PIVOT TALK FOOTBALL
2025年Jリーグ。優勝候補クラブを徹底分析
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2025年2月16日

2月14日、15日、16日に開幕戦を迎えるJリーグ。注目点はどこか?優勝チームはどこか?注目のチーム、選手、監督は? PIVOT FOOTBALLのレギュラーメンバーが展望する。 <ゲスト> 木崎伸也|スポーツライター 1975年、東京都生まれ。2002年夏にオランダへ移住。翌2003年から6年間...
2024年Jリーグ注目チーム大予想!専門家が徹底分析する戦力と戦術
サンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸、浦和レッズなど、専門家が予想する注目チームの戦力を徹底分析。新加入選手の影響から監督の戦術まで、2024年シーズンの見どころを大公開!
サンフレッチェ広島はピンポイント補強で最強チームに?
Q: 広島の特徴と補強についてどう見ていますか?
広島はチームの形がしっかりある中でのピンポイント補強が素晴らしい。ジャーメイン料と田中智樹は昨シーズン、ジュビロ磐田と湘南ベルマーレでそれぞれ中心選手だった。田中智樹は配給力が高くボールも奪えて前にも出ていける。ジャーメイン料は前で収められるし得点も決められる。前を向いてシュートまで行く力や周りを使う力も高い。
懸念点としては、スリーバックの両サイドがかなりベテラン選手なので、けがで交代せざるを得ない状況になった場合のクオリティの差がどれくらいになるかという点。ただ、無理して繋ぐことはせず、自分たちの形をしっかり持っている。5バックだが前からプレスに行きつつ、撤退した時もコンディションが悪くなければしっかり守備を固められる。控えの層も厚い広島は本当に良いチームだ。
Q: 田中智樹選手も夏に海外移籍の可能性があるという話がありますが?
広島は昨シーズン、大橋選手を湘南から獲得して夏に海外移籍させた。これは広島の強化スタイルであり、選手が移籍してもそのお金で別の選手を獲得するという循環を作る方針だ。契約書に「海外からオファーがあった場合は移籍できる」という条項を入れていたり、それを理解した上で獲得し循環させていくという方針なので、田中選手も夏に抜ける可能性はある。
ただし、川辺駿選手や三浦選手など控えの選手もしっかりいるので、途中で移籍者が出ても大崩れはしないだろう。スーパーカップを見ても、チームとしての戦い方がしっかり定まっていて、自分たちに自信を持った戦い方をしていた。
広島は外国人枠も残しているので、夏の補強も期待できる。田中選手が半年で移籍するなら税金面でも有利に働く部分もあり、シーズン後半のブーストも考えられる。
Q: ジャーメイン料選手は広島の戦術にフィットしますか?
スーパーカップを見る限り、すでにフィットしている印象だ。彼は大きな体を持ちながらも、足元が硬くなく、ボールコントロールも良い。周りを活かす上でも大事な要素で、ジャーメイン選手にボールを預けると前を向けるので、加藤選手や虎牙選手が出ていったり、ボランチも前に出やすくなる。川辺選手も田中選手もそういうプレーができるので、ジャーメイン選手は本当に良い補強だと思う。

