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「政治とカネ問題」はなぜ終わらないのか
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2025年5月5日

昨年、自民党派閥の政治資金パーティー問題で政治は大混乱。「政治とカネ問題」はなぜ終わらないのか?裏金の構造的課題と本質は何なのか?その衝撃の実態を元朝日新聞記者の鮫島浩さんに聞いた。 <ゲスト> 鮫島浩|政治ジャーナリスト 1994年朝日新聞に入社。政治記者として菅直人や竹中平蔵らを担当し、政治部...
政治とお金の闇を徹底解説 なぜ政治家は裏金を求めるのか
元朝日新聞記者の鮫島浩氏が語る「政治家の収支の実態」。自民党裏金問題の本質は何か?政治家がお金を集める本当の理由から、秘書の数と選挙の強さの関係、そして幹事長と官房長官が持つ「自由に使える10億円」の存在まで、政治とお金の構造的問題を明らかにする。

政治家はなぜお金を集めるの?
Q: 政治家とお金の問題はなぜ切り離せないのですか?
政治家がお金を集める最大の理由は「人件費」だ。特に秘書の数が多ければ多いほど選挙に強くなる。公設秘書は3人しか雇えないが、それだけでは選挙は勝てない。地元で選挙運動をするスタッフが多ければ多いほど有利になる。
実際、100億円の資産を相続した政治家なら地元に30人、50人の秘書を配置できる。一方、新人議員が一人で戦うのは不可能だ。さらに大物政治家になると、自分の選挙区が安泰になった後、他の議員に秘書を「貸し」て、派閥の親分になっていく。

Q: 政治家の財布はいくつあるのですか?
政治家には3つの財布がある。
1. 個人のお金(年収約2000万円の歳費)
- 使途の公開義務なし
- 自由に使える
2. 政治団体の財布
- 政治家個人は寄付を受けられないため、政治団体を作って資金を受ける
- 収支報告書の提出が必要
- 誰からいくらもらったか公開する義務がある
3. 政党の財布
- 政党本部のお金
- 政党支部のお金(自民党だけで7800支部もある)

政治家はどうやってお金を集めるの?
Q: 企業からの寄付はどうなっているのですか?
企業や団体は、政治家個人や政治家の政治団体には寄付できない。これは企業が大金を持っているため、個人政治家に直接寄付すると影響力が強くなりすぎるからだ。そのため企業・団体は政党にのみ寄付できる。
しかし抜け道がある。政党には「支部」があり、自民党だけで7800もの支部が存在する。政治家は自分の選挙区の支部長になり、そこで企業献金を受け取ることができる。そして支部で集めたお金を自分の政治団体に移せば、自由に使えるようになる。
Q: 政治資金パーティーとは何ですか?
政治資金パーティーは、政治家が資金を集める合法的な方法だ。しかし去年の自民党の裏金問題では、パーティー券を販売したのに収支報告書に記載しなかった。本来、献金した側は法律に従って寄付したのに、受け取った政治家が報告せずに「裏金」にしてしまった。これは完全に政治家側の問題だ。
政治家がお金を隠す方法は?
Q: 政治資金収支報告書ではどこまで公開されるのですか?
収支報告書には使途も記載する必要があるが、人件費については「誰にいくら」という詳細は不要で総額だけでよい。これが不正の温床となる。例えば、実際には働いていない人の人件費として計上し、裏金に使うことができる。

Q: 制作活動費とは何ですか?
これは政党から個人への寄付という抜け道だ。政党は個人に寄付できる唯一の存在で、自民党の場合、幹事長に毎年10億円程度を「制作活動費」として渡す。これは報告義務がなく、使途が不明なお金だ。二階俊博元幹事長は5年間で約50億円を受け取ったとされるが、何に使ったかは分からない。
同様に、官房長官も「官房機密費」という形で年間約12億円を自由に使える。本来は国家安全保障のための秘密資金だが、実際には政権を守るために政治家やメディア関係者にお金を配るために使われてきた。
Q: 石破総理の商品券問題とは?
石破総理が新人議員に配った商品券について、本人は「ポケットマネー」と説明しているが、誰もそれを信じていない。多くの関係者は官房機密費が使われた可能性が高いと見ている。
なぜ政治とお金の問題は解決しないのか?
Q: 政党助成金制度はどうやってできたのですか?
1990年代、リクルート事件などの反省から、企業団体献金を規制する代わりに税金で政治活動を支える政党助成金制度が作られた。当時の約束では「いずれ企業団体献金は全面禁止する」はずだった。しかし30年経った今も企業団体献金は続いている。これは明らかな「裏切り」だ。
Q: お金は政治家にとって何を意味するのですか?
お金は権力闘争の道具だ。選挙で資金が足りないとき、派閥の親分から支援を受ければ、その後は親分の言うことを聞かざるを得なくなる。例えば総理大臣指名選挙では、親分の指示通りに投票する。これが派閥の力の源泉となっている。
Q: クリーンな政治は可能ですか?
法律の不備もあるが、政治家相手には「性悪説」で制度設計をするべきだ。現在、企業団体献金については、自民党は「公開」、野党は「禁止」を主張しているが、立憲民主党や日本維新の会が提案している「全面禁止法案」にも抜け道があり、実効性がない。
真に政治をクリーンにするためには、企業団体献金の完全禁止と、政治資金の透明化、さらに派閥への資金供給を断つことが必要だ。
まとめ
政治家がお金を集める最大の理由は選挙に勝つため、そして派閥の力を維持するためだ。3つの財布(個人、政治団体、政党支部)を使い分け、抜け道を巧みに活用して資金を集め、使っている。
制作活動費や官房機密費のような「自由に使えるお金」が、政治家間の権力闘争の武器となり、派閥政治を支えている。1990年代に約束した「企業団体献金の全面禁止」は30年経っても実現せず、政治とお金の問題は解決していない。