
自分時間を取り戻す家電/頑張る・努力・手作り信仰は捨てよ/洗濯機・掃除機・調理家電・食洗機【勝間和代】
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2025年12月5日
多忙なビジネスパーソンへ、圧倒的な成果を上げている著名人が時間術のヒントを提供する「TIME IS」。今回は、経済評論家の勝間和代氏に「家電・ガジェットの選び方」を聞いた。後編は「家事の生産性」を上げる家電を紹介する。 <出演者> 勝間和代|経済評論家 <参考書籍> 『仕事と人生を変える 勝間家...
時間を「生み出す」のではなく「家電で買う」論理的家事術と自由時間戦略
家事に「頑張り」や「手間暇」といった精神論を持ち込んではいないだろうか。炊事洗濯、掃除といった日々のルーティンに、時間や労力を費やし、自由を失っていると感じる現代人は少なくない。しかし、その認識自体が誤りであると語るのが、経済評論家の勝間和代氏だ。勝間氏は、最新の家電を「レバレッジ」として活用することで、家事を圧倒的に効率化し、その結果生まれる時間を自身の幸福に投資する哲学を提唱する。この記事では、勝間氏が実践する、論理に基づいた家事術と、時間を生み出した後の自由な人生戦略を、Q&A形式で深掘りする。
Q. 家事の生産性を上げるため、どのような観点で家電に投資すべきか?
家電に投資する際の唯一の判断基準は「自分がやるよりも時間が短縮になり、かつ結果が優秀なもの」である。この基準を満たさない家電は、結局使われずに放置されることが多い。調理家電であれば、手作業よりも圧倒的に美味しく料理ができること、洗濯や掃除であれば、人が行うよりも清潔で手間がかからないことが必須の条件だ。

テクノロジーの進化は目覚ましく、人が「頑張る」領域をすでに大きく凌駕している。人間が本来費やすべき労力や時間を最小限に抑え、家電に任せることで、品質は向上し、時間は生まれる。この生まれた時間は、自身の健康や学び、趣味など、人生を豊かにする活動に再投資することが重要である。
Q. 最強の洗濯機と掃除機を選ぶ具体的な秘訣を知りたい?
洗濯機は、パナソニックの最上位モデルを推奨する。特に、洗剤や柔軟剤の自動投入機能は日々の小さな手間をなくし、計量のストレスを完全に解消する。また、最近の乾燥機は「ジェット乾燥」など、衣類を傷めずシワなく乾かす技術が進化している。化繊素材の衣類は縮みにくくシワにならないため、乾燥機との相性が良く、これを活用すれば洗濯物を「干す」という家事そのものを撲滅できるだろう。

ロボット掃除機については、iRobotのルンバシリーズを推す。特に「スケジューラー機能」が極めて重要であり、部屋のマッピング精度やソフトウェアの優秀さでルンバが優位にある。ゴミを自動で吸引するクリーンベース付きモデルを選べば、より完全な自動化が可能になる。補助的な掃除機としては、8000円程度の安価なコード式が最強である。充電式と異なり、吸引力が落ちる心配がなく、常に安定したハイパワーを維持するからだ。家電製品を選ぶ際のもう一つのポイントは「最上位機種の1世代前」を狙うことだ。新モデルの登場により旧モデルが型落ちとなったタイミングであれば、性能は申し分ない最上位モデルを4割引き程度で入手できる可能性が高い。これにより、賢く高性能な家電を手に入れられる。
Q. 料理は家電でどのようにすれば効率的かつ美味しくなるか?
家庭料理において、シャープのホットクックとヘルシオは最強の組み合わせと言える。水分が多く、かき混ぜが必要な煮込み料理や汁物にはホットクック、焼き物や蒸し料理、オーブン料理にはヘルシオと使い分けることで、あらゆる家庭料理が網羅できる。ホットクックは蓋を閉じたまま自動でかき混ぜる画期的な機能を持つ。これにより、料理を放置しても焦げ付かず、密閉状態で調理するため食材の酸化を防ぎ、旨味や栄養を最大限に引き出す。

