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玉木雄一郎と分析する、SNS政治のリアル
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2025年4月7日

世界各国の政治がSNSの誕生により大きく変容している。今、YouTubeなどにより政治の最前線はどう変わっているのか?最新データを分析しながら、国民民主党の玉木雄一郎代表と、SNS政治のリアルと未来を議論した。
データで見る政治のリアル:YouTubeが変える選挙戦略
ネット選挙がますます重要性を増す現代。特にYouTubeを中心としたSNS活用が、政治の世界でどのような変化をもたらしているのか。国民民主党の玉木雄一郎代表に、データから見る政治のリアルについて話を聞いた。



Q: 政治におけるSNS活用は世界的にどのような状況ですか?
アメリカでは2024年の政治広告支出において、なおテレビが7割以上を占めており、デジタル広告は25%ほど。そのデジタル広告の内訳として、コネクテッドTV(ネットにつながるテレビ)が約5割を占め、SNS広告は17.5%程度まで減少している。
実はアメリカは基本的に日本の10年先を行っているといわれる。日本がSNS選挙の全盛期を迎えつつある一方で、アメリカはすでに次のステージに進みつつある状況だ。
一方でヨーロッパでは異なる発展を遂げており、「ボートマッチ」と呼ばれる政党マッチングサービスが主流となっている。これは政策に関する質問に回答すると、自分に最も合った政党を紹介するサービスで、ドイツでは有権者の25%、オランダでは50%以上が利用している。
日本はアメリカとヨーロッパの中間的な発展を遂げており、2021年の衆院選では350万人がボートマッチを利用した。

Q: 日本の有権者はどのメディアを参考に投票しているのでしょうか?
最新のデータによると40代以下はインターネットを最も参考にして投票している。50代以上ではテレビが一番だが、インターネットが2番手となっており、投票時の情報源としてインターネットが主流になりつつある。
インターネットの中では、ネットニュースが最も多く、次いで選挙情報サイト、Twitter(X)、YouTubeの順となっている。特に注目度の高い選挙においてはYouTubeの影響力が増している。
これらのメディアは相互にリンクしており、例えばTwitter(X)での発信が既存メディアに取り上げられてネットニュースになったり、YouTubeの内容が地上波で紹介されたりするなど、複合的な情報の流れが生まれている。
Q: 国民民主党はなぜYouTubeで成功したのですか?
玉木代表は「小さな野党は地上波テレビや新聞に取り上げられにくくなる」と指摘。そのため、自分たちの主張を届けるために「たまきチャンネル」としてYouTubeを活用し始めた。現在では60万人弱の登録者を獲得している。
その結果、40代以下の若い世代の間で支持率が上がってきた。インターネットを多く利用する20代では約20%の支持率を獲得している一方、70代以上では約4%にとどまる。
YouTubeで拡散し、選挙で成果を上げることで地上波メディアにも取り上げられるようになり、高齢者層にも認知が広がるという好循環が生まれている。
Q: YouTube上での各政党の状況はどうなっていますか?
2024年2月から3月の直近30日の関連動画再生数を見ると、自民党が最も多く、次いで国民民主党、日本維新の会、公明党、れいわ新選組と続いている。
しかし興味深いことに、自民党と維新に関する動画はほぼネガティブな内容となっている。ポジティブな内容の動画が多いのは国民民主党とれいわ新選組だけだ。
また、各政党の動画のキーワード分析を行うと、自民党の動画でも「玉木雄一郎」というキーワードが中心付近に出てくるなど、ほとんどの政党のキーワードクラウドの中に国民民主党のキーワードが含まれている。これは直近1ヶ月でYouTube上の政治の中心が国民民主党だったことを示している。
唯一の例外はれいわ新選組で、そのキーワードクラウドには「山本太郎」が中心にあり、れいわ関連のキーワードのみで構成されている。
Q: YouTube上で拡散されるのはどのような動画なのですか?
2024年の衆院選の時に、YouTubeの関連動画を分析した結果、政党による投稿が33%、候補者個人による投稿が7%、残りの60%は第三者による投稿だった。政党による33%のほとんどは広告で、オーガニック(自然に拡散された)動画で見ると第三者の投稿は約8割を占める。
動画の長さ別で見ると、60秒以下のショート動画ではれいわ新選組の動画が最も再生回数が多く、中長尺の動画では国民民主党が最も強い。れいわ新選組はTikTokの活用も得意で、山本太郎代表のキャッチーな言葉が短い動画に向いているという分析もある。
Q: コンテンツマーケティングの観点から見て重要なのは何ですか?
玉木代表は「基本的にコンテンツマーケティングだ」と強調する。いくら手法を工夫しても、メッセージや政策が伝わらなければ意味がない。
国民民主党の手法として、高額な制作費をかけずに多数の動画を試し、反応の良いものを残していく「ABテスト」を繰り返しているという。「1万円程度でつくるコンテンツを10個、100個作って、バンバン当てて、良いものは残していく」というスタートアップ的な手法だ。
また、拡散されるには「熱量」が重要で、「選挙は熱伝導」だと指摘。発信するメッセージや動画に熱がなければ拡散されないという。
Q: ネット選挙の課題は何ですか?
エコーチェンバー(同じような意見しか見なくなる現象)の問題がある。アルゴリズムによって、自分の好みの情報だけが表示されるようになり、思想や信条の形成プロセスに影響を与える可能性がある。
この課題に対して、「情報的健康(インフォメーションヘルス)」という概念が提案されており、利用者に幅広い情報を提供するというプラットフォームの責任が議論されている。例えば、アルゴリズムが偏っていることを公表する義務をかけるなどの対策が考えられる。
また、偽情報の問題も深刻だ。法律上は罪に問われるが、実態としては取り締まりが追いついていない状況で、選挙が終わってしまえば「やったもの勝ち」になりがちだ。
Q: 今後のネット選挙はどうなっていくと思いますか?
従来のテレビを中心とした広告代理店モデルは終焉を迎えつつある。YouTubeやSNSの活用がさらに広がり、政治家自身がデジタルでの発信力を高める必要性が増している。
一方で、高齢の政治家にとっては、リアルな活動に加えてネット活動も求められ、しかも委託できずに自分たちで行わなければならないというハードルの高さがある。
このような状況の中で、政策のわかりやすさや発信の熱量、オリジナリティが今後の政治活動において一層重要になっていくだろう。