
セリエA展望:ナポリ連覇か、ユーベ復権か
2024-2025 セリエA展望:12クラブが新監督で迎える変革期
新シーズンの注目ポイントと優勝候補を徹底分析
イタリア・セリエAの新シーズンが開幕する。前シーズンは欧州カップ戦不出場のナポリが優勝したが、今シーズンは20クラブ中12クラブが新監督を迎え、大きな変革期を迎えている。ナポリとインテルの2強と言われる中、どのチームが頂点に立つのか。サッカーライターの細江克弥氏とスポーツニッポン記者の垣内一之氏に詳しく話を聞いた。

Q. 今シーズンの注目点は何ですか?
セリエAは全体的に大きなリフレッシュを迎えている。20クラブ中12クラブが新監督となり、転換期を迎えている。インテルは昨シーズンのチャンピオンズリーグ決勝での敗戦後に監督が変わり、ひとつの時代が終わった印象だ。モドリッチやデブライネといった目玉選手の加入もあり、全体としての新鮮さが今シーズンの大きな特徴になる。

また、ユベントスが強くないとリーグが盛り上がらないという声もある中、新戦力のジョナサンデビッドのような選手の活躍にも期待したい。
Q. 優勝予想はどのチームですか?
ナポリの戦力が抜群
ナポリは移籍市場での立ち回りがうまく、現時点では戦力的に最も充実している。ただし、昨シーズンは欧州カップ戦に出場していなかったことが優勝の大きな要因だった。今シーズンはチャンピオンズリーグにも出場するため、両方の大会でどう戦うかが課題となる。
注目はデブライネとルカクのコンビネーション。ベルギー代表でも長く一緒にプレーしてきた二人の連携が仕上がってくると非常に魅力的なチームになるだろう。ただし、ルカクが負傷で約3ヶ月離脱することが発表されており、その間の対応が焦点となる。
ユベントスの復活なるか
ユベントスはクラブワールドカップをうまく利用できた。スポーツディレクターが変わり内部は混乱したが、結果的にモンターラ監督の続投が決まり、これがポジティブに働いている。昨シーズン離脱していたブレーメルの復帰も大きい。
ネガティブな要素が少なく、ブラホビッチ問題も含めて徐々に解決に向かっている。ユルディスとフランチェスコンセソンを2列目に置き、彼らの縦へのドリブルとフィニッシュ能力を活かすサッカーを構築している。この2列目の選手を活かすために、センターフォワードをどうするかが重要になる。
インテルは転換期に
インテルは昨シーズンまでのインザーギ監督からキブ監督に変わり、サッカースタイルが変化する。新監督はパルマで若手の能力を引き出し、チームの雰囲気を一変させた実績がある。
完全なアンカーシステムの3-5-2だったフォーメーションを3-4-2-1に変更し、より動きのあるサッカーを目指している。中盤全体を前にランニングさせるダイナミックなスタイルへの変化が見られる。
Q. 躍進が期待されるダークホースは?
ミランの新体制
ミランはアッレグリ監督の復帰で、プレシーズンのコンディションが非常に良い。アーセナル、リバプールとの試合では、カウンターの精度と守備から繋げる意図がはっきり見えた。

リッチを中心に、その脇をロフトゥスチークとフォファナが固め、この二人の活動量の多さがチームに厚みを与えている。レオンとプリシッチのカウンターだけに頼らない攻撃バリエーションも増えている。
今シーズンは欧州カップ戦に出場しないため、リーグ戦に集中できることも大きなメリットだ。モドリッチの加入も大きく、メンタル面でチームに与える影響は計り知れない。
フィオレンティーナとコモの魅力
フィオレンティーナは攻撃面でジェコの獲得が大きい。センターラインを補強し、ゴーセンのようなサイドからのクロスも武器になる。グドムンドソンをトップ下に配置し、多彩な攻撃が期待できる。
コモはセスク・ファブレガス監督の下、クリエイティブなサッカーを展開している。持久力があり、早い攻撃も遅い攻撃もできる多様性を持つ。オーナー企業が世界トップクラスの資産を持つため、必要な戦力を獲得できる環境にある。
Q. 注目選手は誰ですか?
ジョナサンデビッド(ユベントス)
ユベントスの新加入選手で、昨シーズンのリールではポストプレーを任されていた。身長は177cmほどだが、ポストプレーをこなしてチームを機能させる能力がある。ユベントスでコロンバニが加入した場合、どのような役割を担うかも興味深い。
サムエレ・リッチ(ミラン)
イタリアのプレイメーカーとしての感覚を持った選手で、ミラン中盤の司令塔として活躍している。今シーズンはモドリッチとの共演によって、さらなる成長が期待される。ボール保持時間が長く、綺麗なサッカーをするタイプだが、現代サッカーに必要な強度や運動量も兼ね備えている。
その他の注目選手
ユベントスのカンビアーソ、ポルトから加入したジョアン・マリオ、そしてコモのニコ・パスも注目に値する。特にユベントスの左サイドのカンビアーソとユルディスのコンビネーションは非常に効果的で、この二人だけでも相当の結果を出せる可能性がある。
Q. 日本人選手の動向は?
冨安健洋の移籍先
冨安選手はフリー移籍の状態で、現在はリハビリ中。本格的にプレーできる状態になれば、移籍先が決まると予想される。スリーバックのチームであれば適性が高く、インテルやユベントスなどが候補として挙がっている。
選手本人はお金にこだわっておらず、チーム選びに自由度があるとされる。ワールドカップまでの期間を考えると、欧州カップ戦のないチームでゆっくりと調整し、定期的に試合に出場できる環境が理想的かもしれない。
鈴木彩艶の評価
パルマでプレーする鈴木選手は、昨シーズンでリーグトップレベルのゴールキーパーとしての実力を証明した。イタリアでは全体的にゴールキーパーのレベルが高い中、評価を上げている。

今後の活躍次第では、より大きなクラブへの移籍も視野に入れることができる。プレミアリーグのクラブからも注目されており、今シーズンの活躍とワールドカップを見据えた動きが期待される。
Q. セリエAをもっと日本で盛り上げるには?
日本でセリエAが盛り上がらない理由は、プレミアリーグに注目が集まっていることが大きい。しかし、イタリア国内では観客動員数は増加し続けており、サッカースタイルも以前より攻撃的になっている。
日本人選手、特に攻撃的な選手がセリエAでプレーすることがリーグの注目度を高める一つの方法だろう。外国人枠の問題があるものの、ユベントスやナポリのような大クラブに日本人選手が所属すれば、注目度は大きく上がるはずだ。
今シーズンは12クラブが新監督を迎え、新たな時代の幕開けとなる。各クラブの戦略や選手の活躍に注目したい。