超予測
【2025年超予測:医療とテクノロジー】AI活用の可能性。通常診察は医師不要に
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2025年2月17日

世界中で投資競争が起きているアンチエイジング。長寿ビジネスの最前線ではどんな研究や取り組みが行われているのか?今後、人間の寿命はどこまで伸びるのか?医師で医療未来学者の奥真也氏に聞いた。 <ゲスト> 福田淳/連続起業家 立ち上げた事業はタレントエージェント事業、アートギャラリー経営、リゾートホテル...
医師不足と安楽死問題、日本の医療はどこへ向かう?ーDX化の必要性と長寿社会の課題
医師不足が深刻化する日本で、安楽死の法制化は考えるべき選択肢なのか。医師で医療未来学者の奥真也氏が、日本の医療制度の現状と未来について語った。健康寿命と実際の寿命の差が9〜10年ある現在、人生の最期の選択肢について議論することの重要性と、医療DXの可能性について考察する。


医師不足と安楽死、避けられない議論なのか
Q: 医師不足と安楽死、この組み合わせはどういう意味を持つのでしょうか?
医師不足を引き起こしている要因の一つとして高齢者医療の問題がある。現代は医療技術が進歩したことで、多くの高齢者が医療の対象となっている。だが世界を見ると既に約10カ国で安楽死を法制化している。これは高齢者の医療ボリュームが増加し続けることが本当に社会正義なのかという問題定義があるからだ。
私は安楽死を推奨するつもりはないが、この議論をしないまま今の制度を続けることに疑問がある。選択肢があることは豊かなことかもしれない。例えば健康寿命と実際の寿命の間に9〜10年の差があり、その間寝たきりになる可能性を考えると、選択肢の存在自体は重要だ。
長生きの価値とは何か
Q: 長生きしたいと思う理由は何でしょうか?
好奇心の存在が大きい。地球上の自然や楽しさをすべて満喫して終わりたいと思うなら、80年という寿命は全然足りない。好奇心リストの半分も達成できないのは悔しい。
人類の歴史は「暇を作る歴史」だったと考えている。テクノロジーの進化によって生まれた暇な時間をどう過ごすかは、好奇心がない人にとっては辛いものになる。だからこそ、知的好奇心を得られる楽しいことと、健康の基本が整っていることが理想的だ。

「働く」の概念を変える必要性
Q: 100歳まで生きるとして、何歳まで働くべきでしょうか?
働くという概念自体を変える必要がある。働くイコール楽しくないこと、お金と交換する作業という考え方を変えなければならない。楽しい仕事が最高のアンチエイジングになる。
日本ではサラリーマン比率が高すぎる。自営で働いている人が多い国では、「いつまで働くか」という議論自体が起きにくい。生きることと働くことが自然につながっている。スタートアップなどが増え、働き方の選択肢が増えることが重要だ。

AIが医療を変える
Q: AI技術は医療をどう変えていくのでしょうか?
放射線科医として画像診断を行っていた経験から言うと、その領域ではAIが人間を超えている。例えば「ウォーリーを探せ」のようなパターン認識は、コンピュータの方が圧倒的に優れている。
今はまだ制度の問題で医師による最終確認が必要だが、それは時間の問題だ。自動運転が普及しつつあるように、医療のプロセスも人がいらなくなる領域が増えていく。特に初期診察は5年くらいでAIに代替される可能性が高い。
医療DXの必要性
Q: 日本の医療制度の問題点は何でしょうか?
日本の医療制度は贅沢で素晴らしい制度だが、維持するには工夫が必要だ。病院のデジタル化が遅れている問題もある。例えば予約時間があっても2時間待たされるなど、サービス業としての質が低い。
また、そもそも病院というのは病気の人を一カ所に集めるという感染症対策の観点から見ると問題がある設計だ。本来は遠隔で行うべきだが、テクノロジーがなかったから物理的に集まっていた。これからはDXを活用して、必要のない対面診療を減らしていくべきだ。
ウェアラブルデバイスと健康管理の未来
Q: 健康データを自然に取得する方法はありますか?
オーラリングやアップルウォッチなどのウェアラブルデバイスに加え、家の洗面台に健康データを測定するセンサーを設置することも考えられる。さらに、駅やコンビニなど人が必ず通る場所にセンサーを設置して、社会インフラとして健康データを収集できるようになるといい。
今はまだオーラリングなどで取得したデータが医療機関で十分に活用されていないが、将来的には自宅でのデータ取得だけで診察不要になる可能性がある。スマートシティ化が進む中で、交通だけでなく医療も組み込んでいく必要がある。
医療情報と詐欺的治療法の問題
Q: 健康や医療の情報について気をつけるべき点は何ですか?
特に癌などの治療で、標準治療を受けずに自由診療の怪しい治療に手を出す人がいる。お金があるから特別な治療を受けたいという心理が働き、ネットで少し調べただけで判断してしまう。
問題なのは、一度そうした情報を検索すると、アルゴリズムによって同様の情報がどんどん表示されるようになりフィルターバブルに陥ることだ。健康系の詐欺的な情報については、もっと規制が必要かもしれない。
未来の介護はどうなるか
Q: 未来の介護はどう変わっていくのでしょうか?
介護は医療以上に今既に問題になっている。2025年問題と言われ続けてきたが、いよいよその年が来る。タクシー運転手やコンビニ店員も足りない時代に、介護人材の不足はさらに深刻だ。
この問題を解決するには、DXを活用するしかない。ロボットを活用した介護をもっと普及させる必要があるが、日本人は「人による介護」にこだわり過ぎている。コンビニのセルフレジのように、介護もテクノロジーを活用した効率化が必要だ。
まとめ:健康管理と医療制度の未来
医師不足と高齢化が進む日本では、医療DXの推進と制度改革が急務だ。AIによる診断、ウェアラブルデバイスによる健康管理、遠隔医療の普及など、技術の活用で効率化を図る必要がある。
同時に、「働く」という概念の変革や、人生の最期における選択肢についても社会的議論が必要だ。健康で長く生きることは素晴らしいが、その前提として日本の医療制度を持続可能にするための改革が不可欠である。
