PIVOT TALK BUSINESS
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2025年5月4日

カーライル、KKR、ベインキャピタルなど日本でもプライベートエクイティ(PE)の存在感が増している。PEとはどんな仕事なのか?どんな報酬体系・キャリアなのか?PEでの勤務経験が長いムーギー・キム氏に話を聞いた。 <ゲスト> ムーギー・キム|ストロングキャリア特別顧問 プライベートエクイティのLP・...
プライベートエクイティ(PE)ファンドは、ベンチャーキャピタルとは異なる独自のビジネスモデルを持ち、魅力的な報酬体系で多くの金融プロフェッショナルを惹きつけている。PEの世界では「キャリー」と呼ばれる成功報酬が大きな魅力だ。実際に1つの投資案件で10億円以上が個人に入ることもある世界について、詳しく解説していく。

PEファンドの報酬体系は一般的に「ベース(固定給)」「ボーナス」「キャリー」の3階建て、さらに上位職では「エクイティ(株式)」を加えた4階建ての構造になっています。
キャリーとは「キャリード・インタレスト」の略で、ファンドのリターンに応じて得られる成功報酬です。基本的な仕組みとしては、投資家に対して「ハードルレート」と呼ばれる最低限のリターン(通常8%)を優先的に返した後、それを超えた利益の20〜25%がファンドに入ります。
具体例を挙げると、100億円の案件が300億円で売却された場合、200億円の利益から優先リターン分を差し引いた金額の20〜25%がキャリーとなります。これを高々数人で分配するため、一人当たり数億円規模になることも珍しくありません。特にパートナークラスはその配分の70%程度を獲得するため、「1案件で10億円ほど入ってくる人もいる」という現実があります。

キャリーを獲得できる確率は、ファンドの戦略やパフォーマンスによって大きく異なります。PEファンドは一般的に10年の運用期間があり、投資期間5年、その後4〜5年かけて投資先を育成・売却していくモデルです。つまり、キャリーが実際に支払われるのは投資から4〜5年後、場合によっては9〜10年後ということになります。
現在のグローバルスタンダードでは、個別案件ごとではなくファンド全体のパフォーマンスに基づいてキャリーが支払われます。つまり、一部の投資が大成功しても、他の投資が失敗していれば全体としてハードルレートを超えられず、キャリーは発生しないことになります。
また、PEファンドとベンチャーキャピタルでは投資の成功確率に大きな違いがあります。ベンチャーキャピタルは多数の投資先の中から数社が大成功すれば良いモデルですが、PEファンドはポートフォリオ全体で9割の成功率が求められます。10件の投資案件があれば、失敗は1件程度しか許されないのです。

一般的には、コンサルティングファームや投資銀行などの出身者が多いですが、それだけで採用されるわけではありません。実際には「マッキンゼーやゴールドマン・サックス出身でも落ちる人はたくさんいる」のが現実です。
PEファンドが採用時に重視するのは以下の点です:
1. 技術的なスキル:特にLBO(レバレッジド・バイアウト)モデルを適切に扱えるかどうか
2. 投資家目線:単なるアドバイザリーではなく、プリンシパル(投資主体)として考えられるか
3. ビジネス創出力:「うちの看板を使って自分でビジネスを取ってきて、看板の価値を上げてくれる人材か」という点
採用面接では「今どのような会社に投資したいか」という質問がよく出ますが、表面的な回答では評価されません。自分が詳しい業界について、なぜ投資機会があるのか、バリューアップのポイント、将来の出口戦略まで一貫した「インベストメントストーリー」を語れることが重要です。
さらに、事業会社からの転職者や、LP(Limited Partner、投資家)側で働いた経験を持つ人材も増えています。特にLP側の経験は、ファンドレイジング(資金調達)の観点から貴重と言えます。

PEファンドによる企業変革は、ファンドごとに異なるアプローチがあります。大きく分けると以下のような戦略があります:
1. 経営人材の刷新:外部から優秀な経営者を招聘し、企業を変革
2. バリューアップチーム活用:ファンド内部に専門チームを持ち、経営に直接関与
3. 既存経営陣との協働:現経営陣を尊重しつつ、月次ミーティングなどで進捗を管理
特に「モチベーションキャピタル」の側面は重要です。企業価値を高める最大の要因は「そこにいる人材がやる気があり、職場の雰囲気が良い」ことです。外部から経営者を入れる場合も、既存社員とのカルチャークラッシュ(文化的衝突)を避け、全体のモチベーションを高める配慮が必要になります。
また、PEファンドは「コントロールキャピタル」としての性格も持ちます。上場企業の少数株主とは異なり、必要に応じて経営者を交代させる権限を持っています。これは「インサイド情報を使うことができ、気に入らない社長を変えることができる」という強みにつながります。
興味深いことに、PEファンドは一見「退屈な」ビジネスを好んで投資対象とします。これには明確な理由があります。安定的なキャッシュフローがある企業ほど、レバレッジ(借入)を活用した買収に適しているからです。
通信、小売、製薬など景気変動の影響を受けにくい業種は、PEの投資対象として人気があります。逆に不動産や半導体製造装置のように、市場サイクルに大きく左右される業種は難しいとされています。
また、各ファンドは過去の成功体験から得意分野を築いていきます。ある薬局チェーンでの成功事例があれば、同様の案件が持ち込まれやすくなり、そのセクターでの専門性が蓄積されていくのです。
PEファンドには以下の理由から大きな成長機会があります:
1. 地政学的要因:日本は政治的安定性から、海外資金の投資先として再評価されている
2. 社会的認知の向上:単なる「ハゲタカ」ではなく、企業価値向上に貢献するという社会的正当性の獲得
3. キャリアオプションの拡大:PEファンドで働く人材が増え、一般的なキャリアパスとして認知されるようになった
これらの要因から、PEは今後も日本での存在感を高めていくことが予想されます。
PEファンドとベンチャーキャピタルの最大の違いはリスク許容度と投資戦略にあります。ベンチャーキャピタルは「100社に投資して、そのうち数社がスーパーリターンを出せばいい」というハイリスク・ハイリターンのモデルです。
対して、PEファンドは「ファンド内の10件の投資案件のうち、失敗していいのは1件程度」という高い成功率が求められます。これは、年金基金や保険会社など、「失ってはならないお金」を預かる投資家から資金を調達しているためです。
したがって、PEファンドは安定的なリターンを重視し、「9件が適度な成功を収め、1件だけ失敗する」ポートフォリオが、「3件が大成功、7件が失敗」というものより好まれる傾向にあります。
PEファンドでのキャリアを目指す際は、以下の点が重要です:
1. 技術的スキルの習得:特にLBOモデルなどの財務モデリングを学ぶ
2. 投資ストーリーの構築力:自分が詳しい業界について具体的な投資機会を語れるようにする
3. ファンドの特性理解:各ファンドのカルチャーや投資手法の違いを理解し、自分に合った環境を選ぶ
4. 長期的コミットメント:PEは「3年で辞める」前提のコンサルや投資銀行と異なり、長期コミットメントが求められる
また、直接投資チームだけでなく、PEファンドのポートフォリオ企業の経営幹部として入るキャリアパスも検討価値があります。プライベートエクイティの世界では、「ポートフォリオの経営人材として成功すると、次の投資案件でも起用される」という好循環が生まれることもあります。
※こちらは生成AIによるまとめ記事です。