超予測
【2025年超予測:アンチエイジング】長生きの限界は120歳か?
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2025年2月16日

世界中で投資競争が起きているアンチエイジング。長寿ビジネスの最前線ではどんな研究や取り組みが行われているのか?今後、人間の寿命はどこまで伸びるのか?医師で医療未来学者の奥真也氏に聞いた。 <ゲスト> 福田淳/連続起業家 立ち上げた事業はタレントエージェント事業、アートギャラリー経営、リゾートホテル...
人生100年は現実的?ロンジェビティビジネスの現在と医療の未来
今や"人生100年時代"は珍しくない言葉となりました。しかし、長寿を目指すロンジェビティビジネスの実態や、本当に100歳まで生きることが可能なのかについては、まだ多くの疑問があります。医師で医療未来学者の奥真也氏に、長寿ビジネスの現状と医療の将来についてお話を伺いました。


ロンジェビティとは?100歳は現実的な目標なのか
Q: ロンジェビティとは具体的にどういう意味ですか?
ロンジェビティとは「長生き」のことで、長生きビジネスとも言えます。人生100年時代という言葉が浸透し始めている今、多くの人が100歳までの長寿を現実的な目標と考え始めています。
Q: 医学的に見て、100歳まで生きることは実現可能なのでしょうか?
100歳は比較的達成可能な目標です。現在の医学的コンセンサスでは、すべてを完璧に実践した場合の人間の寿命の限界は約120歳とされています。実際に100歳を超える高齢者は珍しくありませんが、120歳を超える人はほとんどいません。ただし120歳に到達するには、アルコールや喫煙などを完全に避けるという厳格な生活習慣が必要です。

Q: 長生きするために今すぐ実践できることは何ですか?
目標設定が非常に重要です。「100歳まで生きる」という明確な目標を持つことで、それに向けた行動が取りやすくなります。日野原重明先生のように、何年も先の診察予約を入れることで「死ねない」という気持ちを持ち続けることも一つの方法です。
また、楽しく仕事をすることも大切です。単に長生きすることだけが目標ではなく、その間の生活を楽しむことが重要です。特に自分が楽しいと感じる仕事をすることは、長寿に直結します。
Q: 平均寿命と100歳まで生きることの違いは何ですか?
近年、寿命のばらつきは減少傾向にあります。交通事故やがん、急性疾患など特別な原因で若くして亡くなるケースを除けば、多くの人が高齢まで生きられるようになっています。医療の進歩により、疾患で若くして命を落とすリスクが減少したため、平均寿命と100歳到達の可能性の差は縮まっています。
ロンジェビティビジネスの現状は?
Q: 具体的に、ロンジェビティビジネスではどのような技術開発が進んでいるのですか?
現在、長寿に関する研究開発は大きく分けて4つの分野があります。最も投資が集まっているのは「細胞のリプログラミング」で約43.9億ドルの投資がされています。これは細胞の老化現象を止めたり若い状態に戻したりする技術です。
2番目は「長寿研究プラットフォーム」で約40.7億ドル、3番目は「再生医療」で約37.8億ドルの投資がされています。再生医療は現在の技術で実現可能性が高い分野として注目されています。理想的には細胞のリプログラミングが実現すれば最も効果的ですが、まだ時間がかかるため、当面は再生医療が主流になると考えられています。
Q: がん治療の進歩により「死ねない時代」が来るという話もありますが、本当ですか?
2035年頃までにがんの大半が治療可能になると予測されています。医療の進歩により、がんと診断されても数年、あるいは何十年も生存することが当たり前になるでしょう。それにより、予期せぬタイミングで命を落とすことが減り、人生の計画が立てやすくなります。
むしろ、がんのように終末期の見通しが立つ病気になった方が、残りの人生を計画的に過ごせるという意味で「良い」と感じる時代が来るかもしれません。これは医師が不謹慎に聞こえるかもしれませんが、予期せぬタイミングで死ぬと、やり残したことが出てくるため、計画的な時間を持てることの価値は大きいのです。

超診断学と肥満治療薬の流行
Q: 超診断学とはどのようなものですか?
超診断学は、単にDNA検査だけではなく、生活データも含めた総合的な診断を行う分野です。ゲノム(遺伝子情報)だけでなく、エピゲノム(遺伝子の発現を制御する仕組み)も重要視されるようになっています。エピゲノムは食事や生活習慣によって変化するため、昭和の時代から医師たちが推奨してきた健康的な生活習慣の重要性が科学的に裏付けられるようになりました。
Q: 最近流行している肥満治療薬はどのように評価されていますか?
現在流行している肥満治療薬の多くは、元々は糖尿病治療薬として開発されたものです。真に肥満症と診断された人や糖尿病患者にとっては有効な治療法ですが、単に「痩せたい」という美容目的で使用することについては、その価値を考える必要があります。
Q: なぜ人は「痩せている方が良い」と考えるのでしょうか?
これは長年にわたって植え付けられた価値観です。特にメディアの影響が大きく、テレビに出演する芸能人やアイドルのほとんどは痩せ型です。しかし最近では、特にアメリカなどで「標準体型」や「ぽっちゃり体型」も認められる傾向が出てきています。例えば、アメリカの百貨店のウィンドウディスプレイでは、極端に痩せたマネキンはなくなり、標準体型と少し太めの体型のマネキンが並ぶようになっています。
Q: 糖尿病は将来解決する病気なのでしょうか?
2040年頃までに糖尿病の社会問題化は解決するかもしれませんが、完全に消滅するわけではありません。医師が治療に努め、製薬会社が薬を開発しても、最終的には患者本人の行動変容がなければ治らない病気だからです。しかし、社会問題となるほどの患者数は減少し、管理可能な疾患となるでしょう。
医師不足問題と医療の将来
Q: 医師の専門分野の偏りが問題になっているそうですが、現状はどうなっていますか?
医師が自由に専門分野を選べる「職業選択の自由」により、収入が良いか、働きやすい分野に医師が集中する傾向があります。特に美容外科などの自由診療が可能な分野や都市部の医療機関に医師が集中し、地方や救急医療などの分野で医師不足が生じています。
Q: 韓国では医師不足対策として何が行われたのですか?
韓国政府は医学部定員を大幅に増やす政策を実施しましたが、既存の医師たちが「自分たちの価値が下がる」としてボイコットを行い、病院が機能しない事態に発展しました。結果的に、医学部定員は増えたものの、実際に働く医師は減少するという皮肉な状況になっています。
Q: 日本の医師不足問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか?
一つの案として、美容外科などの自由診療分野で働く医師に対して高い税率を課すことで、収入の偏りを調整する方法が考えられます。これにより、他の専門分野を選ぶ医師が増える可能性があります。根本的には、医師の職業選択の自由を尊重しつつも、社会的に必要な分野に医師を適切に配分する仕組みが必要です。
Q: 奥真也氏が医療の未来を考えるようになったきっかけは何ですか?
奥氏は長年病院で働いた後、製薬会社などで働く経験を通じて、医療を異なる視点から見るようになりました。医師としての視点と、製薬会社などの商業的視点の違いに気づき、それぞれの立場からの医療の捉え方の違いを観察するようになりました。
また、医師は自分の専門領域以外の医療知識が意外と少ないことにも気づき、医療全体を俯瞰する視点の重要性を感じるようになりました。そこから医療の未来についての著書を執筆するようになり、医療界全体の変化を予測する活動を続けています。