ヴィッセル神戸の課題は主力の代役不足?
Q: 優勝候補とされるヴィッセル神戸はどうですか?
神戸はレギュラーに新戦力がいない。おそらく予算の事情があるのだろう。イニエスタが抜けた分のお金を分散させれば多くの選手を獲得できるが、そういうことはせず、現状の選手を信頼している。
ただ課題もある。大迫勇也や武藤嘉紀、宮代大聖などがけがした時に、同等のクオリティを担保できる選手やポジション争いができる選手がいない。これは金銭的な問題と、「神戸に行っても出場機会があるのか」という選手側の懸念もある。さらに神戸は方針として「日本人選手には移籍金を積んで獲得しない」という姿勢のようだ。
Q: 神戸の大迫選手は特別な存在ですか?
スーパーカップを見ると大迫選手や扇原貴宏選手などのベテラン勢が出ている時と出ていない時で、チームの戦い方のクオリティに大きな差がある。大迫がいないと、どう守備するか、どう攻撃するかという「コンパス」がなくなってしまう印象だ。
吉田監督のチーム作りはボトムアップ的なので、選手が入れ替わるとかなり変わってしまうのが手腕の落とし穴かもしれない。神戸の強みは、大迫にボールを当ててキープさせ、そこから武藤が走り出すという形。これに前川黎斗のようなキックの良いキーパーがいて、スタメンのメンバーで「こういう戦い方」というのが脳みそで繋がっているような感じがする。
控え選手が増えると、それぞれの持ち味が違うため、どういうサッカーをすべきかが分からなくなってしまう状況が見られる。
Q: 神戸の大迫選手は代表に呼ばれる可能性はありますか?
大迫選手が代表に呼ばれるとしたら、ワールドカップイヤーの最後の半年くらいだろう。森保監督は組織へのコミットメントと強度を重視している。大迫はバックアップメンバーとして呼ばれて断ったこともあり、そういった経緯も影響している。
でも人間としての強さ、「ソルジャー力」という点では大迫は抜群だ。前線の「将軍」のような存在で、武藤選手も同様に高い。こういう選手がいることで、神戸は苦しい時間を乗り切る力が強い。この「将軍」としての力が上田綺世選手にはまだない。この「将軍」としての力はレヴァンドフスキのような長年生き残るストライカーが持っている特性だ。
神戸の強みは、トゥーレルや山川選手というセンターバックのレベルの高さや、酒井高徳のようなサイドバックも含めて、個人の能力で抜けた選手が多いこと。ただ元日本代表の初瀬亮選手が抜けたことは痛手で、特にセットプレーでの影響が大きい。

町田ゼルビアは黒田監督の試練の年
Q: 町田ゼルビアについてはどう評価していますか?
町田は今シーズンが勝負の年だ。昨シーズン終盤は対策されたこともあり、主力選手の怪我や移籍もあった。今季は補強とチームの戦い方をより浸透させることが重要になる。倉田監督にとってはFC町田ゼルビアへの就任から3年目で、期待される一方で試練の年になるだろう。
町田も広島同様、ピンポイントの補強が優れている。エリキの枠は西村選手と思われ、中盤には判断力や戦術理解力が高く攻撃的な前線を取っている。ディフェンスには岡村選手を獲得した。このメンバーなら4バックも3バックも両方対応できる。
倉田監督は就任以来、自分の哲学に合わない選手を出しながら、自分のサッカーや考えに合った選手を獲得してきた。そのため説得力も増してきている。補強でもしっかりサポートされた上で、相手チームも町田と倉田監督のサッカーの特徴を知っていて、それを乗り越えていけるかというシーズンになる。
Q: 町田のヘッドコーチが変わったことの影響はどうでしょう?
有馬さんという広島出身のコーチが新たに就任した。練習試合でも有馬さんがピッチ上でミーティングをしたり仕切ったりしている。以前の妙石コーチとは、サッカーの考え方が違う印象がある。妙石コーチはトスでボールを持った人がどんどんポジションチェンジして押し込むサッカーを志向していたが、有馬コーチの広島時代のサッカーの方が倉田監督の哲学に合っていると感じる。
「見せる」部分を少し排除して結果を重視するサッカーなので、今シーズンは倉田色が出やすくなるのではないか。
Q: 町田の中盤について、相馬選手はチームにフィットしていますか?
昨シーズン途中に加入した相馬選手は、チームにフィットしていると思う。比較対象が平川選手なので比べられがちだが、相馬選手は能力的には確実に出場に値する。柴戸選手の怪我は痛いが、中盤では相馬選手をインサイドハーフとして使ったり、ダブルボランチの場合は白崎選手やドレシェビッチ選手を入れたり、中山選手を上げたりといった対応も考えられる。
西村選手やおセフン選手、藤尾選手、デューク選手など良い選手がいるので、シーズンを通してこれらの選手を状況に応じて使い分けることになるだろう。藤尾選手はメンタル面や終盤の走りこみが課題だったが、シーズンを通して成長が期待される。

