
物価高に勝つ節約術/高島屋の買い物18%オフ/人生の3大資金計画【FP1級 サバンナ八木】
FP1級を取得したコメディアン サバンナ・八木が教える「リアルな節約術」
お笑いコンビ「サバンナ」の八木真澄さんがFP(ファイナンシャルプランナー)1級資格を取得し、公演オファーが殺到している。普段は「ブラジルの人聞こえますか?」などのギャグで知られる八木さんだが、実は20年の投資歴を持つ隠れた「お金のプロ」だった。今回は物価高時代を乗り切るための節約術や資産形成について、八木さんに聞いた。

年収800万円世帯の生活設計モデル
Q: FP1級を取得しようと思ったきっかけは何ですか?
元々、お金に関して興味があった。30歳から株式投資を始め、20年の投資歴がある。ただ、レギュラー番組がなくなったことが大きなきっかけだった。相方はレギュラー10本ほど抱えている一方で、自分はレギュラーが終わり、定期的に営業に行っていた相方の「きんに君」も吉本興業を辞めることになり、完全に収入が途絶えそうな状況だった。
Q: お金に関する考え方を教えてください
僕の考え方だと、全てはお金と組織図。体に置き換えると、お金が血液で、組織図が骨格にあたる。例えば、テレビ局に呼ばれた時も、どういう組織でどのようにお金が流れているか、その中で自分が何を話せばいいのかを考える。飲食店に行った時も、誰が社長で、どのように資金が流れているのかを見る。同じことは経済にも国際問題にも当てはまる。お金の流れと組織図を見れば、大体のことが分かるんだ。
Q: FP1級の試験はどのような内容でしたか?
FP1級には実技試験がある。東京国際フォーラムで実施され、2人の先生(おそらく税理士)に質問される形式。緊張しすぎて、知っていることが分からなくなる瞬間もあった。例えば、インボイス制度についての説明を求められた後、「インボイスは何の税金に関係するのか」と聞かれた時、あまりにも基本的すぎて一瞬フリーズしてしまった。頭が真っ白になって、「所得税?個人所得税?あ、消費税?」と答えたが、なんとか合格できた。
Q: 節約に関する考え方を教えてください
「節約」という言葉より「費用対効果」を重視している。例えば、タクシーについて考えると、料金は昼も夜も同じだけど、雨の日と晴れの日では効果が全然違う。雨の日のタクシーは価値があるが、晴れの日にタクシーに乗る選択肢はない。どの局面でも「費用対効果」を考えることが大切。

物価高時代の生活防衛術
Q: 物価高時代の生活防衛術について教えてください
まず、人生には3つの大きな資金が必要になる。1つ目は住宅資金、2つ目は教育資金、3つ目は老後資金。これらをどうコントロールするかが重要だ。例えるなら、基礎代謝を上げるために重要な筋肉(太もも、胸、背中)を鍛えるようなもの。この3つの資金をしっかりコントロールできれば、人生という長いマラソンを走り切れる。
年収800万円のモデルケースで考えてみよう。就職が23歳、第一子が33歳、第二子が35歳で生まれ、子どもが大学を卒業するのが57歳頃とすると、この頃に一番お金がかかる。ただし、多くのサラリーマンは57歳で一旦退職して子会社に移り、収入が下がることが多い。この時に子どもがまだ大学生だと資金的にかなり厳しくなる。
このライフプランを考えると、23歳~33歳くらいは住宅の頭金を貯め、33歳以降は教育資金を貯めなければならない。自分のライフプランに合わせて、これら3つの柱を計画的に準備することが大切。
Q: 具体的な節約術を教えてください
高島屋の友の会カードはかなりおすすめ。12万円入金すると1年後に13万円になる。これは利回り約8%。さらに高島屋の株主優待(10%割引)と併用可能で、合計18%の割引が受けられる。この割引を活用して高島屋の惣菜を購入すると、惣菜自体の割引(半額や40%オフなど)にさらに18%オフが適用され、かなりお得に買い物ができる。

