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激動の一年を振り返る ニュースランキング超分析
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2025年12月24日

【Sponsored by 日本経済新聞社】 専門家と共に徹底分析し、世相を読み解く番組「ランキング超分析」。今回は特別編として「ニュースランキング超分析 激動の1年から紐解く 2026年のキーワード」をテーマに、4人の有識者とともに今年1年をランキング形式で振り返り、来年注目のキーワードを聞きまし...
2025年の激動から見据える2026年:経済、政治、AI、ビジネスの行方とは?
2025年は世界中で政治、経済、テクノロジーが大きく動いた一年だった。年末に専門家たちが集結し、この激動の年を振り返り、2026年に向けたキーワードを読み解いた。複雑に絡み合う世界情勢の中、個人や企業、そして日本全体が進むべき道とは何か。ここでは、彼らの洞察に基づき、来年を理解するための主要な論点をQ&A形式で深掘りする。

Q. なぜ今、世界中で右派ポピュリスト政党が台頭しているのか?
世界的に既存政党を中心とする政権が揺らいでいる背景には、グローバル化の進展と新自由主義的改革が中間層の没落を招いたことが挙げられる。特に働く人々が経済的にも精神的にも置き去りにされた結果、排外主義的な色彩を持つ右派ポピュリスト政党が支持を集める状況だ。欧州各国でこの傾向が顕著であり、ドイツでは社会民主党が第三党に転落し、フランスではマクロン政権が政権運営の困難に直面している。
日本も例外ではない。26年続いた自公連立が解消されるなど、従来の政治の枠組みに変化の兆候が見られる。かつての政治家とは異なる「ポピュラリティ」を持つ政党が台頭し、日本の政治も欧米型に不安定化している側面があるだろう。このような政治動向は、各国が財政出動に傾きやすく、財政規律が緩むことで「悪い円安」のようなリスクを高める可能性を秘める。
Q. 米国第一主義の「トランプ関税」は、日本経済にどのような影響を与えているのか?
2025年の経済ニュースの1位を飾ったのは、トランプ政権による関税発動である。選挙戦から「関税引き上げ」を公言していたトランプ氏の政策は、結果的にディールの手段として機能し、世界から700兆円以上の対米投資を呼び込んだ。これは、世界の資金を米国に集め「アメリカ一強」を構築しようとする強力な戦略と見ることができるだろう。

日本企業の立ち位置にとって、この動きは無視できない。米国での生産・投資がほぼ規定路線となり、特に大手製造業に部品を供給する中小企業は、サプライチェーン全体の再編を迫られるだろう。他方、米国ではEV一辺倒の潮流が落ち着きを見せ、ハイブリッド車の再評価が進んでいる。これは高い技術力を持つ日本の自動車産業にとって追い風となり、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性がある。しかし、最終的には対米投資をいかに実現し、貿易摩擦を回避するかが重要になる。
Q. AIの進化はホワイトカラー職にどのような危機をもたらし、「教育投資大損」とは何か?
AIの急速な進化は、これまで安全だと考えられてきたホワイトカラー職に大きな影響を与えている。特に広報や人事、事務など、比較的ルーティンワークが多い「準クリエイティブ」な業務はAIに代替されつつある。これにより、米国では大卒、特にコンピュータサイエンス専攻者の失業率が全体平均を上回る事態が発生しており、「ホワイトカラー危機」はすでに現実化していると言える。企業が若手の育成コストを嫌い、AIで代替する傾向もこの現象を加速させている。
これは「教育投資大損」という新たな課題を生んでいる。これまで多くの親が子どもを大学に進学させホワイトカラー職を目指すために多額の教育費を投じてきた。しかし、AIに仕事を奪われ、その教育コストを回収できない可能性が高まっている。一方、ヒューマノイドロボットは期待されたほどの進化を遂げておらず、介護や建設現場といった複雑な肉体労働を代替することは困難だ。これにより、配管工や電気工事士などの技能を持つブルーカラー職の価値は相対的に上昇するだろう。今後のトレンドとしては、汎用AIではなく、金融や医療など特定分野に特化した「コンパクトAI」の普及が予測される。
Q. 日本企業が不確実な時代を勝ち抜くための戦略は何か?
日本企業は往々にして優れた製品を作る技術力を持つが、グローバル市場での販売力には課題がある。「芝浦電子の買収事例」に見られるように、自社の強みに特化し、不足する販売力などを海外企業との提携で補うオープンイノベーションの姿勢が有効となる。

ソニーとトヨタの事例は、不確実な時代における成功戦略のヒントを示す。ソニーは半導体からエンターテインメントまで「世界で規模を追える」かを判断基準とし、従来の枠にとらわれない事業展開で成功を収めている。例えば、映画「国宝」が海外展開を視野に入れて制作され、大ヒットした背景にはアニプレックス(ソニーの子会社)の周到な計算があった。
一方、トヨタはEVに「全振り」して苦境に陥った日産とは異なり、EV、ハイブリッド、水素燃料電池車など多様な選択肢に「遊びのある戦略」で投資し、リスクを分散している。これは「何が正解か分からない」時代において非常に有効なアプローチだ。技術転換は早ければ良いわけではなく、足元のビジネスを維持しつつ、適切なスピードで次世代技術への移行を進めることが、企業の明暗を分ける要因となるだろう。日本企業には、自らの強みを活かしつつ、固定観念にとらわれない柔軟な発想と、迅速な事業再編、M&Aも積極的に取り入れる姿勢が求められる。
Q. AIが日常生活やビジネスモデルに与える新たな問題は何か?
AIの過度な利用は「AIうつ」という新たな心身の不調を引き起こす可能性がある。AIとの対話は、人間相手よりも知的刺激が強く、ハイパーな状態が続くことでアドレナリンが過剰分泌され、結果的に副交感神経にダメージを与えて「うつ」状態を招くとされる。SNSとの付き合い方と同様に、AIとの適切な距離感や利用時間の制限が、心身の健康維持には不可欠だ。

また、AIは広告ビジネスモデルに「共倒れ」のリスクをもたらす。従来のウェブブラウザを使った検索や動画視聴による広告接触時間は、AIの利用時間が増えることで大幅に減少する。一方で、生成AIは現状、広告と相性が悪く、新たなビジネスモデルが確立されていない。結果として、AIと既存の広告ビジネスは互いの時間を奪い合い、双方の収益を悪化させる可能性が高い。来年あたりからこの共倒れ現象が始まるのではないかという指摘もある。クッキー規制による広告精度の低下も、この問題に拍車をかけている。
Q. 2026年に向けて国際関係で最も注目すべき課題は何か?
2025年が米国に振り回された一年だったとすれば、2026年は「中国」が国際関係の主要なキーワードとなるだろう。特に年末から中国との関係は急速に悪化しており、これは日中間の問題だけでなく、ヨーロッパ各国と中国の間でも摩擦が増大している。例えば、半導体企業を巡るオランダと中国の衝突は、結果的にホンダの米国における自動車生産に影響を及ぼす事態に繋がった。
この現状は、世界中が経済的に中国に大きく依存しつつも、「ジャイアン」と化した中国とどう向き合うかというジレンマに直面していることを示している。特に情報通信分野では、中国への全面的な依存は国家安全保障上も懸念材料だ。台湾情勢を巡る地政学的な緊張も、経済のデカップリング(分断)を求める声を生む一方で、完全に切り離すことが困難である現実がある。日本を含め世界各国は、中国との適切な距離感をいかに見出し、依存と緊張のバランスを取りながら関係を構築していくかという難しい課題に直面している。