鹿島アントラーズはレオ・セアラと鈴木優磨のツートップが脅威に
Q: 鹿島アントラーズはどんなチームになりそうですか?
レオ・セアラと鈴木優磨のツートップはかなり強力だ。しっかり守備をして、このツートップにボールを当てたり、このツートップを使ったカウンター、あるいは押し込んだ時の安西や凱のクロスからの2人のシュートやヘディングが脅威となるだろう。そのこぼれ球に対して柴崎岳選手やチネイデ選手が再度配給するなど、シンプルなサッカーをするほど良い面が出ると思う。
鈴木優磨選手は「いいストライカー」というよりも「うまいサッカー選手が点も取れる」タイプだ。レオ・セアラが柱としていることで鈴木優磨の全体的な良さが引き出される。鈴木優磨が真ん中にいないと「誰が点を取るのか」という問題が生じていたが、それがなくなるのは大きい。
また、若手の徳田選手も期待できる。体が強く、18歳とは思えない体格の良さがある。レオ・セアラや鈴木優磨の交代や、カップ戦での出場などで経験を積んでいくだろう。
Q: 鹿島の中盤の強度はどうですか?柴崎選手はかなり年を取っていませんか?
柴崎選手が今年どれくらい復活できるかは大きなポイントだ。柴崎選手とチネイデ選手がJリーグの中で悪いとは思わないが、ダブルボランチはスカスカにされたら厳しい。4-4-2でしっかりブロックを組み、1人1人の管理するスペースを狭くできるかが重要だ。
実際は3センター気味にできる形が良いと思う。荒木選手はトップ下に合うし、両サイドバックも高い位置を取って仕掛けたりクロスを上げられる。荒木をトップ下に置き、柴崎とチネイデの後ろにアンカーとして三笘や金寺宏選手を置くというアイデアもある。ただ、こういう伝統あ
るチームは伝統的なやり方で結果を出さないと、批判されるリスクもある。
なお、荒木選手は海外志向があり、オーストラリアのチームからオファーがあったが、鹿島は彼を残したいと言って移籍金を設定しなかった。FC東京も完全移籍で獲得したかったが、結局鹿島に残ることになった。夏にもオーストラリアやその他のチームからオファーが来る可能性はある。

浦和レッズの「赤い悪魔」復活なるか
Q: 浦和レッズはどういう特徴がありますか?
浦和は選手一人ひとりの質が非常に高い。チアゴ・サンタナがトップ下で、サビオンが左、渡邉亮馬がボランチ、松本泰志がそのパートナーになる可能性がある。新加入のボザッツ選手も非常に良く、ビルドアップができて足も速いらしい。また、荻原選手はディナモ・ザグレブでプレーしてバイエルンに得点を決めた経験もある。
小平選手は若手の頃から高速サイドアタッカーとして注目されていた選手で、アルフォンソ・デイビスやミケル・メレノのように低い位置からでも足の速さを生かして自分で突破できる。このポジションはプレスに嵌まりやすいが、個人の質で解決できるサイドバックがいると有利だ。
浦和は現代的なハイプレスではなく、ミドルブロックから始める戦い方が合っている。相手がボールを繋いでいる間はそれほどプレスをかけず、良いボールが入ってきたところで競り合いに勝ち、前線の選手に力を残すというスタイルだ。レアル・マドリードもそういう戦い方をしている。
戦術的に様々な工夫をする広島や川崎と違い、「最強の力で殴るところが勝つ」という姿勢が「赤い悪魔」らしさを感じさせる。クラブワールドカップ前には必ず補強もするので、さらに強くなるだろう。ただし、トラバルラカップで1ヶ月日本を離れるため、リーグ戦では他のチームに比べてハンデになる部分もある。
Q: 浦和の課題はありますか?
中倉選手や中島翔哉選手など、書ききれないほど良い選手がいる。課題は、チーム内の「絶対的な柱」「戦場で信頼できる選手」が誰になるかという点だ。渡邉亮馬選手も原口元気選手も経験豊富だが、フル出場でずっと続けられるかという点では不安がある。将軍のような存在が必要で、そういう選手が日本人だとベストだ。
グスタフソンなどの外国人選手は個人の質は高いが、クロウス、セルヒオ・ラモスのような「裏のメンタリティを担う」選手が誰になるか、在籍年数が長い選手はいても、ピッチ上で「この選手のところに集まって話し合おう」という求心力のある選手が必要だ。

