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厚底シューズは本当に足が速くなる?
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2026年3月4日

ダイエット目的、趣味など様々な目的で需要が伸びているランニング。 厚底シューズは本当に良いのか?ランニングは最低どのくらい行えば良いのか? ビギナーから初心者までのランニングにまつわる疑問を各専門家に伺った。 <ゲスト> 井上咲楽|タレント 1999年栃木県生まれ。2015年に芸能界デビュー。『新...
厚底シューズ革命:47歳が好記録達成のピーク?速くなる秘訣をプロが徹底解説
マラソンブームの中、厚底シューズの登場はランニング界に大きな変革をもたらした。本稿では、プロコーチ陣とタレントの井上咲楽氏が、この変革期のランニング論、メンタル術、栄養、トレーニング方法を深く掘り下げて解説する。彼らの知見に基づき、誰もが自身のランニングをより充実させるヒントを提示する。

Q. 厚底シューズはマラソン界にどのような変革をもたらしたのか?
厚底カーボンシューズの普及はマラソン界に革命をもたらし、エリートから市民ランナーまで記録を飛躍的に向上させた。男性サブスリー達成者割合は3%から4.4%へ、サブ3.5は11.6%から14.4%へと増加。これは練習法だけでなくシューズ性能の貢献が大きい。箱根駅伝でも毎年区間新が続出し、タイムのインフレが起きている。

選手の走り方をフォースタンス理論で分析すると、個々の身体特性に合ったフォームが見える。青学・黒田選手は踵着地で登りに強い「Bタイプ」、高橋尚子さんはつま先重心でピッチ走法の「A2タイプ」と推測される。登りにBタイプ、下りにAタイプが多い傾向があり、自身の走り方を見直す上でヒントとなる。
Q. マラソンランナーが最も好記録を達成しやすい年齢は何歳なのか?
サブ3.5達成者のピーク年齢は男女ともに47歳だ。持久力は40代後半まで維持・向上する可能性があるデータが裏付ける。マラソンは年齢を重ねても楽しめるスポーツであり、記録向上を諦める必要はないことを示唆している。

マラソンタイムは難易度を客観的に示す「偏差値」として換算でき、20代女性のサブ3.5は偏差値70近く、京大医学部合格と並ぶ難易度だ。記録の価値を把握し、目標設定のモチベーションにつながるだろう。フルマラソン目標タイムは10kmやハーフ記録に「持久係数」を乗じることで予測可能。データに基づいた適切なペース設定が可能となり、終盤の失速を防ぐ助けとなるはずだ。
Q. フルマラソンでの目標達成に効果的な月間走行距離はどの程度か?
サブ3.5達成の目安は月間走行距離200km。しかしこれは絶対的基準ではなく、井上咲楽氏のように月間120kmで好記録を出すランナーもおり、効率的な練習で少ない距離での達成も可能だ。
走行距離とタイム向上には「収穫逓減の法則」が当てはまる。月間350kmを超えるとタイム向上の効果は頭打ちになる傾向にある。距離を闇雲に増やすのではなく、スピード練習や質の高いロング走など、練習の「質」を工夫する時期が来る。市民ランナーは怪我を避け、仕事や私生活と両立しながらトレーニングを継続することこそが重要だ。持続可能な練習こそが目標達成への近道である。
Q. レースパフォーマンスを最大化するために、メンタルや栄養、疲労抜きはどうすれば良いか?
レースでの失速を防ぐにはメンタルと身体両面からの戦略が不可欠だ。「笑顔」で走るとランニングエコノミー(燃費)が向上する科学的データがある。笑顔はリラックス効果をもたらし、無駄な緊張を解き効率的な走りを可能にする。「楽だ、楽だ」と言い聞かせる自律訓練法も精神的な限界を超えるのに役立つ。
レース前の「カーボローディング」は、現在では3日前から白米や餅などの高炭水化物を増やす方法が主流だ。疲労抜きは3日前までのマッサージが推奨される。直前は筋肉が緩みすぎるとも言われるため、自分に合ったタイミングを見極めるべきだ。レース前は消化の良い食物繊維を避けた食事を。足攣り対策には「具なし味噌汁」が効果的。走後すぐは吸収率が高まるため、発酵食品で胃腸を整え老化防止に努める。
Q. ランニングを継続し、モチベーションを維持するための秘訣は何なのか?
単調になりがちなランニングのモチベーション維持には工夫が要る。BPM180の音楽はランナーのピッチに合わせやすく、リズムに乗った走りをサポートする。ラジオやポッドキャストなどの音声コンテンツも有効だ。「1本聞き終わるまで帰らない」といったルール設定で、インプットを楽しみながら距離を延ばすことができる。
「30km走」はフルマラソン後半の失速を疑似体験し持久力を高める効果がある。しかしその最大の価値は「あれだけやったから大丈夫」という精神的安心感を得ることだ。自分にとって必要かどうかは自身の経験に基づき判断すべきである。また、練習継続の秘訣は「仲間と走る」ことだ。約束でサボれない環境を作り、一人では難しいインターバル走も達成しやすくなる。ランニングコミュニティでの交流は、モチベーション維持や新たな人間関係構築に寄与する。
Q. ランニングは人生にどのような影響を与えるか?
ランニングは単なる身体運動に留まらず、人生に多大な良い影響をもたらす。喘息の改善や健康増進、日々のストレス解消といった肉体的・精神的な健康効果は明白だ。ランニングは「息抜き」の場としても機能し、自己肯定感を育む源となる。その大きな価値は「他人との競争」ではなく、「過去の自分との向き合い、成長を実感する」プロセスにある。

ランニングは、記録を追う時期から健康維持を目的とする時期まで、ライフステージに応じて楽しみ方を変えられる「生涯スポーツ」だ。フルマラソン経験は自身の弱さや課題に直面し、それと戦い乗り越える貴重な機会を提供する。肉体的・精神的に自らを追い込むことができる稀有な場として、人生をより豊かで充実したものに変え得る力を持つだろう。