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中国人の“不動産爆買い”は続くのか?
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2025年9月6日

地価高騰が止まらない東京都心。その牽引役の一つである中国人・香港人の東京爆買いは今後も続くのか?香港現地を取材したばかりの、吉松こころ・Hello News代表に話を聞いた。 <ゲスト> 吉松こころ|Hello News 代表 25歳の時、業界紙「週刊全国賃貸住宅新聞」に入社。広告営業として、年間...
東京の不動産は上がり続けるのか?香港人・中国人による「逃避」目的の不動産購入の実態
日本の不動産市場、特に東京の不動産価格は上昇を続けている。なぜこのような状況が生まれているのか?特に中国や香港からの投資が日本の不動産市場にどのような影響を与えているのか?23年間不動産業界で様々なプレーヤーを取材してきた吉松こころ氏(Hello News代表)に、東京の不動産市場の現状と展望について話を聞いた。

Q. 不動産は「化け物」だと思うという表現をされていますが、それはなぜですか?
不動産は扱う金額が桁違いに大きいからだ。安くても数千万円からスタートする。それゆえ、大儲けすることもあれば大損することもある。しかし、大損が続いても、いい不動産に巡り合えば一発逆転できる人を何人も見てきた。
不動産には人間を狂わせる魔力がある。不動産業界の人々の多くは「儲けたい」「稼ぎたい」「一発当てたい」というモチベーションで動いている。欲というものが大きな動機づけになっているのだ。
Q. 東京は「30年前の香港」と表現されていますが、どういう意味ですか?
現在、香港人や中国人が東京の不動産を買っているが、実は30年前、同じことが香港で起きていた。当時、日本人による香港不動産の爆買いがあったのだ。
香港の不動産営業マン2人から聞いた話だが、当時はビルの屋上広告が日本企業で埋め尽くされていた時代だった。日本人が大挙して香港に行き、物件を見ないで購入するような状況だった。その結果、不動産価格が急上昇した。

香港のGDPは30年前(1995年頃)は13兆円だったが、現在は55兆円以上と4倍に成長した。日本が「失われた30年」を彷徨っている間に、香港は成長し続け、不動産価格も上がり続けた。日本人が火をつけ、その後も成長し続けた香港の資産を元に、今度は香港人が東京の不動産を買っているという構図だ。
Q. 香港人の「逃資」目的の東京買いとは何ですか?
「逃資」とは、資産を香港から逃がす、移すという意味だ。私が香港を訪れた際、超富裕層が売りに出している物件を約30件見た。最も安いもので85億円、高いものでは235億円や270億円という一軒家だった。
香港の富裕層は、いつ資産が政府に接収されるかわからない中、物件を売却し、そのお金で東京に資産を移している。売却先は主に中国本土の新興富裕層だ。香港人から見ると、中国本土の人々にとって香港は「沖縄のような感覚」で購入対象になっているという。
こうして「中国人が香港の物件を買い、香港人がそのお金で東京の不動産を買う」という資金の流れができている。香港の富裕層からすれば、東京の港区の物件価格(数億円程度)は「なんでもない」金額なのだ。
Q. 香港人の東京不動産購入は投資目的ですか、それとも実需ですか?
多くが「セカンドハウス」として購入している。単に家賃収入を得るためではなく、「何かあった時にすぐに来られるように」という避難場所として確保しているケースが多い。そのため、人が住んでいない物件も多く見られる。

香港では富裕層はタワーマンションに住まない。タワーマンションは「庶民が詰め込まれて暮らす場所」と見なされている。本当の富裕層は「ピークロード」と呼ばれる山頂に住み、香港の高層ビル群を見下ろす一軒家に住んでいる。通常4階建てで、地下1階が駐車場、1〜2階がリビング、3〜4階に寝室や書斎があり、屋上にはプールを備えているような豪邸だ。これらは100億円から200億円以上の価格がつき、管理費だけでも月に100万〜300万円かかる。
Q. 東京に超富裕層向け物件が少ないことについてどう思いますか?
香港の富裕層が東京の物件に満足できていない可能性がある。香港の富裕層は300〜400平方メートル(約100〜150坪)の住居に慣れているが、東京の高級マンションでも70〜90平方メートル程度が一般的だ。また、建材や内装のレベルも違う。
東京にも香港のような「見晴らしが良く、プライバシーが守られ、外部との行き来が自由な」豪邸があれば需要があるだろう。三田ガーデンヒルズのような物件も、中国の富裕層からすると「ショボい」と思われているかもしれない。
Q. 日本の不動産が香港人に人気の理由は?
相続税の違いが大きい。日本は最大55%の相続税がかかるが、中国には相続税がない。そのため、香港人が購入した日本の不動産は、無税で次世代に引き継ぐことができる。
また、日本は「健康な不動産マーケット」と見なされている。実際に多くの物件を東京で購入している中国人投資家は、「クオリティ・オブ・ライフ」の高さを評価している。食べ物、気候、安全面における日本の住みやすさは他国と全然違うという。
ニューヨークは金利が高く、シンガポールは外国人に対して60%もの追加税がかかる。ベトナム、フィリピン、インドネシアは成長が見込めるものの、食べ物や治安面で不安がある。総合的に見て、日本は魅力的な投資先なのだ。
Q. 中国からの不動産投資は今後も続くと思いますか?
基本的には続くと思うが、最近変化の兆しがある。2023年1月頃から中国人投資家の動きが鈍くなっているという話を聞いた。これは物件価格の上昇が原因ではなく、中国側で規制が強化され、資金を日本に移すことが難しくなっているのではないかという見方がある。

日本側で外国人による不動産購入規制を議論する前に、中国政府が自国からの資本流出を防ぐため、すでに規制を強化している可能性がある。もしこの傾向が続けば、中国人による「爆買い」は自然と収まっていくかもしれない。
Q. 日本は外国人による不動産投資を規制すべきだと思いますか?
ビザの取得や所有権の取得の緩さについては、ある程度規制した方がいいと思う。シンガポールのように外国人に対して追加税を課すことは合理的だ。日本の不動産に魅力があるからこそ、金持ちがお金を出しても買いたいと思うのだから、その価値に見合った価格設定をしても良いはずだ。
Q. 大阪の不動産市場の見通しはどうですか?
大阪も坪単価で3〜4倍に上昇している地域がある。万博の開催で世界中から注目され、インフラ投資も進んでいる。道頓堀や御堂筋は観光客、特に外国人で溢れている。
香港では大阪で民泊物件を購入したいという人も多い。大阪は特区制度があり民泊がやりやすく、インバウンド需要も多いため収益が見込める。また、東京と比べて価格がまだ安く、成長余地がある。「グランフロント」周辺のタワーマンションは以前200〜300万円/坪だったものが、現在は600万円/坪程度まで上昇している。
東京はすでに価格が高騰しているが、大阪はまだ上昇の途中段階にあり、今後も上昇が続く可能性が高い。
Q. 住宅購入を考える人へのアドバイスはありますか?
自分自身が住宅を購入したことがないため具体的なアドバイスは難しいが、住まいは自分の生き方と直結する問題だと思う。東京に住んで高い家賃を払い続けるか、所有という選択をして住宅ローン控除などを活用して資産形成を目指すか、あるいは東京以外の地域に住むという選択もある。
日本には東京や大阪以外にも、日本人さえまだ気づいていない魅力ある地域がたくさんある。ニセコのように、日本人が見向きもしなかった土地を外国人が先に魅力を見出すケースもある。今後は港区ばかりに注目するのではなく、多様な地域の魅力を発掘する方向に関心が向くと良いだろう。