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TikTokコマース。日本で稼ぐ秘訣
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2025年6月18日

日本でも6月に上陸するTikTokコマース。なぜ世界中でTikTokコマースが猛威を振るっているのか?TikTokコマースで成功する秘訣はどこにあるのか?日中カルチャーナビゲーターの山下智博氏に解説してもらった。 <ゲスト> 山下智博|日中カルチャーナビゲーター 2012年より中国上海へ移住、20...
TikTokコマース日本上陸で何が変わる?日中カルチャーナビゲーターが語る市場予測
TikTokのコマース機能が日本に上陸することで、消費行動やマーケティングの仕組みが大きく変わる可能性が出てきた。インフルエンサーを中心とした新たな経済圏の誕生から、ライブコマースの可能性まで、日中カルチャーナビゲーターの山下智博氏に詳しく聞いた。

Q. TikTokコマースが日本に上陸したら最初はどうなりますか?
1年目はカオスになると予想しています。特に初期は怪しいものを売るような業者が増え、「安かろう悪かろう」の商品が氾濫する可能性があります。
まだ多くの人がTikTokでの買い物の仕方に慣れていない時期に、顔を出さないコンテンツで責任の所在が曖昧なまま商品を売り付けるようなケースが増えるでしょう。
ただ、美容とアパレルのカテゴリーは基本的にどの国でも売れるので、この分野は間違いなく伸びるはずです。ただし、日本ではコスメなどがTikTokで紹介されても、オンラインではなくドラッグストアで購入するという傾向があるため、完全にオンライン購入に移行するかは日本人の習慣次第です。
主婦層向けの生活雑貨や便利グッズ、ガジェット系(充電パックなど)、エンターテイメントグッズやホビー商品、推しグッズなども売れる可能性が高いと思います。
Q. 具体的にどのような変化が起こりますか?
まず、インフルエンサーが起爆剤となって、「この人が紹介したものが爆売れ」という話題が次々と生まれるでしょう。また、無名でも動画が面白かったり商品が魅力的だったりすれば、コンテンツ力を起点に商品が売れていくことも起こり得ます。

ライブコマースはメインにはならないものの、一定の存在感を示すようになるでしょう。中国では、ライブコマースで爆発的に売れる人が現れると、その人の動画の切り抜きが広まり、多くの人がそのスタイルをコピーして販売を広げていきます。
また、TikTokがコマース機能を導入したという認知度を高めるために、有名人を起用する動きも出てくると思います。例えば、人気YouTuberや著名人がTikTokコマースに参入すれば、売上が急上昇し、「あの人もやっているなら」と参入者が増えていくでしょう。
Q. 「秒殺セール」とは何ですか?
秒殺セールとは、ライブ配信中に限定時間だけ大幅値引きをする販売手法です。例えば、「この商品は通常5,000円ですが、これから30秒間だけ1,000円にします!」と宣伝し、カウントダウン後に販売すると、数秒で完売することがあります。
これがエンターテインメント性を高め、視聴者を引きつける要素になっています。こうした手法により、物を売るスキルのあるインフルエンサーは、メーカーに対して強い価格交渉力を持つようになります。「私のチャンネルで販売するなら、この利益率では扱えない」「最安値を出してくれないと取り扱わない」といった交渉ができるようになるのです。
結果的に、最も売れる人のところに最も安い商品が集まり、「この人のライブを見れば一番安く買える」というブランディングが確立されていきます。中国では、こうした戦略で成功した人々が有名なライバー(ライブ配信者)として認知されています。
Q. InstagramとTikTokの違いは何ですか?
Instagramはブランディングや憧れを作るプラットフォームで、TikTokは敷居が低く、より気軽に購入できる場所という違いがあります。
Instagramでも海外ではショップ機能がありますが、TikTokの方が売れているようです。Instagramは高級感や憧れを作る場所なので、安価な商品よりもブランド価値のある商品との相性が良いです。一方、TikTokはより気軽に入れるマーケットのような位置づけです。
スーパーマーケットとブティックの違いのように、役割が全く異なります。そのため、Instagramで成功している人が同じノリでTikTokに参入しても成功できない可能性があります。TikTokに移行することでブランドイメージが下がると考える人もいるでしょう。
このギャップがあるため、初期に成功するのは既存の有名インフルエンサーではなく、新たに参入する人たちかもしれません。
Q. ライブコマースは日本で普及しますか?
先進国ではライブコマースはそれほど盛り上がっていません。これには理由があります。
ライブコマースを視聴する人は、時間に余裕があり、少しでも安く買いたいという動機で見ている人が多いです。中国の農村部など娯楽が少ない地域では、ライブコマースが最高の楽しみになりますが、日本のように様々な娯楽がある環境では視聴者が限られます。

東南アジアや途上国では、娯楽が少ない場所にTikTokコマースが入ることで、買い物が一瞬にしてエンターテインメントになります。しかし、日本のようにエンターテインメントが溢れている環境では、単に安く買えるだけでは魅力が足りず、その他の要素がないと普及が難しいでしょう。
Q. 今後どのような商品が売れそうですか?
初期は美容・アパレル、生活雑貨、ガジェット系、エンタメグッズなどが中心になると思います。
現在は禁止されていますが、将来的には生鮮食品や生もの系の商品も有望です。コロナ禍で冷凍マグロなどが自宅に届くサービスが人気になったように、食品系は中国でも3番目に大きな売上カテゴリーになっています。
「見ていて食べたくなった」「ちょっと贅沢だけど1万円以下なら買ってみようか」という心理が働きやすく、非常に相性が良いです。中国では地方の農家がライブコマースで産地から直送する形で販売し、成功しています。
日本は応援購入やクラウドファンディングに前向きな国なので、例えば米農家がTikTokで米を直送販売するようなビジネスも強いと思います。単に安いだけでなく「この人から買いたい」と思えるコンテンツが重要です。お米を買うことでその生産者を応援できるという「プロセスエコノミー」のような形で、経済がポジティブに回る可能性があります。
Q. デジタルコンテンツの可能性はありますか?
ショートドラマなどのデジタルコンテンツもTikTokで販売できるようになると影響は大きいでしょう。すでに3,000万人弱のユーザーベースを持つTikTokと、数十万ダウンロードのショートドラマ専門アプリでは、前者の方が強いです。

TikTokプラットフォーム内で2話、3話と続けて見られる仕組みの方が、別アプリに移動するよりも利便性が高いからです。中国ではこうした形態が確立されており、日本でもデジタル商品が販売できるようになれば、ショートドラマ制作者に大きな影響を与えるでしょう。
また、日本で売れたデジタルコンテンツの海外展開もしやすくなります。TikTokは地域ごとに分かれているものの、字幕を変えるなどして他の市場に投入することが可能です。今までは日本国内の2,500万人程度にしかリーチできなかったコンテンツが、アメリカやインドネシアなど世界中に展開できる可能性があります。
語学系や教育系のデジタルコンテンツも有望です。隙間時間に短い語学コンテンツを見ることで、知識が増えた実感が得られるからです。