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なぜ痩せない?ランニングの新常識
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2026年3月1日

ダイエット目的、趣味など様々な目的で需要が伸びているランニング。 厚底シューズは本当に良いのか?ランニングは最低どのくらい行えば良いのか? ビギナーから初心者までのランニングにまつわる疑問を各専門家に伺った。 <ゲスト> 井上咲楽|タレント 1999年栃木県生まれ。2015年に芸能界デビュー。『新...
「頑張らない」が成功の鍵!ランニングを習慣化し楽しむ秘訣
ランニングを始めたものの、なかなか続かない、途中で挫折してしまう。そんな経験は誰しも一度は抱えるものだろう。しかし、実はその「頑張りすぎ」が挫折の原因かもしれない。ランニングの継続には、自分に合ったスタイルと、無理なく続けられる工夫が不可欠だ。


本記事では、市民ランナーから世界大会入賞者まで、ランニングのエキスパートたちが語る、挫折の真実と継続のための具体的な秘訣をQ&A形式で深く掘り下げる。自身の身体特性を知る「フォースタンス理論」から、厚底シューズの選び方、モチベーション維持のための“ご褒美”設定まで、ランニングを真に楽しむためのヒントが満載だ。
Q. なぜランニングは「頑張るほど」挫折してしまうのか?
ランニングの挫折原因の多くは、「頑張りすぎること」にある。張り切りすぎて最初の数回で疲労困憊したり、無理な目標設定で精神的な負担を感じたりすることが、継続の妨げとなる。
継続の鍵は、ランニングを「歯磨き」のように生活の一部として無意識に行えるルーティンに落とし込むことだ。
無理をしないこと。週2日、1回30分程度から始めるのが理想だ。
ランニングは朝晩どちらでも良い。夜派の人もいるが、社会人はスケジュールを邪魔されない朝の方が継続しやすい場合が多い。
1回30分は走ろう。走り始めの10分は体が慣れて苦しく感じることがあるが、20分以降には体脂肪が燃焼し始め、体が温まって走りを楽しめる感覚(ランナーズハイ)に繋がりやすい。
歩いても構わない。「やらなかったよりは良い」というマインドが重要だ。1kmだけでもゼロよりは断然良い。
最大のハードルは「家の外に出ること」。外に出て走り出せば、案外長く走れることもあるため、まずは玄関のドアを開けることを意識すると良い。
Q. 自分に合った最適な走り方やシューズを見つける方法は何か?
「フォースタンス理論」を活用することで、自分の身体特性に合った走り方やシューズを見つけられる。この理論は、人の重心タイプを「つま先重心かかかと重心」と「内側重心か外側重心」の組み合わせで、A1、A2、B1、B2の4種類に分類するものだ。

簡単なテストで自身のタイプを把握できる。例えば、腕を前に出して引っ張られた際の重心の安定感や、親指でOKサインを作る時と薬指でOKサインを作る時の力の入りやすさで判断する。自身が「かかと・外側重心のB2タイプ」であれば、登り坂に強い走り方ができ、下り坂は苦手という傾向がわかる。
外側重心(A2、B2)の人は一本の線上を走る「1軸走法」が、内側重心(A1、B1)の人は二本の線上を走る「2軸走法」がそれぞれ適していることが多い。指導者が一般的に推奨する「母指球で地面を蹴る」走り方が、外側重心のタイプには合わず、力が入らなかったり怪我に繋がったりするケースもある。自身のタイプを知ることは、不必要な修正を避け、効率的な走りを追求する上で重要となる。
Q. 「厚底シューズを履けば速くなる」という通説の真実はどうか?
厚底シューズは「履けば誰でも速くなる魔法のアイテム」ではない。

その真価を発揮するには、シューズが持つ反発力を活かせるだけの体幹と、着地時に地面を真上から踏み込める正しいフォームが必要となる。逆に言えば、こうしたフィジカルやフォームが伴わなければ、その高機能を十分に引き出すことは難しい。無理に厚底シューズを使用すると、予期せぬ怪我の原因となることもある。
初心者であれば、まずカーボンプレートの入っていないシューズで、自身の走り方の軸をしっかりと築くことが先決だ。自身のランニングスキルが向上し、スピードが上がって着地が真下に近づいたタイミングで、厚底シューズへの移行を検討するのが賢明な選択だ。自身のレベルに合わせてステップアップしていくことで、怪我のリスクを低減しつつ効率的な成長を期待できる。
Q. モチベーションを保ち、ランニングを長く継続する秘訣は何か?
ランニングの主な目的を「痩せる」「健康になる」といった遠い目標に設定すると、なかなか結果が出ない時にモチベーションが低下しやすい。ランナー世論調査では、ランナーのモチベーション1位が「健康になりたい」だったが、こうした長期目標だけでは挫折を招きかねない。
即座に得られる具体的な「ご褒美」を設けることが継続の大きな秘訣となる。
走った後に美味しいものを食べる、新しいカフェを開拓するといった楽しみを設定する。ランニングを行動範囲を広げ、未発見の場所へ導くツールとして活用する。
一人で黙々と走るのが苦手な場合は、仲間と一緒に走る。共通の体験と、その後のご褒美(食事やビールなど)を共有することで、ランニングが義務ではなく「楽しいイベント」に変わる。
走った後のビールはメンタル面で効果的なご褒美となり得る。コミュニティの結束を強め、次のランニングへの意欲に繋がるため、厳しく禁じるよりも適度に楽しむことが推奨される。
「痩せる」という目的のみに囚われると、ランニングは消費カロリーが思ったよりも少なく、また慣れるほど体が効率的な走り方になるため、思ったように体重が減らないことで挫折の原因となりがちだ。ランニング以外の付加価値を見出すことで、長く楽しく継続できる。

Q. ランニングで怪我をしないための最も重要な注意点は何か?
オランダの調査によると、ランニング初心者が挫折する最大の原因は「怪我」だ。これは、痛みを軽視し「大丈夫だろう」と頑張りすぎてしまうことに起因する。足の違和感や小さな痛みを感じた場合は、勇気を持って休むことが、長期的なランニングライフを送る上で最も賢明な選択となる。無理は禁物だ。
厚底シューズの普及により、従来の脛(シンスプリントなど)の疲労骨折に加え、新たなタイプの怪我が増加している点にも注意が必要だ。テコの原理により足の甲に負担がかかり、またシューズの衝撃吸収機能によって体の他の部分(股関節周り)に直接的な負荷が集中しやすくなるからだ。厚底シューズを安全に、そして最大限に活かすためには、着地時の衝撃を適切に吸収・安定させる臀筋群(お尻の筋肉)や腸腰筋、そして体幹の強さが不可欠となる。フィジカルトレーニングを怠ったままで高性能シューズを履き続けると、怪我のリスクが高まることを理解しておこう。

モチベーションを向上させ、継続性を高める手段として「大会エントリー」も非常に有効だ。調査では、初めて大会に参加した人の90%が「ポジティブな変化があった」と回答し、99%が「ランニングを続けたい」と答えている。明確な目標を持つことで練習に身が入り、完走の達成感はランニングに熱中する強力なきっかけとなる。
さらに、日々の食生活においては、肉などのタンパク質を意識的に摂取することも重要だ。多くの速いランナーはタンパク質を積極的に摂る傾向がある。筋肉の修復や成長に不可欠な栄養素であり、パフォーマンス向上だけでなく、怪我の予防にも繋がるため、日々の食事を見直すことが勧められる。