PIVOT TALK FOOTBALL
菅原由勢が語る日本代表とサイドバック
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2025年6月22日

サウサンプトンFCの菅原由勢選手をゲストに迎え、プレミア1年目を総括。プレミアと他リーグとの違いや、チーム内でのコミュニケーションの工夫などをPIVOTレギュラーメンバーが聞いた。 <ゲスト> 菅原由勢|サウサンプトンFC サッカー日本代表。愛知県豊川市出身。前所属のAZアルクマール(オランダ)で...
「久保とは何でも話す」菅原由勢が語る日本代表のチーム戦術と守備の極意
サウサンプトンFCに所属する菅原由勢選手が、日本代表での体験やチーム戦術について語った。サイドバックとウイングバックの違い、相手のロングボール対策、そして久保建英選手との関係性まで、貴重な話が満載だ。

Q. 最終予選で一番印象に残っているシーンは?
サウジアラビアとの10月のアウェイゲームで印象的な場面があった。試合前のウォーミングアップでスタメン組が終わった後、サブ組が5分ほど長くアップできる時間がある。その時に私はボールを拾いに行き、サイドからクロスを入れる練習をギリギリまで行っていた。試合中は水を出しに行くなど、チームのために100%プロとして行動していたが、試合前は悔しさを表現しつつ、いつ出場機会が来ても良いように準備をしていた。
Q. 日本代表のディフェンスラインのコントロールはどのように行われている?
状況に応じてラインセットをこまめに調整している。常にベタ引きはせず、状況に合わせたラインセットを心がけている。前に行きたいが後ろとの距離感が遠くなりすぎないように注意している。予選では権田選手や吉田選手、谷口選手などがラインの設定を細かく調整していた。
ウイングバックは基本的にアグレッシブに行くよう指示されている。最終ラインよりも少し前目で、相手のサイドバックにプレスをかけられる位置をイメージしている。ボールと逆サイドのウイングバックは守備のスイッチに入る準備をして、右サイドバックのような役割になる。センターバックのラインを見ながら、同時に上げ下げの判断をしている。
Q. ロングボールを多用するチームへの対応は?
アジアカップなどで経験したロングボールを蹴ってくるチームは対応が難しい。極端に何度もボールを蹴ってくる相手とのゲームは、サッカーとして試合になりにくい。対策としては蹴らせないことが重要だが、それでも蹴ってくる相手もいる。

LINE設定は相手の前線の選手のタイプや試合状況(リードしているか、0-0でラスト10分なのかなど)によって決める必要がある。ロングボールを蹴ってくるチームに対しては非常に嫌なイメージしかないが、しっかり蹴られても対応できる守備力をつけなければならない。
Q. 長いボールを蹴ってくるチームが増えている印象は?
最近はサイドバックのところを目がけて長いボールを蹴ってくるチームが増えている印象がある。プレミアリーグでも、困った時に「50-50」の状況になりそうなところにボールを入れる戦術がある。ウイングの選手が強く速いので、最終ラインで無理してボールを失ってピンチを作るよりも、ウイングにボールを入れる方が安全な場面もある。
サイドバックからすれば、常にそのようなボールを入れられると攻撃に行けなくなるので、そういった攻め合いがプレミアリーグの面白いところだ。日々そのような経験を積み、日本代表に還元できるようにしている。
Q. ビルドアップでの立ち位置について指示はある?
ビルドアップに関わることが重要で、ボールを受けられる位置にいることを求められている。前線や中盤の選手とも繋がれるようにポジショニングし、斜めの楔のパスや前につけるパスなどが評価されている。
サイドハーフが満遍なく来る場合は、自分が高い位置を取ったり、中に入ってコースを作るなど、状況判断して動くようにしている。コロンビア戦やウルグアイ戦ではサイドバックが中に入るパターンも試していた。これはボール保持率を上げるための日本サッカーの取り組みの一環だった。
Q. 中に入るサイドバックの戦術について、どう考えている?
試合をする中でサイドバックがはまりながらボールを受ける状況は、どのチームでも起こりうる。相手のプレスが完璧だった場合、受け身になる部分もある。試合開始前のプランとしては、サイドバックが低すぎない位置、タッチラインの横ではなく5m-10m内側に入ってボールを受けるよう心がけている。

サイドバックが最も「はめどこ」になりやすいのはサッカーをやっている人なら誰でも分かること。そこはサイドバックの力量も重要で、ビルドアップを崩せるような組み立てができれば、それが戦術の一つの逃げ道になる。サッカーは即興のアイデアが必要な場面もあり、個人の力に頼るのも戦術の一つだと考えている。
Q. サイドバックとウイングバック、どちらが得意?
サイドバックの方が得意。サイドバックは見て動きを変えられ、自分のタイミングでダイナミックに行ける。一方、ウイングバックは基本的に張っていることが多い。自分は動きながら関わり、前に行くプレースタイルが好きだ。
久保選手とプレーする場合も、サイドバックとシャドウの組み合わせとウイングバックとウイングの組み合わせでは異なる。互いを見る角度が変わり、求めるランニングやボールを受けたい場所も全く変わってくる。
Q. 久保選手との関係性は?
久保選手とはU-15頃から仲が良く、双子の友達のような関係。サッカーの話はもちろん、すべてのことを話す仲で、メディアで見る通り非常に仲が良い。久保選手はずっと喋っているタイプで、聞いていなくても喋り続けるので、聞かなくても良いと思えて助かっている。
2人きりの時はあまり喋らないこともあり、久保選手に喋らせて気持ち良くさせることもある。サウジアラビア戦では初めて3バックで久保選手と一緒にプレーしたため、探り探りの部分もあったが、重ねていけば良くなると感じている。
Q. ワールドカップに向けて何が大事だと思う?
個人としては、クラブでの競争が大事。全選手がクラブで出場し、圧倒的なパフォーマンスを見せることが代表の強化につながる。競争が最もチームを強くするもので、まずは選手がクラブでの競争を勝ち抜くことが重要だ。

チームとしては、9月、10月、11月と数えられるほどしか機会がないため、1日たりとも無駄にできない。チームの魅力を高めていく必要がある。競争はもちろんあるが、日本代表チームとしてできることをすり合わせる機会が限られているため、質の高い時間にすることが必要だ。