また、封筒貯金も効果的。年間で予想できる出費(食費、誕生日、冠婚葬祭など)を逆算して、毎月一定額を封筒に入れておく。これにより「今月予想外の出費がある」という状況を防げる。さらに、歯のインプラントなど将来かかりそうな費用も前もって貯めておくと安心。
Q: お酒の節約術について教えてください
高級なウイスキー(白州や山崎など)の価格が高騰している。以前は3,150円で買えた700mlのボトルが、今は1万円でも買えない状況。そこで、空のウイスキーボトルに業務用の安いウイスキーを入れて飲んでいる。
具体的な方法は、前日にボトルに安いウイスキーを入れておき、仕事から帰った時に「あ、ボトルがある」と思わせる。バーでハイボール1杯2,000円するところ、この方法だと1杯約100円。1日6杯飲むと1日約1万1,000円の節約になり、30日で34万2,000円、30年で1億2,000万円の節約になる計算だ。
ただし、本音を言うと、最近はサントリーの水を飲んでいるという。これが一番美味しくて経済的。
Q: 住宅に関してはどのような選択がいいですか?
結論から言うと、新築の戸建てがおすすめ。自分は現在、家族を大阪に置いて東京で単身赴任している。大阪には戸建て住宅を購入し、東京では寝るだけの狭いワンルームを借りている。これを「ダーチャスタイル」と呼んでいる。
ロシアでは「ダーチャ」という生活スタイルがあり、モスクワの高い家賃を避けるために都心部に狭いマンションを借り、週末は郊外の別荘で過ごすという2拠点生活をしている。自分の場合は、時間の1/3を東京、1/3を大阪、残りの1/3をホテルで過ごしている。
Q: 子どもの教育資金はどう準備したらいいですか?
学資保険は効果的な選択肢の一つ。中には「NISAなどで投資した方がリターンが高い」という意見もあるが、人間はそんなに賢くない。学資保険という名目にしておけば、親は手をつけられないという心理的効果がある。
投資信託などで運用すると、「これは大学のために置いておいたもの」と言いつつも、相場が上下すると気になってしまい、結局使ってしまうことがある。学資保険はその心配がない。
FP資格取得で見えた社会保障の隙間
Q: FPの資格を取って知った意外な制度はありますか?
知れば知るほど、社会保障制度には隙間がたくさんあることに気づく。例えば、出産した時に申請すれば、国民年金・厚生年金が前後2ヶ月、計4ヶ月分免除される。
また、年収1,000万円でお子さんがいる場合、「所得金額調整控除」という制度がある。1,000万円から850万円を引いた150万円に0.1をかけた15万円が所得控除になる。こういった情報はどこで誰が教えてくれるのかと思うほど知られていない。

さらに、フリーランスにとっては「労災保険(ロウサー)」が重要。従来はサラリーマンしか加入できなかったが、2023年11月からフリーランスも加入可能になった。特徴は保険料が全額自分で決められること。フリーランスのカメラマンなら、「今月は30万円稼ぐから30万円」「来月は稼ぎが良さそうだから50万円」と自分で決められる。最大で日額2万8,000円くらいまで設定可能で、これが怪我や死亡時の補償の基準になる。民間の保険なら何十万もする保障が、年間6万円程度で得られる。
Q: FP資格はビジネスパーソンにとって役立ちますか?
FP3級は最低限取得しておくべき。当たり前のことを当たり前に知っておくための資格。知識があれば、例えば住宅ローンを組む時や、子どもの教育費を計画する時に適切な判断ができる。
個人事業主やフリーランスはさらに重要。サラリーマンは会社が厚生年金や退職金の仕組みを整えてくれるが、個人事業主は全て自分で準備しなければならない。人生設計を自分でコントロールするためにも、FPの知識は役立つ。
