
為替・日経平均株価・インフレの行方 2026年マーケット超予測
2026年マーケット超予測:プロが語る為替と株価の最新動向
2025年は、政治的変動と歴史的な株価上昇が市場を大きく動かした一年である。投資家のマインドも変容する中、2026年の市場は一体どのような展開を迎えるか。
ピクテ・ジャパンの大槻奈那氏、大和証券の壁谷博和氏、ソニーフィナンシャルグループの小川牧氏、三名のシンクエキスパートが為替・株価、そして注目セクターを多角的に分析し、今後の展望を徹底議論した。
この記事では、専門家の見解から2026年の市場の鍵を探り、変動の時代を乗り切るための情報収集術までを明らかにする。
Q. 2026年のマーケットは全体的にどのような動きを見せるか?
2026年の市場は、為替の不確実性と日本株の強気見通しが同居する複雑な局面を迎えると予測される。専門家の間ではドル高を予想する声もあれば、政治的要因や日米金利差縮小から円高へ転換すると見方も分かれた。
一方で日経平均株価については、日本の企業業績が過去最高益を更新するとの見方が強く、5万円台後半から6万円への到達も視野に入っている。
Q. 2025年に日本の市場に最も影響を与えた出来事は何であったか?
2025年に日本の市場へ最も大きな影響を与えた出来事の一つに「高市政権誕生」が挙げられた。新政権による「積極財政」への方針転換は市場に強いポジティブな期待感をもたらし、株価上昇の大きな原動力となった。具体的な予算措置が始まる2026年以降に、その効果はさらに明確になるだろう。
また、世界的には「トランプ関税ショック」が米ドルの下落を招いたものの、日本円のさらなる弱さがドル円相場を押し上げた。
そして国内市場で最も象徴的だったのは、日経平均株価が35年ぶりに史上最高値を更新し、その後も年間20回以上更新を続けたことだ。これは投資家の日本株に対する認識を根本的に変え、「持たざるリスク」を生み出し、さらなる資金流入を促す好循環のきっかけになったと分析される。
Q. 為替市場における2026年のドル円の行方はどのように予測されるか?
2026年の為替見通しについて、専門家の間では意見が大きく分かれた。小川牧氏は「ドル高」基調を予測し、市場が期待する米国の利下げ回数が現実には1回程度に留まると分析している。
米国のインフレがトランプ関税の影響や減税政策で高止まりするため、FRBは積極的な利下げに踏み切れないという。これにより、ドル円は一時160円台まで上昇する局面もあり、年末は155円程度と見る。
対照的に、大槻奈那氏は「円高」へのシフトを予測する。トランプ政権が中間選挙を意識し、政治的な圧力でFRBに利下げを促す可能性があると指摘する。FRB議長の交代もハト派的な政策を加速させ、米国の実質金利が低下することで日米金利差が縮小し、円高方向(140円台後半)へ進むと見ている。
壁谷博和氏も緩やかな円高を想定し、日米金利差縮小に加え、日本株の魅力度向上に伴う国内への資金回帰が円高要因となると指摘。NISAを通じた円売りドル買いの流れが巻き戻される可能性もある。
Q. 2026年の日経平均株価はどの水準まで上昇する可能性があるか?
2026年の日経平均株価について、専門家全員が強気の見通しを示した。
大槻奈那氏は5万5000円を予測し、米国の株価上昇政策と日本のAI分野への政府支援などが自律的成長を後押しすると述べた。
壁谷博和氏は、市場のコンセンサスを上回る6万円台到達の可能性を示唆した。2026年度の日本企業が過去最高益を更新し、PER(株価収益率)が現在の18倍の壁を超えて20倍以上に拡大することで実現すると予測。現在の相場はバブル的過熱感がなく底堅いと評価した。
小川牧氏は、米国の限定的な利下げが株価上昇を抑制する可能性も考慮しつつ、日本の成長投資への期待から5万3000円と比較的堅実な見方を示す。
専門家は過去の株価トレンドに影響されるため、転換点の予測は困難である。株価予測の「数字」だけでなく、「なぜそう考えるのか」という根拠を理解することが、投資判断において極めて重要となるだろう。
Q. 来る2026年に特に成長が期待されるセクターはどこか?
2026年に成長が期待されるセクターとして、高市政権の成長戦略で注力される分野が挙げられる。
一つ目は「エンタメ・コンテンツ産業」である。17の重点分野に含まれる国策銘柄として、日本の文化は世界的な競争力を持ち、IP(知的財産)で収益を上げる構造へ移行する潮流に合致する。アニメ、ゲーム、映画など幅広い分野で成長が期待できるだろう。
二つ目は「金融セクター」である。日本が金利上昇局面にある中、直接的な恩恵を受ける王道分野だ。大手銀行はM&Aアドバイザリーなどのフィービジネスが拡大し、地方銀行は再編による効率化で収益が向上すると予測される。
三つ目はAI関連からの派生で「電線」「機械」「情報・通信」セクターである。半導体市場が過熱する中、データセンター建設に伴う電力供給インフラとしての電線や光ファイバー、人手不足を補うための省人化投資、AI関連システム投資が持続するため、これらも注目すべきだ。
四つ目は「不動産セクター」である。金利上昇の逆風がある一方で、インフレヘッジとしての価値が高まり、資産価格の上昇が金利上昇の影響を上回るとの見方がある。ただし、市場の過熱感には警戒が必要である。
Q. 投資家は変動の大きい時代にどのように情報収集し、判断すべきか?
変動の大きい市場で投資判断を下すためには、効果的な情報収集術が不可欠だ。
専門家が挙げるポイントの一つは「定点観測」である。特定のニュースやレポートを毎週や毎月といった決まったタイミングで継続的に見ることで、市場の変化や異常をいち早く察知する感性を養うことができる。
また、「一次情報」に触れることも重要である。個人ブログやSNSの情報だけでなく、大手報道機関のような信頼性の高い情報源を優先するべきだ。加えて、日本の市場は海外情勢の影響を大きく受けるため、翻訳ツールを活用してでも英文ニュースに目を通すことが推奨される。
そして最も効果的なのが「アウトプット」を通じた理解の深化である。友人や同僚と情報をディスカッションしたり、読んだ本について輪読会を開いたりすることで、知識の定着と新たな視点の獲得が可能となる。