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NVIDIA×Intel 歴史的連携の"表と裏"
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2025年9月23日

NVIDIAがIntelに50億ドル出資を発表。 果たしてそこに潜む狙いとは? インテル復活となるのか? 半導体覇権の今後についてグロスバーグ代表 大山聡氏に伺った。 <ゲスト> 大山聡|グロスバーグ代表 1985年東京エレクトロン入社。 産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、 富士通に...
NVIDIAとIntel、GPU王者が組む衝撃:半導体業界の勢力図は変わるか?
半導体業界に衝撃が走った。GPU市場を席巻するNVIDIAが、長年業界の盟主でありながら近年低迷するIntelへの出資と協業を発表したのである。
これはAIサーバーやPCの根幹を揺るがし、半導体業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めた動きである。
専門家の視点から、この異例の協業が持つ真の意味とその未来を探る。

Q. NVIDIAとIntelの協業発表は、なぜこれほど業界を揺るがすのか?具体的な出資内容と技術提携の狙いは何か?
NVIDIAとIntelの協業は、一見すると絶好調NVIDIAと低迷Intelというアンバランスに見える。しかし、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOには深い戦略があるのだ。
50億ドルの出資は、金額以上に未来を見据えた強いパートナーシップの意思表示である。
技術提携の核心はデータセンター向けソリューションにある。
Intelの基盤技術とNVIDIAのAIサーバー技術を融合させ、両社の強みを最大化し、過去の常識を覆す「CPUとGPUを同じパッケージに乗せる」という野心的な構想を目指している。

Q. CPUとGPUを同一パッケージに統合することには、どのような技術的意味とメリットがあるのか?
これまでCPUとGPUを同一パッケージに載せるのは不可能だと考えられてきた。
NVIDIA独自のNVLinkなど異なる通信プロトコル(チップ間の「言語」)が壁だったためである。
チップが別々だと「言語の壁」や「外部回線の速度低下」により、本来の性能が十分に発揮されなかった。
しかし、技術提携でこの問題を克服し、同一パッケージ内で高速通信が可能になれば、CPUとGPU双方の性能を最大限に引き出し、データセンター全体のパフォーマンスを劇的に向上させるメリットがある。
これにはIntelが長年培ってきた高度な後工程技術が不可欠だ。
Q. 絶好調NVIDIAが低迷するIntelと手を組む深層的な戦略はどこにあるのか?
NVIDIAがIntelと組む深層的な戦略は二つだ。第一に、将来的にIntelの製造部門(ファウンドリ)をGPUの製造委託先候補とし、TSMC一強体制を牽制し、サプライチェーンのリスク分散と価格交渉力強化を目指す狙いがある。
第二に、NVIDIAにない最先端パッケージング技術「チップレット」のノウハウ活用である。
Intelはチップレット標準化コンソーシアム「UCIe」を主導しており、異なるメーカー・工場で作られたチップを単一パッケージに統合する技術力と信頼性は群を抜いている。
業績は振るわなくとも、Intelが持つ隠れた技術的資産の価値は極めて高いのだ。
Q. 巨額の赤字と過去の失敗を抱えるIntelは、この提携を機に復活できるのか?
Intelの製造部門は過去5四半期で実に2兆円もの巨額赤字を計上し、危機的状況にある。
約1年前に決定した製造部門の分社化も、米政府が重要技術の海外流出を許容しないため進展が見られない。
Intelの歴史的失敗の一つは、高速性を追求するあまり消費電力の高さを軽視し、スマホ市場への参入機会を逸したことだ。
しかし、今回のNVIDIAとの提携は、Intelに「サーバー市場でのシェア奪還」と「製造部門の外部からの受託製造」という復活の道を開く可能性を持つ。
また、Intelの「高速だが消費電力高い」特性は、電源が豊富なサーバー市場では致命的な問題ではない。
CPU・GPU統合で深刻化する発熱問題に対して、Intelが長年培った冷却・放熱技術は世界トップクラスで、その価値は最大化される可能性がある。

Q. 今回の異例の協業は、競合企業(AMD、TSMC、サムスン)や日本の半導体業界にどのような影響を与えるのか?
NVIDIAとIntelの提携は、半導体業界の競合他社や日本企業に大きな影響を与えるだろう。
AMD:Intelが自滅した隙にサーバー市場シェアを拡大してきたAMDにとって、今回の提携は最大の脅威だ。
TSMC:NVIDIAの最大の顧客であるため、Intelへの製造委託はTSMCの独占的地位を脅かす懸念材料となる。
サムスン:ファウンドリ事業でTSMCを追撃するサムスンにとって、Intelの製造能力強化は競争激化につながるためマイナス要因だ。
ラピダス:日本の国産ファウンドリを目指すラピダスには、強力なライバル出現として将来的な脅威となる。
日本の半導体製造装置メーカー(東京エレクトロンなど):停滞していたIntelの設備投資が再開する可能性があり、彼らにとっては大きなビジネスチャンスとなるだろう。
Q. 半導体業界に新たな局面を開いた今回の協業で、今後注目すべきポイントは何か?
今回の提携は「その手があったか」と業界に衝撃と警戒を巻き起こしたサプライズであった。
今後まず注目すべきは、NVIDIAとIntelの提携がどれほど具体的に進展するかに集まる。
特に、Intel製造部門の分社化と、NVIDIAによる実際の製造委託の行方だ。
また、AMDやTSMCなど競合他社がこの新たな動きに対してどのような戦略を打ち出し、業界のパワーバランスをどう変化させるのかも見どころである。
予測困難な時代において、固定観念にとらわれない柔軟な提携や、未開拓技術への挑戦が、今後の半導体業界の覇権を握る鍵となるだろう。