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ゴールド価格はどこまで上がるのか?
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2025年4月15日

トランプ関税後に米国からの資金流出が加速し、長期金利が急騰している。今後、「プラザ合意2.0」によるドル安政策実施は本当にありうるのか?ドル売り・ゴールド買いはどこまで進むのか?為替ストラテジストの佐々木融氏と貴金属スペシャリストの池水雄一氏に展望してもらった。 <ゲスト> 佐々木融|ふくおかフ...
「金価格は永遠に上がる」—トランプの関税政策でゴールドはさらに高騰か
世界経済に大きな影響を与えるトランプ政権の関税政策。その中でゴールド(金)価格が歴史的高値を更新し続けている。なぜ今、世界中の投資家や中央銀行が金を買い求めているのか?為替ストラテジストの佐々木融氏と貴金属スペシャリストの池水雄一氏に聞いた。


Q. ゴールドはなぜ歴史的高値を更新し続けているのか?
まず根本的な要因は中央銀行による金の購入です。過去10年間の状況を見ると、2022年から中央銀行セクターによる金の購入量が急増し、年間1000トンを超えています。それ以前は多くても600トン程度だったのが、3年連続で1000トン以上になっています。
特にブリックスプラスと呼ばれる新興国がこぞって金を買い始めました。その背景には、ロシアのウクライナ侵攻後、アメリカによる経済制裁でロシアのドル資産が凍結されたことがあります。これにより、米ドルや米国債を持つことが海外諸国にとってリスクになりました。
世界の金の年間生産量は約3600トンですから、その約3分の1が中央銀行に吸収されている状況です。さらに、トランプの関税政策により、中国が米国債から金への資産シフトを加速させているのが現状です。
中国の個人投資家も金を買い求めている
中国では金の取引が活発化しています。上海ゴールドエクスチェンジ(SGE)という現物取引と、上海フューチャーズでの先物取引があります。最近の株価暴落をきっかけに、中国の投資家が大量に金を買い求める動きが加速しています。
上海フューチャーズの金価格が世界標準であるロンドン市場より70ドル近く高くなるというプレミアムが発生するほど、中国の個人投資家が金を買っています。これは過去に例のない現象です。中国の投資家にとって、現在の貿易戦争は将来への不安要素となっており、金への需要を高めています。

金と通貨の長期的な価値比較
1971年のニクソンショック以降、金と主要通貨の価値の推移を比較すると、驚くべき結果が見えてきます。1971年の価値を100とした場合、2024年3月現在、米ドルの価値は1.62まで下落しています。日本円は比較的健闘しているものの、3.7まで下がりました。最も価値を維持しているスイスフランでも7.34に下落しています。
つまり、通貨の価値は時間とともに金に比べて著しく低下しています。これは紙幣が際限なく発行され続けることで、その価値が必然的に下がっていくためです。金はそれ自体に内在的価値があるため、長期的に価値を保持します。

Q. ゴールドの価格はどこまで上がるのか?
ゴールドマン・サックスは最近、金価格の見通しを上方修正し、今年中に3700ドルに達するという予測を発表しました。さらに、今年中に4500ドルに達する可能性もあるという驚くべき予想も出しています。
1971年から現在まで、金価格は35ドルから3200ドルへと約91倍になりました。裏を返せば、ドルの価値は金に対して91分の1になったということです。紙幣の価値は今後も低下し続けると予想されるため、金価格は上昇し続ける可能性が高いと言えます。
Q. 個人投資家はどう対応すべきか?
現在の経済情勢下では、ポートフォリオに金を組み入れることが推奨されます。従来は債券が分散投資の対象でしたが、最近は債券も下落しており、ヘッジとして機能していません。金は通貨の中で最も強く、今後も価値を保持する可能性が高いです。
個人投資家にとっては、急激な資産配分の変更は避け、長期的な視点で投資を続けることが重要です。ポートフォリオの約20%程度を金などの実物資産に配分することで、経済的混乱時のリスクを軽減できます。
また、金が高価で手が出ないと感じる場合は、銀への投資も検討価値があります。現在、金銀比価は約100対1で、過去50年の平均60対1と比べると銀は割安となっています。銀は工業用需要もあり、特に太陽光発電パネルでの使用量が増加しています。供給が簡単に増やせない一方で需要は増加しており、中長期的に価格上昇が期待できます。
日本経済への影響
トランプの関税政策は日本経済にマイナスの影響をもたらす可能性が高いです。日本の経済力が低下している中で世界経済が混乱すれば、さらなる負担となります。日本は食料品、エネルギー、医薬品などの生活必需品を海外からの輸入に依存しており、円安が進めば物価上昇圧力が高まります。
今後は米中対立が激化する中で、日本はアメリカと中国のどちらにも完全に寄ることができない難しい立場に置かれます。安全保障ではアメリカに依存しつつも、経済的には中国との関係も維持する必要があるためです。
日本は西側諸国、特にヨーロッパとの関係を強化するなど、アメリカ一辺倒だった外交姿勢を見直す必要があるかもしれません。
まとめ
ゴールドは通貨の価値が低下する中で、資産価値を維持する手段として注目されています。中央銀行や中国の投資家による大量購入、そしてトランプ政権の関税政策により、金価格は今後も上昇する可能性が高いです。個人投資家は長期的な視点を持ち、資産の一部を金や銀などの実物資産に配分することを検討すべきでしょう。
世界経済の不確実性が高まる中、金融政策や中国の動向に注目することが重要です。特に中国の金取引は世界の金価格に直接影響を与えるようになっており、今後の分析にはこの視点も欠かせません。