ヘルシオは業務用スチームコンベクションオーブンの家庭版であり、グラタン、ローストビーフ、パンなど、レストランで出されるようなプロ級の料理を家庭で再現可能にする。調理家電は、人間が手作業で行うよりも、はるかに精密な温度管理や均一な加熱、酸化防止といった科学的アプローチを可能にする。そのため、調理家電の本質は単なる「時短」ではなく、「人が作るより圧倒的に美味しい料理を簡単に作れる」点にある。時には手作業より時間がかかることもあるが、その結果として得られる味わいは、費やした時間を十分に補って余りある。
Q. 自炊継続の秘訣と食洗機の効果的な活用法を知りたい?
自炊を習慣化するには、食洗機の存在が不可欠である。手作業での皿洗いは、日々の積み重ねで大きな負担となり、自炊を断念する原因となるため、資金がない時期でも食洗機には投資するべきだ。理想は、ホットクックの内鍋などの大型調理器具も洗えるビルトイン型だが、据え置き型でも大型モデルを選べば多くの食器を一度に処理できる。ただし、メーカーの「〇人分」という容量表示を鵜呑みにせず、実際には1人〜2人分程度と考え、こまめに回すのが賢い使い方だ。
食洗機を効率的に使うには、最も短い「時短コース」を選び、乾燥機能をオフにすることを推奨する。手洗いよりもはるかにきれいになる上、乾燥にかかる時間と電気代を節約できる。乾燥機能を使わないことで、「食洗機不可」とされている製品、例えばホーロー鍋なども、高温による変形の心配なく洗浄できるようになる。洗浄後は水切りカゴに置いて自然乾燥させれば十分だ。このように家電のテクノロジーの本質を理解し、その特性を最大限に引き出す工夫をすれば、家事の負担は劇的に軽減されるだろう。
Q. 「頑張る」「手間暇」といった従来の家事に対する考え方をどのように変えれば良いか?
家事における「頑張り」「努力」「手間暇をかける」「手作り」といった精神論や完璧主義の考え方は、すべて捨てるべきである。これらの価値観は往々にして非効率であり、最終的な成果も期待を下回ることが少なくない。手間暇をかけたとしても、まずいものはまずいのだ。料理で言えば、レシピに書かれた珍しい調味料を揃えることに固執せず、塩、胡椒、醤油、味噌といった基本的な調味料だけで十分美味しく作れるという意識を持つべきだ。
重要なのは、「どこに時間や手間をかけるべきか」「どこを省略すべきか」を論理的に判断する「レバレッジ思考」である。調理であれば、正しい加熱方法や食材の切り方といった、味に直結する本質的な部分に集中し、それ以外は機械に任せる。家電とは、インプット(時間、労力)を最小化し、アウトプット(品質、自由な時間)を最大化するための強力な「てこ」として捉えることが肝要である。この思考転換こそが、家事から解放され、より豊かな人生を送るための鍵を握っている。
Q. 家電で時間を生み出した後、その時間を何に使うのが最も有益か?
家電で時間を生み出したら、その時間をさらなる「努力」や「自己研鑽」に充てなければならない、という強迫観念に囚われる必要はない。生まれた時間は、純粋に「遊ぶ」ことや、自分の幸福に直結する趣味に投資するのが最も有益である。例えば、集中力を要する数独(ナンプレ)に取り組む、体を動かすVRゲームをする、かねてから興味のあった電子サックスを習うといった活動だ。

人生100年時代を見据えれば、時間の使い方には戦略が求められる。体が動く65歳から70歳ぐらいまでは、登山やバイクツーリングといった体力を必要とする趣味を優先的に楽しむ。一方、ゴルフや旅行などの活動は、70代以降でもある程度は楽しめるため、優先順位を少し下げて計画的に楽しむのが賢明だろう。年齢によってできることが変化するという事実を認識し、限りある体力の時期にしかできない経験を積むことが、後悔のない人生を送るための重要な戦略となる。常に新しい分野を学び続ける「勉強」の時間もまた、知的欲求を満たし、知見を広げる上で欠かせないものだ。
Q. 長時間労働に疑問を持つ若手ビジネスパーソンへアドバイスはあるか?
私自身、30代から40代半ばまで長時間労働を続けてきたことを、人生における最大の後悔の一つとしている。長時間労働をやめたことで、人生の自由度は飛躍的に向上したからだ。
多くの人が「1日7時間から8時間働くのが当たり前」という認識を持つが、これは根本的に間違っている。人間が本当に集中し、効率的にパフォーマンスを発揮できる時間は、せいぜい4時間程度が限界である。残りの時間は、たとえ仕事をしているつもりでも、実際には無駄な時間として消費され、結果的に人生そのものを損失していることと同じだ。
若手ビジネスパーソンへのアドバイスは、生産性を高め、意識的に「長時間労働をやめる」ことである。会社や社会の常識に従って不毛な時間を過ごすのではなく、与えられたタスクを短時間で最高品質でこなし、残りの時間を自己成長や人生を楽しむことに費やすべきだ。この働き方のシフトが、より充実したビジネスキャリアとプライベートな生活を両立させる道を開く。
