっている。
Q. 「デフレ脳」とは何か、なぜ脱却が必要なのか?
「デフレ脳」とは、長きにわたるデフレ経済の中で身についた、「物の値段は上がらない、むしろ下がる」「コスト増は利益減に直結する」という思考回路のことである。
インフレが当たり前の状況に移行しつつあるにも関わらず、依然として多くの日本人がこの「デフレ脳」に囚われていると広木氏は指摘する。
デフレ脳では、原油高などのコスト上昇を見るとすぐに「減益になる」と考えがちだ。
しかし、インフレの世界では、企業はコストが上がればその分を最終製品やサービスの価格に上乗せすることが一般的である。
例えば、クリーニング店で使うビニール代が上がれば、クリーニング代に転嫁するのは当然の商行為だ。
この価格転嫁のメカニズムを理解し、長年のデフレ思考から脱却することが、現在の経済状況を正しく認識し、投資判断を行う上で不可欠となる。
Q. インフレは企業にどのような影響を与え、チャンスとなるのか?
デフレ時代には、消費者離れを恐れて値上げがしにくく、企業は安売り競争に巻き込まれて利益を圧迫されていた。
しかし、インフレ環境では状況が一変する。
原材料価格が高騰し、物流コストも上がる中で、「値上げ」は企業にとって当然の経営判断として社会に受け入れられやすくなるのだ。
これは、今まで値下げ競争で疲弊していた日本企業にとって、収益構造を改善する絶好のチャンスを意味する。
コスト増を価格に転嫁できれば、売上高だけでなく利益額も増加する。

つまり、インフレは企業の利益水準を押し上げ、ひいては株価をさらに上昇させる強力な推進力となるのだ。
消費者が「どこに行っても物価が上がっている」と認識し、値上げを容認する社会の空気が醸成されれば、価格弾力性が低下し、企業はこれまで以上に強気な価格戦略を取りやすくなるだろう。
この好循環が続けば、企業業績は持続的に向上し、結果として株式市場のさらなる発展に寄与することになる。
