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若返るための3つのヒント。ミトコンドリアを鍛えよ
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2025年2月4日

スタンフォード大の研究により、44歳、60歳が老化の節目になることが示された。なぜ44歳が大切なのか?健康エリートになるために、44歳と60歳にどう備えるべきか?『老化負債』の著者である伊藤裕・慶應義塾大学予防医療センター特任教授に聞いた。 <ゲスト> 伊藤 裕|慶應義塾大学予防医療センター特任教...
ミトコンドリアを鍛えて老化負債を返済!長生きの秘訣はグレリンにあり?
老化という「負債」を返済するにはどうすればいいのか。最新の研究から浮かび上がる健康長寿の秘訣とは、私たちの体内にある「ミトコンドリア」の機能を高めることにあるようだ。

Q. 老化負債とは何か?
老化負債とは、年齢を重ねるにつれて体に蓄積される様々な機能低下のことを指す。この負債の本質はミトコンドリアの機能低下にある。ミトコンドリアは細胞内で脂肪や糖分といった栄養素を酸素の力でATPというエネルギー源に変換する重要な役割を担っている。
ミトコンドリアの機能が低下すると、ATPの生産が減少してエネルギー不足に陥るだけでなく、使われない酸素が活性酸素となって細胞を傷つける。実際、80歳頃になるとミトコンドリアの機能は若い頃の半分程度まで低下する。

Q. どうすればミトコンドリアを元気にできるか?
ミトコンドリアを元気にする一番の方法は、ミトコンドリアに少し負荷をかけて「鍛える」ことだ。これは栄養素や酸素を少し制限することで実現できる。
具体的には:
1. 食事量を少し減らす(8分目を心がける)
2. 運動をして酸素要求量を増やす
この「ミトコンドリアをいじめる」とも言える方法で、ミトコンドリアは危機意識を持って効率よくATPを作り出そうと頑張るようになる。
Q. 老化負債の原因は遺伝子にあるのか?
老化には遺伝子が大きく関わっている。ただし、遺伝子自体というよりも、その「使われ方」が重要だ。遺伝子はカタログのようなもので、そこには様々な情報が含まれている。問題は、それをどう使うかという点にある。
遺伝子が使われる際には必ずダメージが入る。このダメージが修復されないと、遺伝子の使われ方のパターン(エピゲノム)が変化し、ミトコンドリアの機能にも影響が出る。
人間の遺伝子は他の動物と比べて傷の修復力が強く、これが寿命の長さにつながっている。この修復力を高く保つためには、生活リズムを整え、良いホルモンが出るようにすることが重要だ。

Q. 食事で気をつけるべきことは?
食事において特に重要なのは以下の3点だ:
1. 食べる内容:過剰な炭水化物は避け、良質な脂肪を摂取する
2. 食べるタイミング:朝7時に食べるなら夕食は7時までに済ませるなど、食事の時間帯を12時間以内に収める
3. 空腹時間の確保:14時間の空腹時間が理想だが、難しければ12時間でも効果がある
特に日本食は塩分を控えめにすれば「最強」と言える。日本人の長寿の大きな理由は和食にあると考えられる。ただし、塩分は必要以上に摂りすぎていることが多いので、食べる量を半分にするか、カリウムを多く含む野菜を一緒に摂るとよい。
断食も効果的で、実践している人は肌が美しいという特徴がある。年に1回の本格的な断食や、週末だけ1日食べないといった簡易的な方法でも効果が期待できる。
Q. 運動はどのくらいすればよいか?
運動は「隣の人と話せるぐらいの有酸素運動を毎日30分」という従来の考え方から、最近は「少しきつめの運動を短時間でも取り入れる」という方向に変わってきている。
筋トレも効果的で、週に1~2回行うとよい。ただし、マラソン選手のように極限まで体を追い込むのは逆効果だ。運動しすぎると活性酸素が過剰に発生し、体に負担がかかる。
要は、各自のライフスタイルに合った形で体を動かすことが大切で、ニコニコ歩くだけでなく、少し息が上がるような運動を取り入れるとよい。
Q. 健康に良いホルモンとは?
健康維持に重要なホルモンとして以下の3つが挙げられる:
1. グレリン:空腹時に分泌されるホルモンで、お腹が鳴るのはこのホルモンの作用。現代人は常に何かを食べているため、グレリンが出にくくなっている。グレリンは直接臓器に働きかけて健康効果をもたらす。
2. ナトリウム利尿ペプチド:運動や入浴によって血流が良くなると分泌されるホルモン。血管を広げ、利尿作用があるほか、脂肪燃焼や筋肉強化にも貢献する。お風呂から出る時におしっこがしたくなるのはこのホルモンの効果。
3. オキシトシン:触れ合いや会話によって分泌される「幸せホルモン」。誰かと触れ合うことで出るため、ペットを飼っている人は心臓病になる率が低いという研究結果もある。
Q. 世界一健康な国になるために日本は何をすべきか?
2050年には世界一健康な国としてスペインが予想されている。その理由は:
1. シエスタ(昼寝)の文化:昼に一度帰宅して家族と食事をし、仕事のストレスをリセットする
2. 豊富な日照時間:日光を浴びることで生活リズムが整い、外出して運動もできる
3. ポジティブな言語:スペイン語はネガティブな言葉が少なく、ポジティブな言葉が多い
4. 医療への安心感:公的医療制度による安心感がある

日本が世界一の健康国になるためには、「健康になれる」という前向きな気持ちが大切だ。何も失敗しない人は何もしていないのと同じで、多少間違えてもいいから新しいことに挑戦する姿勢が幸せの種になる。
最終的な目標は「幸福寿命」を延ばすこと。単に病気にならないだけでなく、死ぬまで幸せを感じられる人生を送ることが重要だ。