PIVOT TALK BUSINESS
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2025年6月25日

2030年から85歳以上が急増。街には認知症高齢者が溢れる「地獄絵」が生まれる。これから訪れるであろう「医療の真実」と、それを防ぐための処方箋について、京浜病院院長の熊谷賴佳院長に話を聞いた。 <ゲスト> 熊谷賴佳|京浜病院 院長 1952年生まれ。1977年慶應義塾大学医学部卒業。東京大学医学部...
日本の医療制度は転換点を迎えている。京浜病院院長の熊谷賴佳氏は、早ければ2035年、遅くとも2040年には日本で適切な医療が受けられない認知症高齢者が溢れかえると警鐘を鳴らす。戦後の理想だった「誰もが平等に医療を受けられる社会」は維持できるのだろうか?未来の医療現場と日本社会がどうなるのか、熊谷院長の見解を問う。

日々の診療現場では、すでに多くの認知症患者が適切な診断や治療を受けられていません。この状況が今後さらに深刻化します。高齢者の数は増加し、中でも認知症患者の割合も上昇していきます。2060年には認知症患者が600万人から700万人に達するとも言われています。
一方で総人口は減少し、特に60歳未満の労働人口は1000万人以上も減少する見込みです。認知症の親を持つ子供たちは、仕事中に警察や施設から呼び出しを受け、働き続けることが困難になるケースが増えていくでしょう。
認知症は単なる物忘れの病気ではなく、生活に支障をきたし周囲と摩擦を起こす病気です。記憶力の低下はもちろん、お金の管理ミスや火の不始末など、日常生活のあらゆる場面で問題が生じます。これが「精神心理症状と行動障害」と呼ばれるもので、実際に周囲を困らせる原因となります。
特に問題なのは、外見は普通の大人のままで、一見すると普通に見えて話せるのに、理解力が低下していることです。社会のシステムやメディア、ITなどは正常な認知機能を前提に作られていますが、認知症の方にはそれが適合しません。例えば、無人化された駅や自動精算機のあるコンビニなどで対応できない高齢者が増えていきます。

医療・介護分野は低賃金で3K(きつい、汚い、危険)と言われる職種です。毎年診療報酬が下げられ、低い点数で運営を強いられる状況で、若者がこの分野を選ぶ可能性は低くなっています。
医師に関しては「直美現象」が顕著です。医学部を卒業して研修を終えた若手医師が、すぐに美容外科など収入の良い分野に進む傾向が強まっています。特に外科医は減少の一途をたどり、現在平均年齢は50歳。10年後には60歳となり、手術を担える医師が激減します。高額な手術支援ロボットも万能ではなく、普及には時間がかかるでしょう。
介護職についても人材不足は深刻です。介護の現場は基本的に認知症との戦いであり、心が折れる場面も多い。一生懸命ケアしても理解されず、時には暴言や暴力を受けることもあります。こうした状況で若者が介護職を選ぶ可能性はますます低くなっています。

東京では単身世帯が40%を占め、若い世代の結婚率低下や子どもを持てない状況から、将来的に単身高齢者がさらに増加します。単身者が健康なうちは問題ありませんが、認知症を発症すると状況は一変します。
治療に抵抗する患者も多く、医療機関も「もう限界です」という状況に追い込まれるケースが増えています。また、孤独死の増加も深刻な問題です。アパートで亡くなって数日後に発見されるケースが増え、その結果、不動産オーナーが単身高齢者の入居を断るケースも増えています。
配偶者に先立たれた後、子どもがいても経済的な理由などで面倒を見られないこともあり、高齢者の住まいの確保が今後ますます困難になるでしょう。
医療・介護給付はGDP比で増加し続ける一方、経済成長は見込めません。若い世代が負担できる限界を超えつつあります。医療介護費用が7割上がっても、若い世代の所得は1割程度しか上がりません。自分の親ならまだしも、知らない人のために給与から多くを拠出することへの不満も高まっています。
医療介護は「安ければいい」という考え方も問題です。農業における米価の問題と同様、サービス提供側の生活が成り立たないほど安価では、質の高いサービスは維持できません。医療機関は人を雇い、設備を整え、運営するためには適正な収益が必要ですが、それが得られない状況が続いています。

熊谷院長の祖父である千代丸氏が推進した国民皆保険制度は、お金がなくても医療を受けられる社会を実現しました。これは大きな成果でした。しかし、その後の持続可能性については十分な議論がなされていません。
医師会の武見太郎氏は「保険点数に縛られるとその犬になり下がる」と警告していましたが、現在は経営を維持するために点数の高い診療に傾く傾向があります。熊谷院長は「医療経営」という視点が重要だと指摘し、拡大再生産できなければ医療機関は存続できないと強調しています。
今後は患者自身が自分の人生計画に合った医療や介護、保障を選ぶ時代になるべきだと熊谷院長は提案しています。一律の制度ではなく、個人の選択肢を増やす方向への転換が必要かもしれません。
医療機関が生き残るためには、経営の視点が不可欠です。病院が人を雇い、設備を整え、運営し続けるためには、適正な収益が必要です。安価なサービスを続ければ存続できなくなり、結果として患者が医療を受けられなくなります。
また、患者側も医療リテラシーを高め、自分の人生計画に合った医療や介護のあり方を選択できるようになることが重要です。国や行政による画一的な制度設計だけでなく、個人が選択できるメニューや組み合わせを提供する方向性が今後求められます。
医療制度の議論は政治的にも重要なテーマとなっており、選挙の争点にもなっています。持続可能な医療・介護システムの構築は、現役世代と高齢世代の双方にとって重要な課題です。

※こちらは生成AIによるまとめ記事です。