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韓国の若者が結婚しない理由。結婚は超贅沢品
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2025年4月29日

日本以上のスピードで少子化が進む韓国。なぜ少子化が止まらないのか?少子化対策のため国や企業はどんな施策を打ち出しているのか?韓国・超少子化のリアルを、ニッセイ基礎研究所・上席研究員で亜細亜大学特任准教授の金 明中氏に解説してもらった。 <ゲスト> 金 明中|ニッセイ基礎研究所 1970年韓国仁川生...
9年ぶりに出生率上昇! 韓国の少子化対策から日本が学べること
韓国では9年ぶりに出生率が上昇した。0.72から0.75へのわずかな上昇だが、その背景には様々な要因がある。ソウルの平均マンション価格が1億4000万円という衝撃の現実や、結婚が「超贅沢品」と呼ばれる厳しい状況の中、韓国社会はどのような変化を見せているのか。ニッセイ基礎研究所・上席研究員で亜細亜大学特任准教授の金 明中氏に聞いた。

Q. 韓国の出生率が9年ぶりに上昇した理由は?
韓国の出生率が0.72から0.75に上昇した理由はいくつかあります。まず婚姻件数が増加したこと、韓国政府が多様な少子化対策を行ったこと、さらに企業や宗教団体も少子化対策に積極的だったことが挙げられます。
特に婚姻件数については、2023年に19万3000件だったものが2024年には22万件と、約2万9000件増加しました。この背景には、韓国のベビーブーム世代(1955年から1974年頃に生まれた世代)の子供たちが結婚年齢に達したことが大きな理由になっています。
また、外国人との結婚も増加しており、全婚姻件数22万件のうち、外国人との婚姻は約2万1000件(約10%)に達しています。特に日本人女性との結婚は前年比40%増加しており、日韓関係の改善やK-POPなどの文化交流の影響が考えられます。
Q. 韓国の若者が結婚できない本当の理由とは?
韓国の若者が結婚できない、または結婚しない最大の理由は雇用の不安定さです。韓国では大学卒業しても就職率は約60%程度で、3分の1は就職できません。また、正規雇用ではなく契約職として就職するケースも多いため、将来が不安定になります。
日本では新卒一括採用の仕組みがありますが、韓国ではこの仕組みがほぼなくなっています。企業は新規採用よりも中途採用を重視する傾向があり、新卒者の就職機会は限られています。

また、韓国では大学進学率が約80%と非常に高く、多くの若者がサムスン、ヒュンダイ、LG、SKなどの大企業や公務員を目指しています。しかし、これらの求人枠は限られているため、競争率が極めて高いのです。
Q. 韓国の不動産事情は?家賃の仕組みが日本と大きく違う
韓国では日本のような家賃の仕組みがあまり一般的ではなく、「チョンセ」という独特の制度があります。これは家を借りる際に、家の価格の7〜8割を頭金として家主に預ける仕組みです。このお金は契約終了時に戻ってくるため、若者にとっては毎月家賃を払うよりも合理的だと考えられてきました。
しかし問題は、ソウルのマンション平均価格が約1億4000万円と非常に高額なことです。このため頭金として7〜8割を用意することは若者にとって非常に難しいのです。
さらに韓国では、家を用意するのは男性の役割とされており、女性は生活用品を用意するという分担が今でも一般的です。このため男性は結婚前に膨大な資金を用意する必要があり、それが結婚を難しくしています。

韓国社会の教育熱と少子化の関係
韓国の少子化には教育費の高さも大きく影響しています。韓国の教育熱は非常に高く、小学生の時点で月に約10万円の塾代がかかるのが普通です。中学生になるとさらに高額になり、ソウルの有名塾では月30〜40万円かかることもあります。
大学進学率が約80%と高いのも特徴で、多くの親が子供の将来のために高額な教育費を払っています。しかし、これほどの教育投資をしても就職が保証されるわけではなく、この悪循環が少子化を加速させています。
また、韓国では「平準化政策」により、中学校・高校はくじ引きで決まるシステムになっており、地方の良い学校が減少しました。その結果、良い教育を求めて多くの家族がソウルに集中し、地方の過疎化と首都圏の住宅価格高騰を招いています。

Q. 韓国の少子化対策から日本が学べることは?
韓国の少子化問題から日本が学べる点は多くあります。まず、婚姻数を増やすための政策が重要です。日本でも結婚したいと思っても経済的理由などでできない若者が増えており、結婚支援策が必要です。
また、韓国では宗教団体や企業も少子化対策に取り組んでいます。例えば韓国の大型教会では、子供を産んだ信者に100万ウォン〜200万ウォンの祝い金を支給する制度を設けています。
教育制度の見直しも重要な示唆を与えています。韓国の例から、過度な教育競争や教育費の高騰が少子化につながることが分かります。日本でも教育費の負担軽減や多様な進路選択を可能にする制度設計が必要でしょう。
韓国の少子化は日本よりも深刻
韓国の少子化は日本よりも深刻な状況にあります。現在の出生率で計算すると、次の世代に生まれる子供の数は日本が72人、韓国が26人と2.8倍の差があります。さらに次の世代になると日本が43人、韓国が9.3人と4.7倍の差になると予測されています。
このままでは韓国の人口維持は難しく、社会全体の問題として取り組む必要があります。教育制度の改革、雇用の安定化、住宅問題の解決など、総合的な対策が求められています。
日本も他人事ではなく、結婚・出産を望む人が経済的理由で諦めることがないよう、社会全体で支援する体制づくりが重要です。韓国の事例は日本の将来を考える上で貴重な参考になるでしょう。