FC東京はマルセロ・ヒアンの爆発力に期待
Q: FC東京について注目している点は?
最大の注目点はマルセロ・ヒアン選手だ。彼はハーランドのような存在で、一人でチームを引っ張る力がある。オフェンスでボールが良く、裏にも抜けるし、ヘディングも上手い。
松橋監督は新潟から来たポゼッション型の監督だが、昨シーズンは選手との関係がうまくいっていない印象があった。現地で観戦していても、テクニカルエリアで監督がいろいろ指示を出しても、選手が「はあ...」というような反応で、ピッチ上のテンションも下がっていくのが見えた。
今シーズンは橋本選手が戻ってきて、クラブの文化を理解し「将軍」になれる選手だと思う。森重選手もいて、松橋監督のつなぐサッカーをする中で、最後に「ボタンを押す」のがマルセロ・ヒアン選手になる。中川選手などもウイングでの上下動は厳しいかもしれないが、シャドーだと生きると思う。
Q: マルセロ・ヒアン選手はレンタル移籍だと聞きましたが、なぜFC東京が獲得できたのでしょうか?
横浜FCがJ2に降格してしまい、彼の価値を維持するためにJ1でプレーさせる必要があった。移籍金の設定が4〜5億円と高いため、J1クラブでの買取は難しく、とりあえずJ1で価値を高めて東京が買い取るか、他で取り合いになるかという目算だった。
ヒアン選手はまだ若いが、横浜FC時代と比べてだいぶ成長した。ボールも収められるようになったし、フィジカルは化け物級だ。夏には海外移籍も視野に入れていて、サウジアラビアのクラブと決まりかけたこともあったようだ。
Q: FC東京の松橋監督のサッカーはヒアン選手と合うのでしょうか?
ヒアン選手の良さは「バーンと蹴って2-3人引き連れて行く」というところにある。松橋監督のポゼッションスタイルとの相性という不安もあるが、個人的にはヒアン選手の力をそのまま活かすべきだと思う。
トレヴィザンや野澤、木村などの選手のキャラクターを考えると、ロングボールでヒアンに行って、そこでヒアンが競り合ったところに中川選手や俵積田選手が仕掛ける方が相手にとっては厄介だろう。ただ、昨シーズンの東京は前からのプレスが合わない試合が多かったので、運動量の問題なのか、取り組みの問題なのか、松橋監督がどう優先順位をつけるかが重要だ。
勝つチームの優先順位は守備から。守備からやると相手からボールを奪うので攻撃機会が増える。攻撃からやると、現象が出ない場合に守備の機会が多くなり、選手のテンションが下がる。松橋監督の考え方が明確になれば、昨シーズンよりは良くなるだろう。

注目選手は誰?専門家が選んだ2024年の台頭する選手たち
Q: 今シーズン注目の選手は?
中村蒼太選手(広島) - 名古屋大学から広島に加入した1年目の選手。大学3-4年で得点とアシストを連発した。小柄だが、イタリア代表のミッコリのような選手。元々フォワードで、大学2年時にサイドハーフにコンバートされ、オフザボールの重要さを学んだ後にフォワードに戻り成長した。広島の戦術とマッチすると思われる。今回の大学生新人の中ではナンバーワン評価で、複数のチームが獲得を狙っていた。
脇坂泰斗選手(川崎フロンターレ) - 長谷部監督のもとで成長が期待される。地味なイメージがあるが、両足のキックが非常に上手い。4-2-3-1のトップ下で使われ、山田新がトップで、マルセロ・ヒアンやレオ・セアラのような決定力のある選手に日本人で名乗りを上げるタイプ。脇坂と山田のコンビは、デ・ブライネとハーランド、あるいは大久保嘉人と中村憲剛のような関係性になる可能性がある。
加藤蓮選手(名古屋グランパス) - 筑波大学の4年生で、在学中にすでに名古屋に入団。早速スタメン候補とも言われている。ボランチの選手で名古屋ユース出身。大型で足元の技術もあり、ドリブルも上手くなりボールを持ち出せる。日本代表のボランチは選手層が薄いので、広島の中島選手とともに、今季のJリーグの注目点はボランチで、加藤選手は代表入りも視野に入る。
稲村真翔選手(フィオレンティーナ) - 新加入のセンターバック。キックが素晴らしい選手だ。
ルカオ選手(ファジアーノ岡山) - 去年からプレーしていたが、最初は太っていて動けなかった。夏頃からフィットしてきて、強烈なプレースタイルで活躍が期待される。
木森監督(アルビレックス新潟) - 監督として注目。J1やJ2の監督経験はないが、水戸の育成年代で10年間、トップチームでコーチとして2年間経験し、攻撃的なサッカーを志向する。新潟は移籍金を払って獲得したほど期待している。