ECONOMICS101
日経平均の今後
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2025年8月13日

「2026年後半には5万円になる」エコノミストの永濱利廣氏とエミン・ユルマズ氏が、2025年後半の世界経済を徹底討論。日本の「景気後退」シナリオと、今後の円・株の行方を展望する。 <ホスト> 永濱利廣|第一生命経済研究所 首席エコノミスト 早稲田大学卒業、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。第...
エコノミストが解説!日経平均5万円到達はいつ?トランプ政権下の株式市場展望
「ステージ理論から見る日経平均は現在4万円ゾーン、次は5万円ステージへ」
金融経済の専門家たちが、日経平均株価の見通しや今後の経済動向について独自の視点で語った。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏とエコノミストのエミン・ユルマズ氏が、チャート分析や世界情勢を踏まえた展望を示している。

Q. 今後の日経平均はどうなる?
日経平均株価は「4万円ゾーン」という長期テクニカルステージで動いている。約40〜50年間の日本株は1万円単位のゾーンで動く傾向がある。現在の天井は約4万1000円で、下限は3万800円前後でサポート(下値支持)されている。

2023年に3万円の抵抗線を突破し、一時下落したものの再びサポートされたことで、ステージが「4万円ステージ」に変わった。これは非常に明確なテクニカルパターンだ。
今後は、目先は厳しい展開が予想されるが、来年のどこかで4万2000円を超え、その後調整した際に以前の抵抗線がサポートに変わる。そうなれば5万円までのステージに入ることになる。
Q. なぜ今の状況で日経平均が4万円を維持できているのか?
現在の日本企業の業績予想は弱い。今期(2026年3月期)は前期の4.8%増収から1.2%増収に減速し、インフレが3%ある中では実質減収になる。営業利益ベースでは-2.9%と減益予想だ。
この状態で日経平均が4万円を維持しているのは意外なほど強いと言える。来期(2027年3月期)は増収増益に回復する見込みで、その業績を織り込むタイミングは10〜12月以降になるだろう。
Q. 株価が上昇する具体的なタイミングはいつ頃か?
日本経済は現在景気サイクルの変化に入っており、それが来年半ばまで続くと仮定すると、株価は景気回復の前に上昇し始めるため、来年後半には5万円ゾーンに到達する可能性がある。
ただし、マクロ的に考えると、トランプ政権は来年11月の中間選挙に向けて様々な手段を使って景気を上向かせようとするだろう。そのため、目先は厳しいものの、来年からは株式市場が再び上昇トレンドに入る見込みだ。
Q. 長期的な日経平均の見通しはどうか?
「ジェネレーショナル」な大きなクラッシュが起きない限り、多少の調整は入るだろう。最悪でも2022年のような3割下落程度の可能性はある。しかし、景気が来年早期に回復すれば、日本株は5万円ステージを十分達成できるだろう。
長期的には、2050年までに1万円ずつ30回上昇し、「30回タワーマンション」のように段階的に上がっていくという見方もある。
Q. 政治状況の変化は経済にどう影響するか?
参議院選挙では第三勢力の伸長が見られたが、注目すべきは候補者の年齢層だ。自民党や立憲民主党、共産党などは比較的高齢の候補者が多いのに対し、躍進した政党は若い候補者が多い。

これらの若い候補者はSNSなどを積極的に活用し、プロパガンダ能力が高い。SNSを活用することで選挙にかかるコストも抑えられる。選挙には約5000万円かかると言われており、そのような高額資金がなくても政治参加できる流れは「民主化」と言える。
これは「シルバー民主主義の崩壊の一歩」とも評価でき、今後の政治の大きな転換点になるかもしれない。
Q. 日本の対外純資産が世界一から転落したことをどう見るべきか?
対外純資産が大きければ良いというわけではなく、むしろ日本の「失われた30年」の貧困の裏側でもある。日本企業が国内に投資せずに海外ばかりに投資していたために資産が蓄積した一方で、国内の供給力が減少してきた。
円安の良い面としては、海外に資産を持つ日本企業が日本国内への設備投資をしやすくなったという点があげられる。
Q. ステーブルコインの将来性について
ステーブルコイン法案の本来の目的は、監査を入れることによって健全性を確保することだ。ステーブルコインは理論上、発行額に相当する米ドル建て資産を保有する必要があるが、これまで監査がなく、本当に裏付け資産があるのか疑問視されていた。
アメリカはステーブルコイン法案を通じて、ステーブルコイン発行者に米国債を保有させようとしている可能性がある。これによって国債の需要が生まれ、最終的には2兆ドル規模になるという見方もある。
ただし、ステーブルコインは既存の金融システムの代替になるほど大きくなるとは考えにくい。ビザやマスターカード、アメックスなどはすでに暗号資産取引の何千倍もの取引システムを構築しており、手数料も安い。
ステーブルコインは補助的な役割を果たすことはあっても、メインストリームにはならないだろう。また、日本の金融政策の制御が難しくなるという問題もある。
Q. 現在の時代に投資や資産形成で重要なことは?
インフレ時代には現金の価値が目減りする可能性がある。過去に固定金利で住宅ローンを組んだ人は、当時は金利が高いと批判されたが、現在の変動金利の上昇を考えると賢明な判断だったことがわかる。

30年、40年の長期ローンを1%台の固定金利で組めた人は非常に良い選択をしたと言える。