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良いマネジメント、悪いマネジメント。4つの評価基準とは?
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2025年8月18日

企業の命運を分けるのが、マネジメントの巧拙。では、良いマネジメントと悪いマネジメントにはどこにギャップがあるのか?どうすればマネジメントを正しく評価できるのか?「4つの評価基準」について、EVeMの長村禎庸社長に聞いた。 <ゲスト> 長村禎庸|EVeM 代表 2006年大阪大学卒後、リクルート入社...
マネージャーの評価基準とは?成果だけでなく4つの要素で判断すべき理由

Q. マネジメントがセンスや経験値でしかできないと言われるのはなぜですか?
マネジメントが「できている状態」が曖昧だからです。マネジメントの評価基準や理想状態が不明確なため、「勘」や「センス」に頼ることになってしまいます。例えば「チームの雰囲気がいいほうがいい」という漠然とした基準から「元気がない、活気がない」と判断し、「対話が足りないのでは」と推測して「交流ランチをしよう」という対策を打つような状況がよくあります。このようにマネジメントが曖昧な状態に置かれていることが問題なのです。
Q. マネージャーは単に目標を達成すればいいのでしょうか?
それは半分だけ正解です。「目標さえ達成していればOK」という考え方は一面的すぎます。例えば、目標は達成したけれどもメンバーの半数が疲弊してボロボロになっているようなマネジメントは、長期的に見れば持続不可能です。マネジメントができている状態は多面的なので、より包括的な基準で評価する必要があります。
Q. マネージャーの理想的な状態とは何ですか?
マネージャーが評価されるべき基準には4つあります:

1. 執行:チームの短期的な成果(四半期から半期程度の目標達成)のために重要な業務を見極め、それを実行すること
2. 活用:全メンバーが持続的にパフォーマンスを発揮し続けるために、リソース・意欲・能力をフル活用すること
3. 伸張:採用とメンバーの育成を通じてチーム全体の利益を向上させること
4. 連携:上司や他部署と適切に連携し、組織全体の業務執行がスムーズに行くように取り計らうこと
この4つの基準をバランスよく満たすことが理想的な状態です。
Q. なぜこの4つの基準が重要なのですか?
それぞれの基準が果たす役割が異なるからです。例えば、「執行」だけに集中すると短期的な成果は出せても、「活用」ができていないとメンバーのやる気や能力を十分に引き出せず、離職や無駄なコストが発生します。「伸張」がなければチームの力量が向上せず、上がり続ける目標を達成し続けることができません。「連携」ができていないと、自分のチームは成果を出していても、組織全体としての意思決定の質が落ち、最終的には全体の成長を妨げることになります。
実際、単に「執行」にだけ集中して他の要素を軽視した結果、「あなたは会社の中長期的な成長に貢献するマネージャーではない」として役職を外されたケースもあります。
Q. 4つの基準はいつも同じ比重で考えるべきですか?
状況によって比重は変わります。例えば:

状況A(緊急時):会社が資金不足で倒産の危機にある場合、執行100%に集中する必要があるでしょう。
状況B(成長期):執行70%、活用20%、伸張5%、連携5%というように、成果を出しつつも人材活用にも注力する。
状況C(安定期):執行25%、活用25%、伸張25%、連携25%と均等にバランスを取る。
大企業は比較的状況Cに近い状態であることが多く、バランスよく4要素に取り組むマネージャーが多い傾向があります。一方、スタートアップは状況Aや状況Bに近いことが多いため、執行に比重が置かれることが多いです。
Q. マネジメントの理想と現実のギャップをどう埋めればいいですか?
通常の業務改善と同様、理想と現状を比較し、ギャップの要因を分析して対策を打つことが重要です。例えば、新卒メンバーが成長していないという問題があれば:
1. 現状認識:新卒メンバーが成長していない
2. 要因分析:メンバーが自分で考えたり工夫したりする余地のない作業ベースの依頼ばかりをしている
3. 対策:「指示の深度」という型を活用し、目的をしっかり伝えた上で、業務内容は指示するが、どう実現するかはメンバー自身に考えさせる
このように、マネジメントの型を活用することで、勘やセンスだけでなく論理的にマネジメントの問題を解決できます。
Q. 指示が守られないときはどうすればいいですか?
指示が守られない理由は主に3つあります:

1. 目的が分からない:指示の目的が腹落ちしていないと、メンバーは途中で迷ってしまう
2. やり方が分からない:目的は理解していても具体的なやり方が分からない場合がある
3. キャパシティがない:目的もやり方も分かっているが、単純に業務量が多すぎる
それぞれの原因に応じた対策が必要です。目的が分からない場合は目的をより明確に伝え、やり方が分からない場合は業務要件や参考情報を提供し、キャパシティの問題であれば業務量を調整します。
Q. マネージャーとして自分のクセや強みを知るにはどうすればいいですか?
4つの基準(執行・活用・伸張・連携)に対して、それぞれの比重と自己評価を行うことで、自分のマネジメントスタイルの偏りや強みを把握できます。例えば、執行が100点でも比重が40%なら全体評価は40点にしかならず、他の要素ができていなければ総合点は低くなります。
執行に偏りがちな人もいれば、伸張(育成)に偏りがちな人もいます。「金八先生か!」と上司に怒られるほど育成ばかりに集中してしまうマネージャーもいるため、状況に応じたバランス感覚が重要です。
Q. 今後AIが発達すると、マネージャーの役割はどう変わりますか?
生成AIが発達すると、「めんどくさい」と思う作業はAIに任せられるようになります。マネージャーは人間に指示する場合とAIに指示する場合を使い分けるスキルが重要になるでしょう。また、AIでもできる作業をあえてメンバーに任せて育成するという判断も必要になります。
これからのマネージャーには、AIと人間それぞれの特性を理解し、適切に組み合わせて活用する能力が求められるでしょう。