PIVOT TALK BUSINESS
世界不況が来ても、住宅価格は安定的
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2025年4月12日

トランプ関税ショックは不動産マーケットにどのような影響を与えるのか? これからの不動産投資戦略はどう考えるべきか? TERASS社長の江口亮介氏に話を聞いた。 <ゲスト> 江口亮介/TERASS CEO 慶應義塾大学経済学部卒業。2012年にリクルートに新卒入社し、SUUMOの広告企画営業として約...
トランプ関税ショックで不動産市場はどうなる?専門家が解説
不動産市場は株式市場と異なり、景気変動に直接的な影響を受けにくいという特性がある。トランプ関税ショックによる世界不況の懸念が高まる中、日本の不動産市場はどのような影響を受けるのだろうか?TERASS社長の江口亮介氏に詳しく聞いた。

不動産市場への影響は「エリアによって大きく異なる」
Q: トランプ関税ショックが日本の不動産市場に与える影響について、どのように見ていますか?
不動産市場への影響を考える上で、3つの重要なポイントがあります。
1. 金利の影響:景気後退局面では金利上昇が抑制される傾向があります。住宅ローン金利が上昇傾向にあった中で、金利上昇圧力が弱まることは実需の不動産市場にはプラス要因となります。
2. 円高進行の影響:円高が進むと外国人需要が強いエリア(超都心部や別荘地など)は弱含む可能性がありますが、日本の不動産は国際的にまだ割安という見方もあります。
3. 建材価格の影響:アメリカからの木材輸入に関税がかかれば、建築コストがさらに上昇する可能性があります。その場合、新築供給が減少し、中古不動産の需要が高まる可能性があります。

結論としては、市場全体としての大きな暴落は考えにくく、エリアによって影響が大きく異なるでしょう。
株価と不動産価格の関係性は地域によって異なる
Q: 株価変動は不動産価格にどのような影響を与えますか?
興味深いことに、地域によって株価と不動産価格の連動性は大きく異なります。首都圏全体の不動産価格はリーマンショック時もそれほど大きく下落せず、株価との連動性は低いです。
一方、都心3区(中央区・港区・千代田区)の不動産価格は日経平均株価との連動性が高いというデータがあります。これは資産を持つ投資家層や外国人投資家が多く購入する市場であるためで、株価下落の影響を受けやすい傾向にあります。
つまり、自分がどこの物件を検討しているかによって、株価変動の影響度合いは大きく変わってくるのです。
外国人投資家の動向と日本不動産の魅力
Q: 外国人投資家の動向は今後どうなると見ていますか?
日本の不動産は国際比較するとまだ割安な水準にあります。東京の不動産価格は香港の1/3程度、ロンドンの半分程度、ニューヨークの40%弱という状況です。また、政治的安定性や治安の良さも評価されています。
北米の投資家は不安定な状況では大きな投資を控える傾向があり、一部は円高が進めば日本の不動産を売却してドル資産に戻す動きも出るでしょう。
一方、中国からの投資家需要は依然として旺盛です。中国国内の不動産市場が不安定な中、資産を海外に分散させたいという富裕層のニーズが強く、東京の不動産は上海や香港より割安という認識があります。
建築コスト上昇が不動産市場に与える影響
Q: 建築コストの上昇は市場にどのような影響を与えますか?
建築コストは2015年比で約1.3〜1.4倍に上昇しており、これが不動産価格上昇の背景の一つになっています。関税による材料費上昇でこの傾向がさらに強まる可能性があります。
建築コスト上昇の結果、新築住宅の供給が減少し、中古物件の需要が高まる効果が生じています。2010年代前半には首都圏で10万戸程度供給されていた新築マンションが、現在は3万戸を下回るレベルまで減少しています。
供給が減少する一方で東京への人口流入は続いているため、中古不動産市場は底堅さを保つ可能性が高いです。

不動産購入のタイミングをどう考えるべきか
Q: このような状況下で、不動産購入を検討している人はどのように考えるべきですか?
基本的な考え方として、住宅が必要な人にとっては資産性の高い物件を早く購入することをお勧めします。市場タイミングを完璧に読むことは専門家でも困難であり、待っている間の賃料コストを考えると、適切な物件が見つかったら購入する方が経済的に合理的なケースが多いです。
ただし、年収の将来性や購入物件のタイプによって、以下のように分類して考えるとよいでしょう:
1. 年収上昇が期待でき、資産性の高い物件を購入する場合:変動金利で予算いっぱいの購入も検討可能
2. 年収上昇が期待できるが、資産性があまり高くない物件の場合:変動金利でもやや控えめの予算で
3. 年収上昇が期待しにくく、資産性の高い物件を購入する場合:固定金利を活用
4. 年収上昇が期待しにくく、資産性も高くない物件の場合:無理して購入せず、賃貸も選択肢に
株価と連動性が高い都心部の物件では、株価下落によって一時的に10%程度の価格調整が起きる可能性はありますが、長期的には人口流入が続く限り回復する可能性が高いです。

投資目的の不動産購入について
Q: 投資目的で不動産を購入する場合の考え方を教えてください
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの商品に対してローンを活用することで、小さい資金で大きなリターンを得られる可能性がある点が魅力です。
投資目的なら、銀行の評価が得やすい一棟物件(アパートなど)を検討するのが良いでしょう。例えば、年収1,000万円から2,000万円程度の人が検討するなら、国道16号線内側の駅徒歩10分圏内、10戸程度の物件が候補になります。価格帯は8,000万円から1億2,000万円程度で、利回りは6〜7%、金利支払い後の実質利回りが3〜4%程度となるものが理想です。
ただし、不動産投資は「会社経営」と同じ感覚で取り組む必要があり、誰にでも勧められるものではありません。まずは自宅の購入から始めて、その後に投資を検討するステップが現実的です。
今後の見通しとまとめ
Q: 総括すると、トランプ関税ショックの日本不動産市場への影響はどうなりますか?
不動産市場は株式市場よりも変動が緩やかで、特に実需の住宅市場は大きな暴落に見舞われることは少ないです。今回のショックでも、以下のような相殺効果が働くと予想されます:
- 金利上昇の抑制というプラス効果
- 一部の投資物件で売りが出るというマイナス効果
- 建築コスト上昇による新築供給減少という中古物件へのプラス効果
特に首都圏の住宅市場はこれまでも経済ショック時に底堅さを示してきました。都心部の高級物件市場は株価との連動性が高く、一時的な調整はあり得ますが、日本の不動産は国際的にまだ割安という見方も強いです。
結論として、「エリアと物件タイプによって影響は異なるが、市場全体として大きな暴落には至らない」という見方が妥当でしょう。実需の購入者は買い時を過度に気にするよりも、適切な物件と資金計画で購入を進めることが賢明です。