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政治が酷いままなら、日経平均は3万6000円
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2025年3月30日

日経平均の低迷が続いているのか?「政治が酷すぎる」と語るマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに、日経平均が4万円を回復するための条件を聞いた。 <ゲスト> 広木隆|マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 上智大学外国語学部卒。神戸大学大学院・経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。社...
米国自動車関税で株価はどう動く?日本株上昇のカギは政治が握る
トランプ政権が打ち出した自動車関税の発動に市場はどう反応したのか。これからの日本株式市場の見通しはどうなるのか。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストに聞いた。

自動車関税のニュースで株価は一時的に反応したが、すでに消化済み
Q: トランプ政権による自動車関税の導入は株式市場にどのような影響を与えましたか?
短期的には市場は反応したが、すでにその影響はほぼ消化されている。自動車関税のニュースは2024年3月27日に日本に伝わり、その日は日経平均が200円程度下落した。しかし、これは自動車関税だけでなく、半導体株なども別の材料で売られたためだ。
特筆すべきは、日本株全体を表すTOPIXは同日上昇しており、自動車関税のニュースで日本株全体が下がったわけではない。これは自動車株の下落を金融株の上昇が打ち消したためだ。
最も影響を受けるはずのトヨタ自動車も、午前中は売られたものの、午後には下落幅を縮小し、最終的にその日の高値で引けた。つまり、市場はすでにこのニュースを一日で消化したと見るべきだろう。
翌3月28日の大幅下落は自動車関税の余波ではなく、主に配当落ち日だったことや期末要因による売りが重なったものだ。
自動車関税は経済にマイナスだが、予想外の恩恵を受ける企業も
Q: 自動車関税の経済的影響はどの程度でしょうか?
関税は単純に言えば税金であり、良いことは一つもない。税金を払うのは民間企業と間接的には消費者だ。徴収するのは政府だけが得をする構図になる。
トランプ政権の狙いは「アメリカに製造業を呼び戻す」ことだが、実際には関税に例外がないため、アメリカの自動車メーカーであるGMやフォードにも影響が及ぶ。彼らもコストの安いメキシコなどで生産し、アメリカに輸入している部分があるからだ。
これにより、アメリカ国内の自動車価格が全体的に上昇すれば、消費者は車の購入を控えるか、より燃費の良い車を選ぶようになる可能性がある。そうなると、ハイブリッド車に強いトヨタなどの日本メーカーが思わぬ恩恵を受ける可能性もある。
日本車の中でも、日本国内で生産して輸出している、またはメキシコにしか生産拠点がないメーカー(マツダなど)は厳しい状況になるかもしれないが、トヨタのような大手は相対的に選ばれる可能性がある。
日本株の上値が重い3つの要因
Q: 日本株の見通しについてはどう考えていますか?
日本株の上値が重い要因は3つある。
1. 割高な米国株の調整が始まったこと
2. 日銀の金融政策スタンス
3. 日本の政治の低レベル化
この構図が大きく変わらない限り、日本株は伸び悩む可能性が高い。特に2つ目と3つ目の要因は日本国内の問題であり、これらが改善されれば株価上昇の余地がある。
日銀の利上げは経済実態に合っていない
Q: 日銀の金融政策についてはどう評価していますか?
日銀は2024年度内にさらに2回の利上げを行う可能性があるが、これは経済実態に合っていない。
現在の日本のインフレは主に食料品価格の上昇によるものだ。これは天候不順による生鮮食品の価格変動や、ロシア・ウクライナ戦争の影響による小麦価格の上昇など、日銀の金融政策ではコントロールできない要因によるものが大きい。
また、円安による輸入物価の上昇は一時的なものだった。円は一時160円台まで円安が進んだが、その後140円台まで戻した。これにより輸入物価は今後マイナスに寄与する可能性がある。
サービス価格も上昇していない。食品・エネルギーを除いたコアインフレは1.5%程度で、日銀の目標である2%に届いていない。これは企業が賃上げ分を最終価格に転嫁できていないためだ。
つまり、日銀が利上げを続けるのは、「利上げすること自体が目的化している」としか思えない。利上げによって物価上昇を抑制するという本来の目的とは乖離している。
日本株が上昇するシナリオは「政治の変化」にかかっている
Q: 日本株が上昇するシナリオはありますか?
日本株が上昇するためには、政治の変化が必要だ。石破政権が短命に終わり、次の政権で積極財政を推進する政治家(高市早苗氏などを示唆)が首相になるシナリオが注目される。
世界的に見れば、ドイツは長年の財政緊縮から大転換し、国防費を大幅に増額した。中国も景気対策を積極的に打ち出している。
一方、日本の政治は「新成人に10万円の商品券を配る」などの小粒な政策に終始しており、国際的な存在感が薄い。
石破政権が対峙して政治的混乱が起きれば、一時的に市場は売られるかもしれないが、その後の展開次第では大きく上昇する可能性がある。特に積極財政と金融緩和を組み合わせた「アベノミクス再来」のような政策が実現すれば、外国人投資家の関心を引きつけることになるだろう。

日本株の株価見通しは政治と金利次第
Q: 日本株の価格帯の見通しはどうですか?
現在の日本株の適正株価は、金利と企業業績によって大きく変わる。
もし日銀が予定通り年内に2回の利上げを行い、長期金利が2%程度まで上昇し、企業業績の伸びが鈍化すれば、日経平均は3万5000円を割り込む可能性もある。
一方、政治が変わって積極財政が実現し、日銀の利上げが止まれば、日経平均は4万円も視野に入ってくる。
結局のところ、日本株の見通しは「政治がどう変わるか」にかかっている。市場は政治の動向に注目している。
