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アクセンチュアはAI時代にも独り勝ちか?
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2026年2月26日

国内2.8万人まで拡大し、ビジネスが急成長しているアクセンチュア。AI時代にもアクセンチュアの独り勝ちは続くのか?AI時代に稼げるコンサルタントの条件とは何か?2025年12月に社長に就任した濱岡大氏に聞いた。 <ゲスト> 濱岡大|アクセンチュア 社長 1998年アクセンチュア入社。2010年、製...
アクセンチュア社長が語るAI時代と変革への挑戦:未来のホワイトカラーとコンサルタントの姿
AIが急速に進化する現代社会は、ホワイトカラーの仕事やコンサルティング業界の存在意義を大きく問い直している。アクセンチュアの新社長である濱岡大氏に、AI時代の仕事や企業のあるべき姿、そして同社がなぜ業界を牽引し続けるのかを尋ねた。
濱岡氏が語る、顧客目線での日本企業の課題と、変化の時代に生き残るための処方箋とはどのようなものなのだろうか。本記事では、彼が提示するAI時代におけるビジネスの進むべき道を探る。

Q. AIがホワイトカラーやコンサルの仕事を不要にするという言説について、現場での実感はどうなのか?
AIによるホワイトカラー不要論やコンサル不要論は、これまでの業務がルーティンワークとして定義されていた場合にのみ当てはまる。求められるスペックが変化するのであって、仕事自体がなくなるわけではないと考える。人間はルーティンから解放され、ゼロからイチを生み出すような創造的な仕事へシフトすべきだ。
実際、情報収集やレポート作成といった知識提供型コンサルの役割は、インターネットの普及により10年以上前に既に消滅している。生成AIは、この変化をさらに加速させる触媒にすぎない。

コンサルタントの真の価値は、顧客よりも詳しい知識を持つことではない。顧客は自身の業界のプロであり、常に深い知識を持っている。我々の役割は、対話を通じて顧客の課題を深く理解し、彼らが気づかない新たな視点を提供し、変革プロジェクトを共に具体化し、推進することである。一方的に正解を提示するのではなく、課題解決の伴走者となるのだ。
Q. AI時代におけるアクセンチュアの役割や独自性は何だ?
アクセンチュアはもはや「コンサルティング会社」という枠には収まらない存在である。クライアントの変革をあらゆる側面から支援する「変革のパートナー」と自らを定義している。コンサルティング、テクノロジー、オペレーション、クリエイティブといった幅広いサービスを組み合わせ、「何でもやる」形で顧客ニーズに応えてきた。
その独自性は、事業ドメインに固定的な完成形を持たず、常に変わり続ける点にある。27年間で事業領域、規模、カルチャー、顧客との関係性の全てが劇的に変化し、全く別の会社と言えるほど進化を遂げた。この継続的な自己変革と、グローバルな知見・技術を取り込み日本市場に提供できるスケール感が我々の強みである。
Q. 日本企業が直面する最も大きな課題とは何か?
日本企業の最大の課題は、先行き不透明な時代における「変化への対応力」の欠如だ。突然発生するグローバルな取引環境の変化や為替変動、あるいは人口減少や社会インフラの変化といった中長期的な課題に対しても、多くの企業は抜本的な対策に踏み込めていない。現状維持にとどまる傾向が強いと感じる。
もちろん企業も危機感を持ち始めているが、マーケットの変化のスピードは過去に比べ圧倒的に速い。欧米と比較すると、新しいイノベーションやユニコーン企業が生まれにくい環境も課題である。こうした状況下で、自社だけで最先端技術を継続的に学び、組織全体に浸透させる大規模な教育投資を行うのは難しいという側面も指摘できる。
Q. 日本企業がAI時代に復活するためには、何が必要なのか?
日本企業が復活するためには、企業規模に応じた戦略が必要である。スタートアップのような小さい企業にとっては、AIなどの技術を活用することで、少人数でも一気に事業を拡大できるチャンスの時代だ。人を増やすことなく、自動化されたオペレーションを設計することで、迅速な事業立ち上げが可能になる。
一方で、大企業は既存の「軍隊式」組織から脱却し、変革を担う小規模な「プロジェクト型組織」を多数立ち上げられるかが鍵となる。AIがルーティンワークを代替するにつれ、人間には「ゼロからイチを生み出す」、あるいは既存のものを抜本的に変える創造的な仕事が求められる。これは本質的にプロジェクト型の仕事であり、企業は社員をこの新しい仕事のあり方へとシフトさせることが必要である。

