
45歳から考える親の相続
「相続ってめんどくさい」を解消!具体的な準備法とは?
相続は裕福な人だけの問題ではなく、誰もが直面する課題です。しかし「何が不安なのかわからない」という漠然とした不安や「めんどくさい」という先送りの気持ちが、多くの人の準備を妨げています。相続を専門とする税理士の前田智子氏に、相続の仕組みから円満な相続のポイントまで、具体的な準備法を聞きました。

相続って何?普通の家庭にも関係あるの?
Q: 相続とは何ですか?お金持ちにだけ関係することではないのでしょうか?
相続とは「財産の行き先を決めること」です。裕福かどうかは関係なく、誰もが少なからず預金や住んでいる家など何らかの財産を持っています。それを亡くなった後に誰が引き継ぐのかを決めることが相続です。
Q: 誰が相続人になるのでしょうか?
相続人になる人は民法で決まっています。まず、配偶者(夫や妻)は常に相続人になります。そして、以下の順位で相続人が決まります。
1. 第一順位:子ども
2. 第二順位:親
3. 第三順位:兄弟姉妹
例えば、配偶者と子どもがいる場合は、その二者が相続人です。子どもがいなくて親が生存している場合は、配偶者と親が相続人です。親もいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

Q: それぞれの相続人はどのくらいの割合で財産を相続できるのですか?
法定相続分は以下のように決められています。
- 配偶者と子ども:配偶者1/2、子ども1/2(子どもが複数いる場合はその人数で等分)
- 配偶者と親:配偶者2/3、親1/3
- 配偶者と兄弟姉妹:配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

Q: 相続の対象となる財産にはどのようなものがありますか?
プラスの財産としては、預貯金、不動産、有価証券、車、金・銀などの貴金属、他人に貸しているお金などがあります。注意すべきは、借金などのマイナスの財産も相続の対象になるということです。また、故人が加入していた生命保険の死亡保険金も相続財産になることがあります。

「漠然とした不安」から抜け出す第一歩
Q: 相続税はどのくらいかかるのでしょうか?
基礎控除額は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。例えば、配偶者と子ども1人の場合、基礎控除額は4,200万円となります。これを超える財産がある場合に相続税がかかります。実際に相続税を支払う人は亡くなる人の約1割程度と言われています。
> 「皆さんの不安って漠然としている。いつも漠然としている。うちは税金が取られちゃうんじゃないか。どうしたらいいんだろう」
Q: 相続の準備はいつから始めるべきですか?
親が主体的に始めるのが望ましいですが、大体の目安としては、子どもが45歳を過ぎた頃や親が75歳頃(後期高齢者医療保険に加入する頃)から始めるといいでしょう。ただし、早すぎることはなく、親が60代でも始めて問題ありません。
具体的な相続準備の進め方
Q: 具体的にどのように相続の準備を進めればいいですか?
1. 財産目録の作成:ノートなどに、どこの銀行に口座があるか、不動産はどこにあるかなど、財産がどこにあるかを書き出します。借金がある場合もそれを書いておきます。保険の情報、デジタル資産(PCやスマホのパスワードやID)なども記録しておくと良いでしょう。
> 「まず見える化することが大事なので、ノートに預金、どこどこ銀行、何々支店、普通預金、書く。どこどこ郵便局、書く」
2. 夫婦間での話し合い:財産をどうしたいか、家をどうしていきたいかなど、夫婦でまず話し合います。
3. 家族との話し合い:夫婦の意見がまとまったら、子どもを含めた家族全体で話し合います。年に1回程度、お盆やお正月など家族が集まる機会に話し合うといいでしょう。

Q: 子どもの立場から親に相続の話を切り出しにくい場合、どうすれば良いですか?
「うちは相続税がかかるの?心配しているけど大丈夫?」と質問するのが自然な切り口になります。相続税がかからない場合が多いことを知りながらも、「もし何かあった時に手伝わないといけないから、どこに何があるか書いておいてくれる?」と話を進めるといいでしょう。
遺言書の作成と円満な相続のために
Q: 遺言書はどのように作成すれば良いですか?
遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。次の世代の手続きを考えると公正証書遺言がおすすめです。自筆遺言は形式が整っていないと無効になる可能性があるためです。
Q: 円満な相続のために最も大切なことは何ですか?
できるだけ生前から家族が集まる機会を増やし、お互いの状況を理解し、思いやる気持ちを持つことが最も大切です。相続は財産の問題だけでなく、家族の絆にも関わる重要な問題です。
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相続は「めんどくさい」と先送りにされがちですが、準備を始めるのに遅すぎることはありません。まずは財産の「見える化」から始めて、家族との対話を重ねていくことが、将来の円満な相続への第一歩です。
