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【速報解説】日産の最終赤字6500億円へ。単独で生き残れるか?
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2026年2月13日

2026年3月期の第3四半期決算発表で、通期6500億円の最終赤字予想を公表した日産。エスピノーサ体制で改革は進んでいるのか?今後、ホンダとの統合はあり得るのか?ジャーナリストの井上久男氏に速報解説してもらった。 <ゲスト> 井上久男|ジャーナリスト NECを経て1992年朝日新聞社に中途入社。2...
日産最新決算の深層: 営業改善の裏に潜む課題と問われる経営戦略
日産の最新決算発表は、市場予測を上回る巨額赤字を計上し、その経営の厳しさを改めて浮き彫りにした。しかし、営業利益の改善が見られた一方で、その内実や事業戦略には多くの疑問符がつきまとう。本稿では、日産が直面する構造的課題と将来への展望をQ&A形式で深掘りする。

Q. 最新決算で示された巨額の最終赤字と営業利益改善の実態は何か?
日産の通期最終純利益は、市場予測を超える6500億円の赤字を計上し、過去4番目の大規模な損失であった。一方で営業利益の赤字幅は縮小したが、これは経営再建計画「日産NEXT」に基づく5000億円規模のコスト削減、特に固定費の削減が主因である。本業の成長による利益ではなく、リストラによる「守りの改善」に留まる。為替などの外的影響がなければ営業利益で黒字転換した可能性はあるものの、これは一時的な要因に過ぎない。

Q. リストラが順調な一方で、日産の販売戦略はなぜ機能不全に陥っているのか?
エスピノーサ社長は市場戦略を再定義し、日本と北米を重点地域とした。しかし結果は、ほぼ全世界で販売が落ち込み、特に本拠地である日本での販売不振は深刻である。北米でも販売台数が微減しており、選別したはずの重点地域でさえ成長を実現できていない。これは、コスト削減で「守りを固める」一方で、本来利益の柱となる「攻め」の販売戦略が依然として機能不全であることを示す。
Q. 「稼げる車がない」という日産の構造的課題はどこにあるのか?
日産の社内からも「稼げる車がない」との声が上がるほど、現在の製品ラインナップは収益性が低い。新型e-POWERのような先進技術を持つ車を投入しても、それが十分な利益貢献に繋がるかは疑問視される。トヨタが高収益車を多数持ち、外部要因による影響を吸収できるのに対し、日産は利益率の低い製品が多く、関税などわずかな外的要因で容易に赤字が膨らむ脆弱な収益構造を持つことが根本的な問題だ。

Q. 巨額赤字における特別損失の詳細と情報開示の問題とは何か?
6500億円の赤字には、約2万人の人員削減に伴う退職給付金、将来のEV普及予測のずれから不要と見られたEVクレジット(二酸化炭素排出権)資産の評価損など、主にリストラ関連費用や減損処理が含まれる。しかし日産は、公式の決算発表会でその詳細な内訳を「説明できない」とした。これは株主や市場に対する説明責任を軽視した対応であり、後にメディアとの個別懇談で詳細が語られたことから、情報開示姿勢の不誠実さが指摘された。
Q. リストラの一環である南アフリカ工場売却が「敵に塩を送る行為」と批判される理由は何か?
日産が南アフリカ工場を中国の北京汽車(BAIC)に売却した判断は、戦略的な問題をはらむ。アフリカはスズキがインドを拠点に本格進出を狙うなど、将来的な自動車市場の成長が大きく見込まれる地域である。そこに日産の伝統ある生産拠点を中国勢が手に入れれば、日本の自動車メーカーにとって競争上不利となる。他の日本の大手メーカーであれば、たとえリストラ局面でも、将来の競争相手に主要生産拠点を売却することは避けるであろう、大手としては異例かつ近視眼的な判断だとの指摘が上がる。

Q. 日産とホンダの提携協議の現状と、その今後の行方をどう予測するか?
日産のエスピノーサCEOは、ホンダとの提携に関して「前向きな話し合いを進めている」と語った。特に米国市場での協業が期待されているが、具体的な進展はまだ見られない。その理由は、両社ともに自社の立て直しが急務であることだ。ホンダも4輪事業で巨額の赤字を抱え、EV先行投資の損失引当など厳しい状況にある。両社がまず自社の足元を固める「庭先を掃く」段階にあり、他社と組む余裕がないのが実情だ。
Q. 変化の激しい自動車産業の中で、日産が持続的に生き残るために最も重要な戦略は何か?
目先のコスト削減やリストラは、足元の業績改善には貢献するが、持続的な成長には繋がらない。日産には、市場のニーズに応え、かつ収益性の高い「稼げる車」を生み出す開発力と、それを適切に販売する戦略の再構築が不可欠である。加えて、長期的な視点では、再建に一定の目途をつけた後、ホンダのような他社との戦略的な提携を加速し、変化の速い時代に適応するスピード感を持つことが生き残りの鍵となるだろう。ホンダの経営陣交代も踏まえ、数年内の提携実現が望まれる。