PIVOT TALK BUSINESS
ポストYouTube時代に、PIVOTは何をすべきか?
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2025年11月16日

若者の間で匿名SNS離れが進んでいる。SNS、AIが当たり前になった時代に、コンテンツ・メディアはどう変わっていくのか?連続起業家の福田淳氏と東京科学大学の柳瀬博一教授に予測してもらった。 ▼プロフィール 福田淳|連綂起業家 日大芸術学部卒業後、東北新社、ソニー・ピクチャーズを経てソニー・デジタル...
現代ビジネスのフロンティア: ファンダムとディープメディア戦略
現代ビジネスにおいてメディアとコンテンツの価値は激変した。マス追求から熱量の深いニッチへ。
コンテンツの質、深いエンゲージメント、そしてコミュニティの形成が成功の鍵を握る。
本記事は、この新たなビジネスモデルの核心をQ&A形式で解き明かす。
Q. 小さいコミュニティが大きなビジネスへ発展する条件は何か?
これまでの「マス」の概念は変化し、150人規模の小コミュニティが100万個存在する世界へと移行した。ニッチが積み重なり、結果としてマスを形成する構造である。

ディスカバリーチャンネルのような専門性の高いコンテンツが深い体験価値を提供し、マス市場を獲た。ウォルト・ディズニーによるナショナルジオグラフィック買収もこの流れを象徴する。ハリウッドスタジオの所有権の変化も同様の傾向を示している。
Q. YouTubeで「本物」が育ちにくいのはなぜか、現代の「コンテンツの質」の定義は?
テレビは1%で50万人視聴という強力なリーチ力を持つ。これはYouTubeでは難しく、メディア価値を数字で正確に捉える必要がある。
コンテンツ制作は鍛錬と才能を要する専門職である。「YouTuberで生計」は甘くなく、クオリティ不足は淘汰を招く。プラットフォーム自体が高品質コンテンツを生むとは限らない。
携帯小説ブームの終焉は編集者不在による。アルゴリズムで類型的な作品が量産され、作家は育たず、市場ごと消滅した。
Q. 個人の才能を結集させる「チーム力」こそ、現代エンタメ成功の必須条件か?
高品質コンテンツは一人で継続しにくい。陶芸家同様、意見し成長を促す「カウンターパート」と組むことが重要だ。
映画制作のように多くのクリエイターを要する分野では「チーム力」が成否を分ける。トップクリエイターの組織化がヒットの打率を上げる鍵となる。

Netflixの成功はクリエイターとの専属契約による。ソニーのヒット連発も豊富なリソースと裁量を活かす企業文化が支える。リスク恐れぬ挑戦が成功を生む。
ハリウッドは大型・中規模・アート系の三層ポートフォリオと「ウィンドウイング」戦略でリスク分散を図る。日本コンテンツのグローバル展開にも、質の高いビジネスノウハウは必須である。
Q. 人々の行動を促す「ディープメディア」とは何か、広告戦略とどう結びつくか?
ディープメディアの本質は、単なる認知を超え、受け手の行動や価値基準を深く変容させる力にある。特定のポッドキャストファンが自らオフ会を開催する例が典型だ。
広告が求めるのは「数」より「リーチ」、すなわち深い影響力である。経営層がデータより家族の「推し」で採用を決める例は少なくない。生活者のリアルな熱量が市場の真実を映す。
経験や熱量といった「深さ」の指標は、スマートフォンデータなどを活用すれば数値化が可能である。この見えにくい価値を理解し、活用することがブランド力を高める。
Q. 「働く母親」が社会の最強マネージャーと呼ばれるのはなぜ、ビジネスはどう応えるべきか?
労働格差や昇進の壁など女性が抱えるジェンダーギャップは大きい。だが、家庭も社会も多角的に見据える「ワーママ」こそ、日本社会の複雑なマネジメントを担う「最強の社長」だ。

ワーママが暮らしやすい街づくりは、老若男女に優しい街を作る。東京での電動ママチャリの必要性のように、インフラと生活を結びつける視点が、街やコンテンツのファンダムを築く基盤となる。
一方、投資目的タワマンで住民不在のエリアは治安悪化、コミュニティ不在を招く。人々の生活と乖離した開発は街の魅力や教育環境を損なう。
Q. ビジネスメディアに残された最後のフロンティア、「ファンダム」構築の鍵は何か?
スポーツや政治分野でファンダム化が進む一方、ビジネスメディアは最も保守的だ。これは同時に、未開拓の巨大なチャンスがあることを示唆する。
既存メディアは旧態依然。視聴者が「盗み聞き」するような臨場感や「参加」を促す番組構成へ転換し、深いエンゲージメントを追求すべきだ。テーマを明確にし、コミュニティ運営は熱心なファンに委ね、真のファンダムを育む。
ロッキング・オン誌が読者投稿とライブ事業で成功した例のように、情報提供から「参加の場」提供者へシフトする戦略がビジネスメディア成長を促す。
Q. 最もドラマチックな「課長」は、なぜ次世代ビジネスメディアの最適解となり得るのか?
ビジネスメディアは、漠然としたエグゼクティブ層でなく、上司と部下の板挟みで最も多くのドラマを抱える「課長」にターゲットを絞るべきだ。

漫画『課長 島耕作』が人気だったのは、作者の課長経験に基づくリアルな描写から来た。課長の悩みこそが、最も深い共感を呼ぶのだ。
課長のための「バイブル」となるメディアは、現実的な課題を解決し、仕事の熱意を高める。報酬だけでなく「自分の時間の価値」を重視する現代に、課長の情熱に焦点を当てることは新たなビジネス機会となる。