MONEY SKILL SET EXTRA
新NISAブームには乗らない 【長谷川滋利】
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2025年6月11日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は元メジャーリーガーの長谷川滋利が「投資勉強法」を解説。前編では、おすすめの投資本や勉強法を教える。 <ゲスト> 長谷川滋利(元メジャーリーガー/プロゴルファー) https:...
元メジャーリーガーが明かす投資勉強法!「儲けようと思うから失敗する」
長谷川滋利氏は、オリックス・ブルーウェーブからメジャーリーグに渡り、エンゼルス、マリナーズなどで活躍した元プロ野球選手。引退後はプロゴルファーとしても活動。実はメジャーリーグ時代から資産運用や投資に関心を持ち、「自分でやる」という姿勢を貫いてきた。そんな長谷川氏の投資哲学と勉強法に迫る。

Q. 投資を始めたきっかけは?

メジャーリーグ時代、エンゼルスにいた頃に肩を痛めて約2週間休養した時期があった。その間、特にすることもなくて本屋に行ったら、ロバート・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」と「朗読者」という本が目に入った。両方買ったけど、なぜか小説ではなく「金持ち父さん」を読んでしまった。
その内容が衝撃的だった。特に「家は資産か負債か」という考え方は目から鱗だった。当時27、28歳くらいで、自分の中での投資やビジネスに関する間違いにも気づかされた。すぐに投資を始めたわけではなく、3、4年かけて本を読み、クラブハウスで暇な時間も本を読むようになった。
Q. 最も影響を受けた投資本は?
きっかけは「金持ち父さん、貧乏父さん」だが、その後はウォーレン・バフェットの本、特に「スノーボール」という分厚い本が自分のバイブルになっている。バフェットは私にとって勝手に師匠と思っている存在で、バフェットが監修した本を何度も読み返している。

バフェットの会社バークシャー・ハサウェイは元々繊維会社で、最初は大失敗している。そういう失敗談を知ると、「バフェットでもこんな失敗をするのか」と思え、自分も投資で失敗しても勉強になると考えられる。
Q. 投資における勉強法は?
まず言いたいのは、私は絶対にブームに乗らない。みんながやっていることをやる気が起きない。例えば、今はNISAが流行っているが、「やりましょう」という気運が高まっているからといって、本当に自分がやりたいと思っているのか考えてほしい。
こうやって流行るということは、何か意図があるはず。みんなが株式市場に参入してきたら、必ず下がる時が来る。それを狙っている面もある。

投資の歴史を学ぶことも重要。例えば、オランダのチューリップバブルなど、過去のバブルの歴史を知ると、現在の状況も見えてくる。「バブルの歴史」という本は非常に参考になる。
また、アスリートになるための努力と同じで、投資も10年、20年と必死に勉強して、やっと利益が出るものだと考えている。短期間で簡単に儲かるとは思わないこと。
Q. 初めて買った株は何ですか?
当時ゴルフが好きだったので、ゴルフクラブメーカーのキャロウェイを買った。好きなものから始めるのは良いアプローチだと思う。ただ、企業分析をしっかりしないと難しい。例えば、ゴルフブランドのタイトリストは以前、大きな企業グループの一部だったので、ゴルフボールがどれだけ売れていても株価への影響は小さかった。
バフェットは「1株買うのも企業丸ごと買うつもりで投資すると上手くいく」と言っている。また、「一生で20回しか投資する機会がないと思いなさい」とも言っていて、それは手数料が高かった時代の話だが、しっかり見定めてから買うことの重要性を示している。
Q. 投資家としてのロールモデルは?
私はウォーレン・バフェット。野球でも北別府さんや東尾さんのような球が遅いピッチャーを真似たように、投資でも自分に合ったロールモデルを持つことが大事だと思う。
「バフェットならこの状況でどうするだろう」と考えることで、自分のやり方を修正できる。私は自分のことを「バフェットよりバフェットのことを知っているかもしれない」と冗談で言うくらい、彼の投資哲学を研究している。
Q. 投資でよく見るチャートの見方について、注意点はありますか?
チャートを見る際は、インフレ率が考慮されているかどうかに注意すべき。例えばS&P500は確かに右肩上がりだが、インフレ率を考慮するとそれほど上がっていないことがある。
金(ゴールド)が最もインフレに強いと言われるが、金の価格と比率で換算すると、株価はあまり上がっていないこともある。チャートの作り方はいくらでも操作できるので、その点も気をつけるべき。
Q. 投資初心者へのアドバイスは?
まずは自分が好きなものから始めるのがいい。例えば私は不動産投資にも興味があり、特に商業物件に関心がある。大阪の商店街を歩いていて、シャッターが下りている店舗を見ると「これは売っていないのかな」と思ってしまう。
探すのも楽しいし、商売している人と話すのも楽しい。投資も楽しむことが一番大事で、楽しくないとやはり続かない。
アスリートは何年もの努力の末にプロになる。投資も同じで、小さな成功と失敗を繰り返して、何十年も経ってやっとバフェットのようになれるかもしれない。そう考えると、誰でもできるものではないかもしれないが、好きであれば続けられる。
Q. 投資で儲けるにはどうしたらいいですか?
手っ取り早く儲けようという考え方が一番危険。自分は資産の5%から10%程度から始めて、失敗しても勉強が残ると考えていた。

好きなことでプロになろうと思ったら、その分野の知識を持ち、しっかりリサーチすることが大切。例えば、アメリカにはバリューラインというリサーチ会社があり、企業の15年分の財務データがすべて見られる。バフェットもそれを利用している。
そして、投資は企業の価値を見ること。株価の動きだけで判断するのではなく、企業そのものの価値を評価する目を養うことが重要だ。
Q. 資産をどう次世代に残していくべきですか?
私の成功の定義は、2代、3代先まで続くこと。ただ、お金を貯めるというよりは、知識を継承できるようなやり方を大事にしている。
息子は小学生の頃にシアトルに連れて行き、ビル・ゲイツの運用会社なども見学させた。子供の頃からそういうものを見せることで、「資産運用とはこういうものなんだ」という理解が深まる。ロバート・キヨサキも言っているが、政府のばら撒き政策より、どうやってお金を稼げるか、どうやって投資をうまくできるかという教育の方が大事だと思う。