PIVOT TALK DEBATE
2030年以降に本格化。空き家の急増とマンション大崩壊
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2025年2月18日

「2025年は不動産の転機の年になる」と語る、オラガ総研代表の牧野知弘氏。タワマンバブルは崩壊するのか?2030年以降、空き家急増により不動産マーケットはどう変わるのか?TERASSの江口亮介CEOと論争してもらった。 <ゲスト> 牧野知弘|オラガ総研 代表 1959年アメリカ生まれ。東京大学卒業...
「マンションは永住資産ではない」不動産のプロが警鐘を鳴らす将来のリスク
日本の大都市でも空き家問題が深刻化し、特に築年数を重ねたマンションでは「スラム化」の危険性まで指摘されている。不動産市場のこれからと資産価値について、専門家の江口亮介氏と牧野知弘氏の対談から重要なポイントをまとめた。


Q. 東京でもマンションのスラム化が起こる可能性はあるのか?
東京都内でも現在21万戸の個人住宅の空き家があり、賃貸も含めると90万戸の空き家が存在している。特に懸念されるのは古くなっていくマンションの問題だ。年金だけで生活する高齢居住者が増える中で、大規模修繕費が上昇し、必要な修繕ができなくなっている物件が増加している。
これまでスラム化といえば外国の話と考えられがちだったが、東京の中でもスラム化するマンションや地域が出てくる危険性が指摘されている。具体的な例として、1990年代に多数供給されたワンルームマンションの中には、すでに半分スラム化している物件もある。

Q. なぜワンルームマンションは特に問題が起きやすいのか?
当時のサラリーマンが投資目的で購入したワンルームマンションは、所有者がリタイアした後も持ち続けられているケースが多い。しかし、新しいワンルームマンションの性能が向上したため、古い物件は入居者が減少。その結果、例えば池袋や大塚などのエリアでは、築40〜50年のワンルームマンションでスラム化が始まっている。
ワンルームマンションは管理組合が機能しにくいという構造的な問題もある。投資目的で購入したオーナーが多く、マンションの住環境改善に関心が低いため、管理が難しくなる傾向がある。

Q. ファミリー向けマンションの相続問題とは?
ファミリー型マンションでも、築40〜50年になって所有者が亡くなると相続問題が発生する。相続人がマンションをどうするかという問題が生じるが、毎月の管理費と修繕積立金がかかるため、放置することは経済的に難しい。
売却か賃貸に出すかの選択を迫られるが、流動性が低いマンションでは深刻な問題が起きている。相続人が管理組合に相続の事実を届け出ず、管理費も修繕積立金も支払わないケースがある。管理組合は誰が相続したのか追求できず、滞納が増えていく。
一部の住民は管理費や修繕積立金を真面目に支払っていても、他の住民が支払わない状況では全体の資産価値が下がってしまう。この問題は2030年以降、社会問題になると予測されている。
Q. マンションは永住資産になり得るのか?
マンションは永住資産とは考えられない、というのが専門家の見解だ。マンションを長期間所有し続けるとデメリットの方が多くなる。購入時は住民構成が良くても、30年経つと住民構成が変わり、管理状態も変化する。
自分だけでは意向を通せないというのがマンションの難しい点だ。マンションを購入する場合でも、買い替えを視野に入れるべきで、築年数が40〜50年になると組合での合意形成が難しくなる。
投資目的の市場と実際に住むための市場は区別して考える必要がある。実住ベースの人にとっても、マンションを長期間持ち続けるとデメリットが多くなる点に注意が必要だ。
Q. 不動産購入において重要な基準は何か?
資産性の高い物件を選ぶことが重要だ。立地が良い場所や人気のエリアは、価格が下がる時も下落幅が小さく、上昇時には上昇幅が大きい傾向がある。
「ブランド立地」と呼ばれる評価の高いエリア(青山、麻布、六本木など)は、江戸時代から大名屋敷があった場所であることが多く、災害にも強い立地であることが多い。
単にマンションが堅牢であるだけでなく、周辺地域も含めた安全性が重要になる。最悪の事態を想定した場合、安全性の高い立地を選ぶことが資産価値の維持につながる。
Q. 負け組マンションの将来はどうなるのか?
資産価値が下がったマンションは、建て替えが検討されることもあるが、合意形成の難しさや立地条件によってはデベロッパーが関与したがらないケースも多い。中には悪質なコンサルタントが入り、修繕積立金を持ち去るなどの問題も報告されている。
いわゆる「負け組マンション」は、徐々に住環境が悪化し、さらに資産価値が下がるという悪循環に陥る可能性がある。特に立地が悪い地域では厳しい状況が予想される。
Q. 2030年以降の不動産市場はどうなるか?
2030年以降、首都圏でも大量相続時代を迎え、マンション市場にも大きな影響を与えると予測されている。東京の中心部では、賃貸運用や売却ができるエリアもあるが、立地や物件の状態によっては厳しい状況になる場所も出てくる。
資産性の高い物件は今後も存在するが、それは予算や立地によって異なる。マンション購入を検討する際は、エリア全体ではなく個別の物件の管理状況や立地条件を詳細に調査することが重要になる。
災害リスクも含めて考えると、いわゆる「ブランド立地」の高台に位置するエリアは安全性が高く、万が一の場合でも資産価値が回復しやすい傾向がある。