
堅実・コスパ路線のクルマ/クルマ界の大谷翔平/価値が落ちにくい/最強の軽自動車/愛車を高く売るコツ
プロが徹底解説する賢い車選びと高額売却の秘訣
自動車購入や売却において、「損をしたくない」「最適な一台を選びたい」と考える消費者は少なくない。だが、そのための具体的な情報や知識はどこから得るべきか、多くの人が迷っているだろう。
本稿では、中古車販売のプロと、自ら49台もの車を乗り継いだ筋金入りの車愛好家が語る「堅実コスパ路線」をテーマに、賢い車選びと高額売却の秘訣を深掘りする。
リセールバリュー、維持費、デザイン、ライフスタイルへの適合性など、多角的な視点から車を分析するプロたちの洞察から、あなたの次のカーライフを豊かにするヒントが満載だ。

Q. 車を「わらしべ長者」のように乗り継ぐ秘密は何があるか?
フリーアナウンサーの安東弘樹氏は、これまで49台の車を乗り継ぐという驚異の遍歴を持つ車愛好家である。彼の乗り換え術はまさに「わらしべ長者方式」だ。高く売れるマニアックな車を選び、市場価値が大きく下落する前に売却し、その売却益を次の車の頭金に充てるサイクルを繰り返してきたと彼は語る。

この戦略の鍵は、走行距離にある。車は10万kmを超えると一般的に市場価値が大きく下がる傾向があるが、安東氏は4万kmから8万km程度で手放し、購入価格以上で売れた車も複数存在する。車を単なる消費財ではなく、価値を維持・向上させる「資産」として捉える彼の視点は、賢い車選びの第一歩となるだろう。
Q. 初めての車選びで絶対に押さえるべきポイントは何であるか?
中古車販売会社の社長である中尾佑策氏は、初めての車選びにおいて「乗り換える前提」で考えることが最も重要だと指摘する。実際に運転してみるとイメージと違う場合が多々あり、2〜3年で乗り換える可能性が高いからだ。
リセールバリュー(再販価値)を意識して車種を選び、将来的な損を減らす。
いきなりディーラーへ行かず、ネットで複数社の見積もりを取り、オプション費用を比較する。
ナビ画面が標準装備に見えても、実際はオプションであることが多いため、見積もり段階でしっかり確認する。
以上の点がポイントである。MC西村氏が選んだレクサスRX、ハリアー、MINIカントリーマンは、壊れにくさやリセールバリューの高さから専門家も太鼓判を押す優良な選択肢である。
Q. 売却時に損をしない賢い車選びとは、どのような視点が必要か?
リセール価値の高い車は「海外での高い需要」に共通の特徴がある。ランドクルーザープラドはその代表格で、20年前のモデルも価格が安定しており、「リセール最強の鉄板」として揺るぎない人気を誇る。また、ジムニーも需要過多によりプレミア価格がつくケースが多い。
トヨタのアルファードは新車価格が高いにもかかわらず、1~2年で売却しても損せず、むしろ利益が出る可能性もあるという。高価な車がむしろコストパフォーマンスが良いという「入口と出口」で総費用を考える視点は極めて重要だ。残価設定ローン(ザンクレ)による「タダ乗り」が話題になった一方で、走行距離超過や改造による破綻リスクも忘れてはならない。
商用車のイメージが強かったハイエースも、コロナ禍以降のアウトドアブームを背景に、車中泊のベース車両として人気を集めている。元々商用車設計のため頑丈で壊れにくく、10年前の30万km走行車でも数十万円の価値がつくほど、資産価値が落ちにくい一台と言えるだろう。
Q. EV車や個性的な欧州車を賢く選ぶ方法はあるか?
EV車に関して、日産リーフは航続距離や充電性能において大きく進化を遂げたモデルである。安東氏は、走行距離500kmを実現し、充電のストレスも軽減されたと評価する。
EV車購入の最大のメリットは、自宅に充電設備を設置できる「地方の持ち家」の人にある。夜間に充電すれば翌朝には満充電となり、太陽光パネルを併用すればランニングコストをほぼゼロに抑えることも可能だ。

また、「プリウスのような燃費性能で欧州デザインの車が欲しい」というニーズに応えるモデルも登場している。フィアット600はデザイン性の高いSUVながら優れたハイブリッドシステムを搭載し、以前の欧州車の「壊れやすい」というイメージは払拭されている。
さらに、ミニエースマンは独創的な内装と立体駐車場に収まるコンパクトさが魅力で、EV補助金を活用すれば100万円以上お得に購入できる今が狙い目と言える。韓国のヒョンデインスターも日本の道路事情に合ったサイズ感で、シートベンチレーターなどの高級装備も特徴的である。
Q. 最適な軽自動車選びの基準は何か?
軽自動車とコンパクトカーの間には、税金を含めると年間約10万円の維持費差が生じるため、地方では軽自動車がセカンドカーとして人気だ。中でも「ホンダ N-BOX」は燃費・安全性・広さ・走行性能の全てが高水準であり、「軽自動車界の大谷翔平」とも称される完璧な一台であると中尾氏は評価する。
軽自動車選びで最も考慮すべき点は「スライドドアの要否」だ。電動スライドドア付きはなしに比べ約30万円高価だが、軽自動車ユーザーの95%が一人で運転するという調査結果もある。自身のライフスタイルと照らし合わせ、本当に必要な機能なのかを判断すれば、大幅なコスト削減につながる。
スズキのジムニーやハスラー、ダイハツのタフトといった個性派SUV系軽自動車も人気がある。一方で、中国のEVメーカーBYDが、日本市場専用の軽EV「ラッコ」を投入予定であり、補助金込みで日本のガソリン軽自動車よりも安くなる可能性を秘め、既存市場を揺るがす存在になると予測される。
Q. 愛車を高く売るための具体的な秘訣とタイミングは存在するか?
中尾氏が語る、愛車を高額で売却する秘訣は以下の3点に集約される。

走行距離:「3万km、5万km、10万km」といった大台を超える直前に売却する。検索フィルターで条件外になると査定額が大きく下がるからである。
年式:輸出される車種は、登録から「3年、5年、7年」のタイミングで海外の関税が変わるため、その直前が売り時となる。5年を超えると50万〜80万円の差が出ることがある。
売却時期:中古車市場には繁忙期(1〜3月、7〜9月)と閑散期が存在する。繁忙期直前の12月や6月頃は、販売店が在庫確保に力を入れるため、通常より高値で買い取られる傾向がある。
例えば、トヨタのシエンタは燃費もリセールも優れた優良ファミリーカーである。この車を売却する最適なタイミングは、車検費用の発生を避ける「2年半〜3年未満」、あるいは2回目の車検直前の「4年半」である。この時期に売却すれば、月当たりの実質コストを最も低く抑えられる賢い選択となるだろう。
