PIVOT TALK BUSINESS
今さら聞けない暗号資産
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2025年5月30日

今や上場企業の5倍の規模を誇る暗号資産市場。暗号資産の第一人者・小田玄紀氏は、いずれゴールドを超えると予想する。今さら聞けない暗号資産の基本から最新の動向まで、徹底解説。 <ゲスト> 小田玄紀|ビットポイントジャパン代表 SBIホールディングス常務執行役員。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)...
暗号資産Q&A:「今さら聞けない」基礎知識から最新トレンドまで
暗号資産は日本国民の10人に1人が口座を持つほど普及しているが、その仕組みや価値の根拠について説明できる人は少ない。時価総額2.6兆ドルという巨大市場となった暗号資産の基礎知識から最新動向までを、ビットポイントジャパン代表 小田玄紀氏に聞いた。

Q. 暗号資産の市場規模はどのくらい?
暗号資産市場は想像以上に大きい。ビットコインとイーサリアムの合算時価総額は300兆円を超え、日本の時価総額10兆円超の上場企業18社の合計(297兆円)より大きい。1日の取引量も25兆円超で、日本の全上場企業の出来高合計(約5兆円)の5倍にもなる。世界の全アセットクラスランキングでも、ビットコインは金(17兆USドル)の約1/8の規模まで成長している。

国内でも暗号資産口座数は1200万を超え、単純計算で日本国民の10人に1人が口座を持つ状況だ。アメリカではさらに普及が進み、約3割の人が口座を持っているという。
Q. なぜビットコインや暗号資産に価値があるの?
暗号資産の価値は「ブロックチェーン」という技術に由来する。従来の金融システムでは、中央のサーバーで情報を管理していたが、ブロックチェーンでは情報をネットワーク参加者全員で分散して持ち、管理する仕組みになっている。
ビットコインの場合、10分単位で作られる「ブロック」が連なり、より多くの人が記録しているチェーンが正しい情報と認識される。情報を改ざんするには、ネットワークの51%以上を同時に書き換える必要があり、現実的には不可能だ。この「改ざん不可能性」が暗号資産の価値の根幹となっている。
Q. 金(ゴールド)と暗号資産は似ているの?
暗号資産と金は共通点がある。どちらも「みんなが価値があると思っている」というコンセンサスによって価値が決まる点だ。「株式には原資産があるが、暗号資産には何もない」と言われることがあるが、金も同様にコンセンサスが価値を作っている。
一方で、暗号資産には金にない利点がある。例えば:
1. 分割して売買できる柔軟性
2. 鑑定が不要で本物かどうかの心配がない
3. 保管・管理・移動が容易
中長期的には、これらの利点から暗号資産が金を超える可能性もあるとされる。
Q. ビットコインとイーサリアムの違いは?
ビットコインは「デジタルゴールド」としてのアセット(資産)の側面が強い。一方、イーサリアムには「スマートコントラクト」という機能があり、「あらかじめ設定した条件が満たされたら、自動的に資産を移転させる」といった複雑な取引が可能だ。
イーサリアムのブロックチェーンは多くの暗号資産プロジェクトの基盤となっており、Web3の基盤技術としても活用されている。ビットコインはできることが限られる代わりに、発行上限が明確(2100万枚)で、希少性による資産価値が評価されている。
Q. 暗号資産を始めるとき、気をつけるべきことは?
最も重要なのは、必ず金融庁に登録されている暗号資産交換業者を利用すること。日本の消費者生活センターには月間約400件の暗号資産関連相談があるが、そのほとんどが無登録業者による詐欺被害だ。

また、投資する際は自分の資産のうち「失っても問題ない範囲」で行うことが基本。暗号資産の価格が今後上がるか下がるかは誰にもわからないため、無理のない範囲で始めることが大切だ。
Q. 日本の暗号資産業界はどうなってる?
日本は2017年に世界で初めて暗号資産に関する法整備を行い、一時は世界のビットコイン取引量の50%が日本で行われる「ビットコイン大国」だった。しかし2018年のコインチェック事件などのハッキング被害により、規制が厳格化され市場が縮小した。
その後、業界団体(日本暗号資産等取引業協会)の設立やセキュリティ強化などを経て、2022年頃から自民党のWeb3プロジェクトチームの活動などにより、再び前向きな流れが生まれている。現在は顧客資産の100%をコールドウォレット(オフライン環境)で管理するなど、セキュリティ面では世界で最も厳格な対策が取られている。
Q. 暗号資産の今後の展望は?
アメリカではトランプ大統領が「アメリカをビットコイン大国にする」と宣言し、2024年1月にビットコインETF(上場投資信託)が認可された。機関投資家による購入も進み、直近の売買量の約10%が機関投資家によるものとなっている。

ビットコインの総発行量は2100万枚と決まっており、すでに1985万枚ほどが発行済み。新規発行量は約4年ごとに半減するシステムで、2140年頃に全量発行が完了する予定。需要が高まる一方で供給が限られるため、長期的な価値上昇の可能性がある。
また、暗号資産はアセットクラス(資産クラス)として再定義されつつあり、ステーブルコインなど国境を越えた決済手段としての活用も広がっている。