PIVOT TALK MONEY
ゴールド価格は永遠に上がる。金は最高の円安対策だ
(107)
1.1万回視聴
2025年2月23日

最高値の更新が続くゴールド価格。なぜゴールド価格が上がり続けているのか?このトレンドは続くのか?個人もゴールドを買うべきか?貴金属スペシャリストの池水雄一氏に聞いた。
ゴールドの価格はなぜ急騰?貴金属スペシャリストが解説する「永遠に上がり続ける」投資戦略
歴史的な高値を更新し続けるゴールド価格。現在1オンス2950ドルを超え、さらに上昇する勢いを見せています。なぜこれほどの高騰が続いているのか、またどこまで上がるのでしょうか?貴金属スペシャリストの池水雄一氏に詳しく聞きました。

なぜゴールド価格は上がり続けるのか?
Q: ゴールドの価格が急騰している原因は何ですか?
通貨システムの歴史的背景から説明すると、1971年までは「ブレトンウッズ体制」という経済体制が敷かれていました。この体制下では、ドルは金に裏打ちされた「金本位制」で、1オンス=35ドルと固定されていました。
しかし1971年8月15日、当時のニクソン大統領が突然「ゴールドとドルの交換をやめる」と宣言しました。いわゆる「ニクソンショック」です。これにより変動相場制が始まり、ゴールドと通貨の関係が大きく変わりました。
この54年間で、ゴールド価格は35ドルから約2950ドルへと約84倍になりました。裏を返せば、ドルの価値は約84分の1になったことを意味します。
この根本的な変化により、各国政府は金の量に縛られることなく、自由に通貨を発行できるようになりました。その結果、この50年間で通貨量は約40倍になった一方、ゴールドの量はそれほど増えていません。つまり、増え続ける通貨に対して相対的に希少なゴールドの価値は上昇し続けるのです。

ゴールド価格はどこまで上がる?「永遠に上がり続ける」という予測
Q: ゴールド価格の今後の見通しはどうですか?
「ゴールドは永遠に上がり続ける」と池水氏は断言します。これは現在の資本主義経済システムが続く限り、避けられない流れだと言います。
現代の経済システムは経済成長を前提としており、そのためには通貨量が増え続けることが避けられません。通貨量の増加は通貨価値の希薄化につながり、相対的にゴールドの価値を高めます。
もし経済成長を追わない計画経済のような社会になれば状況は変わるかもしれませんが、現実的にはそのような社会に戻ることはないでしょう。したがって、超長期的な視点(30年、50年)で見れば、ゴールドは上昇トレンドを維持し続けると考えられます。

中央銀行の大量購入が市場を動かす
Q: 最近の急激な上昇の原因は何ですか?
最近の急激な上昇の最大の要因は、世界の中央銀行による大量購入です。特に中国、ロシア、インドなどの新興国の中央銀行がゴールドを積極的に買い増しています。
過去10年間を見ると、2021年までは中央銀行全体の買いは多い年でも約600トン程度でした。ところが2022年以降は1000トンを超える購入が続いています。世界のゴールド年間生産量が約3600トンであることを考えると、その約30%が中央銀行によって購入され、市場から退蔵されていることになります。
Q: なぜ新興国の中央銀行はゴールドを大量に買うのですか?
この現象はロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年から顕著になりました。西側諸国がロシアに対して経済制裁を課し、ロシアが保有する米ドル資産を凍結したことが大きなきっかけです。
この出来事により、ロシアや中国にとって米国債などの米ドル資産を保有することがリスクとなりました。自国の資産が政治的理由で凍結されるリスクを避けるため、米ドル資産からゴールドへの資産シフトが加速しています。
ゴールドの大きな特徴は、政治体制に関わらず世界中でその価値が認められている点です。このため、新興国はアメリカに「首根っこを掴まれない」リスクヘッジとして、ゴールド購入を続けています。
トランプ政権誕生の影響とマーケットの異常な状況
Q: トランプ政権の誕生はゴールド価格に影響していますか?
トランプ次期大統領の発言、特に関税(タリフ)に関する発言はゴールド市場に大きな影響を与えています。トランプ氏は輸入品に関税をかける方針を示していますが、ゴールドに関税がかかるかどうかは不透明です。
通常、ゴールドはほぼ「マネー」と見なされるため、関税対象にはならないと考えられますが、トランプ氏の政策が不確実性をもたらしています。
この不確実性から、市場では異常な状況が生じています。通常、ゴールドの先物価格とスポット価格はほぼ同じになるはずですが、現在はニューヨークの先物価格がロンドンのスポット価格より大幅に高くなっています(通常2ドル程度の差が40ドルにまで拡大)。
この価格差を利用して、トレーダーはロンドンでゴールドを買い、ニューヨークの先物を売るという裁定取引を行っています。その結果、世界中からニューヨークへのゴールドの大量輸送が続いています。
個人投資家にとってのゴールド投資の意味
Q: 日本人にとってゴールド投資はどのような意味がありますか?
日本人にとってゴールド投資は特に重要な意味を持ちます。円安が継続する中、海外旅行などで円の購買力の低下を実感する機会が増えています。
円建てのゴールドを保有していれば、円安が進むほど円建てのゴールド価格は上昇します。さらにドル建てのゴールド価格も上昇しているため、「ダブルで上がる」効果があります。これは円の購買力低下に対するヘッジとして機能します。
Q: 投資ポートフォリオにおけるゴールドの位置づけはどうあるべきですか?
従来の投資ポートフォリオでは債券が一定の割合を占めていましたが、池水氏は「債券よりもゴールドを保有すべき」と明言しています。特に日本の債券は長年にわたり低金利が続いており、投資対象としての魅力が薄れていました。
最近は金利が上昇してきたため債券も考慮する価値が出てきていますが、長期的な資産防衛という観点では、ゴールドの方が重要性が高いと考えられます。
まとめ:ゴールド価格上昇の理由と今後の見通し
ゴールド価格上昇の主な要因は以下のとおりです:
1. 通貨システムの根本的変化(金本位制の終了)
2. 増え続ける通貨量に対するゴールドの相対的希少性
3. 新興国中央銀行による大量購入(政治リスク回避)
4. 地政学的リスクの高まり
5. アメリカの債務増加とインフレ懸念
6. トランプ政権誕生による不確実性
池水氏は、現在の経済システムが続く限り、ゴールドは「永遠に上がり続ける」と予測しています。短期的な上げ下げはあるものの、長期的なトレンドとしては上昇が続くと見ています。
特に日本人投資家にとっては、円安リスクのヘッジとしても有効な投資対象であり、投資ポートフォリオの重要な一部として位置づけるべきだと提言しています。