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100倍株を見つけるメタトレンド投資/次に来るメタトレンドはこれだ【中島 聡】
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2025年4月22日

株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを一流のプロの講義を受けて学ぶMONEY SKILL SETの応用編。今回は「100倍株を見つけるメタトレンド投資」の方法を Apple・NVIDIA・テスラ株など大化け株を見抜いた投資家・中島聡氏に教わる。前編では、カリスマCEOを見分ける方法を解説...
100倍株を見つけるメタトレンド投資とは?IT界の伝説・中島聡が語る
大きなトレンドの波を見極め、情熱的なビジョンを持つCEOに投資する——それがメタトレンド投資だ。マイクロソフト本社でWindows 95やInternet Explorer 3.0の基本設計を手がけ、ソフトウェア会社「Xevo」を352億円で売却した中島聡氏に、投資判断の核心に迫る。

Q: メタトレンド投資とは何ですか?
メタトレンド投資とは、10年に一度ほどの大きな技術革新が起こるとき、その波がどのように世界を変えるかをイメージし、同じビジョンを持つCEOに投資する方法です。
私はエンジニアとして、新しい技術が登場すると自然とワクワクして「これが普及したらこうなるだろう」と考えるタイプです。一人でブレインストーミングをして未来像を描き、それに興奮します。そして、私と同じようなビジョンを持つCEOが現れると、「この人も同じ未来を想像している」と共感し、その会社を応援したくなります。
単純に、その会社の商品を買いたい、株も持ちたいという気持ちになる—それが私のメタトレンド投資の本質です。
Q: 実際にメタトレンド投資で成功した例を教えてください
iPhoneのケースが最も分かりやすい例です。2000年に会社を設立し、当初は携帯電話用のソフトウェアを開発していました。当時、日本は世界で最も携帯電話が進化していて、一般の人々がモバイルバンキングを使うなど、ライフスタイルに革命が起きていました。
私はシリコンバレーでのカンファレンスで、日本の状況を「ガラパゴス」と表現しました。閉じた環境だからこそ独特の進化をしている、というポジティブな意味でした。しかし、この日本型の革命が世界に広がらないのを見て歯がゆく感じていました。
そんなとき、iPhoneが登場し「これだ!」と確信しました。まるで方程式が解けたように、これで世界が変わると確信したのです。そこでiPhoneを購入し、Appleに投資し、iPhoneアプリの開発も始めました。

Q: 投資判断で最も重視するポイントは何ですか?
CEOの「熱量」を最も重視しています。バランスシートより先にCEOの発言を見るタイプです。
理由は単純でバランスシートなどの財務情報はプロのアナリストが分析し、すでに株価に織り込まれているからです。彼らは責任上、10年後の話は無視せざるを得ません。例えば、イーロン・マスクが「10年後に1000万台の車を売る」という大風呂敷を広げても、彼らは現実的でないとして無視します。
私はそれに共感できると感じれば、それは株価に反映されていない価値だと考えて投資します。つまり、プロの目に見えない長期的な価値を見出すことが重要です。

Q: CEOの見極め方について教えてください
まず熱量です。どれだけ熱く語れるか。スティーブ・ジョブズの「現実歪曲場」のように、CEOが言うと周りが信じてしまうような説得力が重要です。これは本人が心から信じていなければできません。
そうした情熱があれば、投資家も引きつけますし、何より優秀な人材が集まります。エンジニアは特に、熱く夢を語ってくれるリーダーのもとで働きたいと思うものです。
イーロン・マスクは人材を集める力が非常に強いです。最近はコスト削減のイメージもありますが、本質的には優秀な人材を引きつける力があるからこそ、SpaceXのような革新的な成果を出せるのです。
ただし、カリスマと詐欺師は紙一重です。セラノスのエリザベス・ホームズやWeWorkのアダム・ニューマンも、最初は本気で自分のビジョンを信じていたと思います。ただ実現できなかったとき、詐欺師として見られるようになりました。
Q: 創業者CEOと非創業者CEOの違いをどう見ていますか?
通常は創業者CEOの方が投資価値が高いと考えています。特にテクノロジー企業では、エンジニア出身のCEOが優秀なCOOと組むのが理想的です。
例外もあります。マイクロソフトのサティア・ナデラはファウンダーではありませんが、スティーブ・バルマー時代に一度「死んで」から復活した会社なので、別のケースだと考えています。
Appleもティム・クックは地味で真面目なタイプで、ビジョンをあまり語りませんが、会社にはスティーブ・ジョブズのDNAが生き続けています。彼が大切にしてきたデザイン重視の姿勢や削ぎ落とす哲学がしっかり継承されているのです。
Q: 次のメタトレンドは何だと思いますか?
次の大きなメタトレンドは間違いなく「ロボット」です。もう明らかに見えています。

YouTubeなどで人型ロボットの映像を見ると、まずは工場に入り、それから家庭に入るという流れが確実に来ます。10年とは言えないかもしれませんが、20年経てば人型ロボットが肉体労働の大変な部分を担う時代が来るでしょう。
このトレンドの中で、人型ロボットを開発しているテスラや、その「頭脳」を作っているNVIDIAに注目しています。ただし、必ずしもNVIDIAが勝つとは限りません。NVIDIAは学習プロセスでは圧倒的に強いですが、推論の部分はそれほど強くなく、消費電力の面でも課題があります。
モバイルデバイスやロボットでは消費電力が重要なので、Qualcommなどのライバルも可能性があります。ただ、Qualcommはロボット向けの開発環境など、正しい動きをしていないように見えます。
Q: 富裕層のライフスタイルから見える投資のヒントはありますか?
私はシアトル、ハワイ、日本の3拠点で生活していますが、特にハワイではシリコンバレーからのベンチャーキャピタリストや技術者が多く、リモートワークや引退後の生活を送っています。
ここでの富裕層のライフスタイルは、日本の成功パターンとはかなり異なります。日本では「上場して港区女子と遊んで、アナウンサーと結婚する」という成功パターンがありますが、私にはそれが小さく感じます。
海外の富裕層は自然豊かな環境で健康的に暮らし、仕事とプライベートのメリハリがしっかりしています。華やかなパーティーというより、自分のライフスタイルを確立している人が多いです。例えば私の知り合いは朝から運動し、トライアスロン大会に出場するような生活をしています。
興味深いことに、彼らの会話ではあまり株の銘柄の話などはしません。自己紹介で会社名を言うと「いい会社だね」「投資したよ」といった話は出ますが、「何で儲けよう」という話はほとんどしません。