
玉木雄一郎が80分熱弁:日本の成長戦略
国民民主党の経済政策 賃金上昇率5%が最重要指標
物価高騰対策で消費税減税か給付金か?日本は本当に移民社会になっているのか?賃金を上げるには何が必要か?

物価高騰対策としてはどちらが効果的?消費税減税と給付金を比較
Q. 参院選の争点となった消費税減税と給付金のどちらが物価高騰対策として効果的なのでしょうか?
国民民主党は物価高騰対策として所得税の控除額引き上げを第一に主張しています。物価高騰対策として消費税減税と給付金どちらが良いかという議論がありましたが、両方とも実施に時間がかかり過ぎる問題があります。

消費税減税は法改正して通常国会で成立しても、実施は早くても10月頃になるため、1年以上かかります。一方、給付金も年内に実施するには公金受取口座を登録した人(約6000万人)にしか配れず、本当に必要な低所得者には届きにくい状況です。
そこで、より早く実施できる方法として所得税の控除額引き上げが有効です。年末調整で還付できるため、今年中に効果が出せます。また、最低賃金は30年間で1.73倍になりましたが、最低課税ラインの103万円は引き上げられていません。これを引き上げることで、物価上昇に対応していくべきです。
日本経済を成長させるには何が必要?
Q. 経済成長のために国民民主党はどのような政策を提案していますか?
国民民主党は「新三本の矢」として、「手取りを増やす」「投資を増やす」「教育予算を増やす」という3つの柱で10年後にGDP1000兆円を目指す成長戦略を掲げています。

まず「手取りを増やす」では、所得税や住民税の控除額引き上げによって労働供給を増やし、経済成長につなげる狙いがあります。現在、税制の壁によって働く時間を抑制している人が多いため、その壁を取り除くことで労働参加率を高めます。特に150万円までの特定扶養控除の拡大は学生などからも支持を得ています。
次に「投資を増やす」では、現在107兆円の民間投資を300兆円に増やすことを目標にしています。その手段として、100億円投資したら1.6倍の160億円まで償却を認める「ハイパー償却税制」を提案しています。これはイタリアのメローニ政権で実施され一定の効果を上げています。
最後に「教育予算を増やす」では、大学の研究開発予算の拡充を主張しています。日本の科学技術ランキングが低下していることへの対策として、研究者への支援を強化し、イノベーションの基盤を整えることを目指しています。
賃金が上がらない日本、その原因と解決策は?
Q. 日本で賃金が上がらない原因は何で、どうすれば解決できるのでしょうか?
日本では労働生産性が過去20年で130%程度上昇しているにもかかわらず、賃金が増えていない状況があります。その主な原因として、解雇規制の問題が挙げられます。
企業は簡単に解雇できないと考えているため、景気が良い時に賃金を上げても景気が悪くなった時に下げられないリスクがあります。そのため、いかなる時も賃金を上げない経営判断になりがちです。この問題を解決するには、労働市場改革が必要です。
国民民主党が提案する対策としては、以下のようなものがあります:
1. 賃上げした企業に対する社会保険料負担の軽減
2. 労働市場の流動性を高めるための解雇規制の見直し
3. 離職後の所得保障制度の拡充(給付者ベーシックインカム)
特に注目すべきは「フレキシリティ」の概念で、労働市場の柔軟性と安定性を両立させる制度設計が重要です。セーフティネットを国が提供しながら、労働者が安心して転職できる環境を整えることで、結果的に賃金上昇につながるという考え方です。
日本は移民社会になっているのか?移民政策の課題とは
Q. 日本の移民政策の現状と課題は何ですか?
日本は既に実質的に移民社会になっていますが、「移民」という言葉を使わないまま政策を進めてきたことが問題です。技能実習制度が労働者受け入れ制度へと変化し、育成就労制度、特定技能1号、2号と移行する仕組みが整備され、特定技能2号では家族の帯同も可能になっています。これは国際的には移民と言えますが、移民政策と明言しないまま進めてきたため、「移民政策なき移民の受け入れ」になっています。
現在の問題点は、移民に関する政策が全て地方自治体に任されており、統一的な政策がないことです。特に農業地域など財政力が弱い自治体では外国人労働者の需要が高いにもかかわらず、適切な支援体制を整えられていません。
解決策としては、入国管理庁や外務省、厚生労働省、文部科学省などバラバラになっている移民関連の政策を一元的に管理する「移民庁」の設立が提案されています。外国人に関するデータをきちんと収集し、科学的な根拠に基づいた移民政策を構築することが重要です。
日本の未来はどうなる?経済成長の展望
Q. 日本経済の将来展望をどう考えていますか?
国民民主党の玉木代表は、今後20年間の経済政策が日本の将来を左右すると考えています。現在は高齢者人口が増加し続けていますが、2042年には65歳以上人口がピークアウトし、支える側と支えられる側のバランスが改善していく見込みです。

この転換期に向けて今から5年間で集中的に改革を行い、次の20〜30年の成長の種を植えることが重要だと主張しています。人材育成と科学技術への投資が不可欠で、「人と技術で食っていくしかない」日本にとって、教育と研究開発は最優先事項です。
また、経済政策の重要な指標として名目賃金上昇率5%を達成することを目標にしています。物価上昇率が3%程度の状況では、実質賃金を上昇させるためには名目5%が必要という考え方です。
これらの成長戦略によって名目GDP1000兆円を実現できれば、税収は120兆円程度になり、財政状況も改善していくという見通しを示しています。