PIVOT TALK FOOTBALL
日本代表のジョーカー候補。塩貝健人のストライカー
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2025年12月29日

<お詫びと訂正> 以下の02:05のテロップに誤植がございました。 お詫びして訂正いたします。 誤:関東大学2部得点王・新人王 正:関東大学3部得点王 オランダで得点を量産し、日本代表のジョーカー候補に浮上している塩貝健人。なぜ慶應大学を休学してオランダに渡ったのか?今期大ブレイクした要因は何か?...
塩貝健人選手の異色なキャリア選択とレアル・マドリードへの揺るがぬ夢
慶應義塾大学を休学し、Jリーグを経由せずに直接オランダリーグへと挑戦する道を歩む塩貝健人選手。そのキャリアパスは、日本サッカー界の常識を覆す異色のものとして、大きな注目を集める。早くから海外挑戦を志し、自身の成長のためにはリスクを厭わない。その裏側には、目標達成へ向けた揺るがぬ意志と徹底した自己分析、そして日本人離れした強いメンタリティがある。
インタビューでは、その覚悟に満ちた決断の理由から、ピッチ内外で見せる「研究者気質」のストライカー哲学、そして最終目標として掲げるレアル・マドリードでのプレーに至るまで、塩貝選手の思考の全貌を深く掘り下げた。

Q. Jリーグではなく、あえてオランダでの挑戦を選んだ背景には何があるか?
塩貝選手が大学在学中にプロの道を模索した際、横浜F・マリノスへの加入か、あるいは海外への挑戦かで葛藤した。慶應義塾大学への強い愛着から、学業とサッカーの両立を目指す選択肢も存在したが、その「逃げ道がある」状況が自分には耐えられなかったと言う。特別指定選手としてJリーグでプレーしながらも、万が一の保険があるような状態に嫌悪感を抱き、プロとしての退路を断ちたいという強い気持ちが芽生えた。
さらに、Jリーグ王者マリノスのFWアンデルソン・ロペス選手に対し「いずれ絶対越せるのに、今ここで何年も戦っていても意味がない」と判断した。23、24歳になってからでは海外挑戦としては遅いとの認識もあり、自身のキャリアを最大限に加速させるには、若くしてヨーロッパの市場に出ることが最善の道だと結論づけた。この異例の決断は、安定よりも自身の成長を優先する強い覚悟と、常に上を目指す飽くなき探求心によって導き出されたものであった。

Q. 強気な姿勢の源泉と、逆境を乗り越えるメンタリティとはどのようなものか?
マリノス在籍時にトップレベルのストライカーたちと競う中で、ロペス選手を「絶対越せる」という確信を抱いた塩貝選手。フェイエノールト戦で2得点を挙げた際、相手チームの上田綺世選手のゴールパフォーマンスを模倣したエピソードも、その強気なメンタリティを象徴する出来事と言える。「面白そうだ」という発想の背後には、2点を取ったのだから「そんぐらいやってもいい」という絶対的な自信が存在した。
また、昨年、ザルツブルクへの移籍が破談になり、クラブワールドカップでレアル・マドリードと対戦する機会を逃した経験も彼の成長を後押しした。「見返してやる」という強い反骨心から、その悔しさをモチベーションに変え、さらなる結果を追求した。途中出場時には、チームの熱に強制的に自分を合わせるため、ボールに関係なく「相手にぶつかりに行く」ことを意識。こうした独特の工夫を通じて、ゲームの主導権を握るクレバーな一面も持つ。
Q. オランダで研ぎ澄まされてきたストライカーとしての能力、具体的にどのような変化があったか?
Jリーグとオランダリーグの最大の違いは、フィジカルコンタクトの「強度」にあると言う。オランダでは平均的に選手が大きく身体が強いため、Jリーグで通用したプレーが止められる場面に直面した。これに適応するため、以前よりシンプルなプレー選択を意識し、自身の強みである瞬発力を活かして、より効率的にゴールへと迫る術を身につけた。