AI時代のコンサルタントの役割は、AIというツールの導入を支援するに留まらない。AIの普及を前提とし、企業が「プロジェクト型」の仕事や組織へ転換していくプロセスそのものを支援することだ。顧客企業内で変革プロジェクトが次々と立ち上がる状態を築き、それを成功に導くことが我々の使命となるだろう。
Q. AIを活用し、事業に真のインパクトをもたらすには、どうすればよいのか?
多くの日本企業はAIを「ちょっと便利になった」程度の試行段階で留めている。これでは企業の業績に直結する大きなインパクトは生まれない。重要なのは、AI活用によってどのような「効果がある状態」を目指すのか、という明確なゴール設定である。
例えば、商品開発のリードタイムが半年かかる事業で、これを5ヶ月に短縮しても市場へのインパクトは小さい。しかし、これを劇的に「1ヶ月にする」という非連続な目標を立てると、どうだろう。シーズン性の高い商品であれば、流行の兆候を捉えてから市場に投入できるようになり、これまでの需要をはるかに超える大きな価値が生み出せる。この大きな目標設定が、業務プロセス全体の抜本的見直しと、そこへのAIの戦略的組み込みを促し、革命的な変革をもたらす。
我々アクセンチュアは、まず顧客と達成すべきインパクトと期待されるリターン(ROI)を明確に議論し、合意形成をしてからプロジェクトを開始する。この結果へのコミットメントこそが、真の変革を推進する力である。
Q. アクセンチュアが他社を凌駕し続ける理由はどこにあるのか、また真のライバルは誰だと考えているのか?
アクセンチュアが成長し続ける理由は、特定のサービスに固執せず、顧客ニーズやテクノロジーの変化に合わせ、常に自らを「変化させ続けてきた」ことである。完成形なきビジネスモデルで、M&Aやアライアンスを通じて最先端の技術や人材を取り込み、常に自己変革を繰り返している。
過去にできなかったことをできるようになる努力の積み重ねこそが、今の多角的なサービスポートフォリオを生み出したのだ。グローバルなパートナーとのエコシステムを構築し、最先端の知見を常に日本市場へ還元できる点が他社との明確な差だと言える。

我々の真のライバルは、他のコンサルティング会社やテクノロジー企業ではない。自力で変革を成し遂げられる「先進的な顧客」こそが最大のライバルである。顧客が「内製化した方が良い」と判断した瞬間に、我々は価値を失う。だからこそ、顧客が自ら行う以上の価値、速さ、効率性を常に提供し続けなければならない。変革の推進は、顧客と一体となって進めるものであり、パートナーとして選ばれ続けることが最も重要だ。
Q. 変化の激しい時代において、コンサルタントにはどのような能力が求められるのか?
コンサルタントとして、新しい技術やトレンドに対して常に興味を持つ「好奇心」は非常に重要である。エンジニアほど専門的でなくても、それがどういうものかを自ら学び、実際に使って試すことで理解を深めることが不可欠だ。
AI時代には、知識そのものよりも、人との関係を築き、チームを動かす「コミュニケーション能力」や、変化に適応する能力がこれまで以上に強く求められるようになるだろう。アクセンチュアには、プロジェクトごとに異なる上司や同僚と働き、常に新しいテーマに挑戦できる「社内転職マーケット」のような環境がある。これにより、一つの会社にいながら多様な経験を積むことが可能であり、それがAI時代に求められる能力を培う基盤となっているのだ。