また、これまで苦手としていたヘディングでの得点能力が飛躍的に向上した。その鍵となったのは、同僚の小川航基選手からの学びと、クロスのタイミングと駆け引きへの徹底した研究であった。「クロスが上がるまで我慢し、最後の瞬間に瞬発力で相手の前に入る」「左右に揺さぶりをかけてDFを惑わす」といった動きを習得することで、フリーでボールに触れる機会を劇的に増やした。
これらの努力の結果、ヘディングだけでなく左右両足でもゴールを量産し、多彩な得点パターンを確立した。自身のプレーを客観的に分析し、感覚的なものを言語化する探求心が、現代サッカーにおける彼のストライカーとしての進化を加速させている。
Q. 目指すは「得点特化型」。個性派ストライカーの哲学と、日本代表での自身の役割とは?
塩貝選手の好きな選手はクリスティアーノ・ロナウドだが、自身のタイプとして目指すのは「得点特化型」の個性的なストライカーである。「インザーギのように、点だけを取るプレーヤーになりたい」と語り、「普通のストライカーは面白くない」という独自の哲学を持つ。彼にとって、サッカーの魅力はゴールという最も重要な結果で周囲を納得させることにある。一つの型に収まることなく、多様な選手の優れたプレーを吸収し、自分だけのスタイルを確立しようと日々模索している。

日本代表については「サプライズ選出」ではなく、実力でポジションを勝ち取ることにこだわる。「選ばれるだけでは意味がない。ワールドカップに出て点を取る」という強い意志を示す。現在の日本代表の攻撃的なスタイルにおいて、彼の瞬発力と献身的な守備意識は大きな武器となる可能性を秘めている。味方のパサーがパスを出しやすいように動き、本気のオフ・ザ・ボールの動きで相手を引きつけ、味方を生かす「囮」の役割も果たすことができる。彼は、現在の日本代表の戦術にも柔軟に対応し、ストライカーとしてもシャドーとしてもフィットできると自己分析している。
Q. サッカー以外の研究熱心な側面と、ピッチ内外で追求する自己成長の術とは?
高校時代、慶應義塾大学合格を目指した塩貝選手は、評定平均4.9という驚異的な成績を収め、AO入試のためには政治家に話を聞きに行くほどの徹底した「研究者気質」を発揮した。目標のためなら手間を惜しまないこの姿勢は、サッカーにおいても一貫している。走り方や筋力トレーニングについても、専門家に頼る前にまず自分で徹底的に調べ、実践する。このような自律的な学習スタイルが、彼のプレー分析や肉体改造の根底にある。
ボディビルダーの父の影響もあり、「やった分だけ結果が出る」筋力トレーニングを好み、そこから目標から逆算して栄養摂取や休養を管理する「逆算思考」を培った。オランダでは自炊に励み、栄養面も自己管理を徹底。得意料理のキーマカレーやボロネーゼをチームメイトの小川航基選手に振る舞うなど、ピッチ外でも積極的に人間関係を構築し、コミュニケーションがプレーに与える影響も深く理解している。
高校時代は自主性を重んじる監督の下で自由にプレーしたが、大学時代には規律を重視する監督と衝突し、「お前が点を取りたいのなら、他の10人が守備していることを理解せよ」と諭された経験を持つ。この教えは「点だけ取ればいい」という彼の考えを改めさせ、守備意識を改革する転機となった。これらの経験が、塩貝選手が自己成長を追求するための多角的なアプローチを形成した。
Q. 最終的な目標はレアル・マドリードだと語る塩貝選手が描くキャリアビジョンとはどのようなものか?
塩貝選手が思い描くキャリアプランは、オランダで確かな結果を残した後、若いうちに欧州五大リーグの中堅クラブへ移籍し、そこで再び実績を積んでビッグクラブへステップアップするという明確な道筋がある。その最終的な目標は、クリスティアーノ・ロナウドに憧れて抱き続けた夢、レアル・マドリードでのプレーである。「白いユニフォームを着てピッチに立つ」という幼少期からの憧れが、日々の努力を突き動かす原動力となっている。
自身の日本代表入りについては「自分が監督なら呼ぶ」と絶対的な自信を語る一方、今の自分はまだクラブで安定した結果を残せていないと冷静に自己評価も行う。このような客観性と野心を兼ね備えたバランス感覚が、彼のキャリアをさらに高い次元へと導く。また、監督の戦術にはこだわりが強く、ロングボールを多用するサッカーは「雑に扱われているようで好きではない」と言う。自身の強みを最大限に活かせる、パスを繋ぎながらゴールを奪う攻撃的なチームでのプレーを理想とする。