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ラジオ人気再燃。オールナイトニッポン統括プロデューサーに聞く3つの理由
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2025年1月23日

オードリーのイベントが合計16万人を集客するなど、圧倒的人気を誇るオールナイトニッポン。統括プロデューサーの冨山雄一氏は「ラジオ全盛期が到来している」と話す。なぜ今、ラジオが若者に受けているのか?その理由を聞いた。 <ゲスト> 冨山 雄一|ニッポン放送 「オールナイトニッポン」統括プロデューサー。...
ラジオの第二黄金期が到来! なぜ今、ラジオがZ世代に人気なのか
21世紀に入って若者がラジオを最も聴いている状態にある今、ラジオはかつてない盛り上がりを見せています。日本放送でオールナイトニッポンプロデューサーを務める冨山雄一氏に、ラジオブームの理由と将来性について聞きました。

Q. 21世紀に入ってからラジオの人気が高まっているのはなぜですか?
ラジオはスマートフォンのアプリになったことで若者に受け入れられるようになりました。かつてラジオを聴くには専用の受信機が必要でしたが、今はスマートフォンがあれば誰でも簡単に聴くことができます。2010年に「ラジコ」というサービスが始まり、スマートフォンの普及と相まって、若者たちが音声コンテンツとしてラジオを聴くようになりました。
Q. ラジオの視聴者層に変化はありましたか?
以前はラジオのリスナーは主に60代、70代が中心でした。しかし、現在はオールナイトニッポンの場合、ラジコのデータによると圧倒的に20代の男女が聴いており、30代、40代、50代も多く聴いています。デジタル化に伴ってリスナー層が大幅に広がっています。

Q. スマートフォン以外にラジオ人気の要因はありますか?
2016年から「タイムフリー」というサービスが始まり、1週間以内であれば聴き逃した番組を後から聴けるようになりました。実際のデータでは、生放送よりもタイムフリーの方が7〜8倍ほど視聴者が多いです。これにより、ラジオが「不良型」から「ストック型」へと変化し、いつでも聴けるようになりました。
また、SNS、特にXの影響も大きいです。ラジオ番組ごとにハッシュタグがあり、生放送中にリスナーが感想を投稿することでトレンド入りすることがあります。翌朝の通勤時間帯にSNSを開くと前日の放送の感想が残っていて、それを見た人が「この番組、面白そうだな」と思って聴くようになります。
Q. 若者にここまで受け入れられている理由は何ですか?
現代は情報があふれる時代ですが、ラジオはその流れに逆行するメディアです。例えばオールナイトニッポンゼロは深夜3時から1時間半の番組で、ショート動画やSNSと比べるとかなり長いコンテンツです。この「わざわざ面倒くさい」という側面が、若者には新鮮に映っているのではないでしょうか。
ラジオのポイントは「素の良さを活かす」「関係性を耕す」「じっくりと待つ」の3つです。現代のコンテンツは基本的に加工されるものですが、ラジオはパーソナリティがそのままトークで話しているだけで、58年前のオールナイトニッポン開始当初と変わりません。素に近い、生の情報に魅力を感じる人が増えています。

Q. YouTubeなどの動画配信サービスとラジオの違いは何ですか?
YouTubeなどは基本的にそのパーソナリティに興味がある人が目的を持って視聴します。一方、ラジオはパーソナリティのファンに加え、そもそも深夜放送が好きな人や、長距離運転中のトラック運転手、早朝準備中のパン屋さんなど、必ずしもパーソナリティを知らなくても聴いている人がいます。ラジオは「ドアが少し開いている」状態で、新しい出会いが生まれやすいのです。
また、組織規模や関係性の面でも違いがあります。ラジオは制作スタッフが6人程度で全国放送を作っており、プライベートな空間に近いです。パーソナリティ、スタッフ、リスナーが対等な関係性を持っていて、例えばリスナーがパーソナリティをいじるような関係性も成立します。

Q. なぜ有名人もラジオをやりたがるのでしょうか?
松任谷由実さんやサザンオールスターズの桑田佳祐さん、明石家さんまさんなど、大物アーティストや芸能人が長年ラジオを続けているのは、世の中とつながっているという感覚があるからです。有名になるほど周りの人が増え、一般の人の意見が届きにくくなりますが、ラジオではリスナーからのメールが直接届き、その壁が取り払われる感覚があります。等身大の自分や関係性を保ち、勘違いしたりずれないためにも、ラジオは重要な役割を果たしています。
Q. ラジオとポッドキャストの違いは何ですか?
ラジオとポッドキャストの明確な違いは少なくなってきていますが、ラジオ局の強みは70年間生放送を続けてきた「秘伝のタレ」のようなノウハウと、「オールナイトニッポン」や「日本放送」というブランド力、信頼感です。
また、ラジオは深夜12時や1時に全国のリスナーが一斉に集まってコミュニティが生まれる点が、ポッドキャストにはない強みです。ビジネス面では、ラジオは広告収入が2023年で1139億円あるのに対し、ポッドキャストなどのデジタルオーディオ広告は28億円程度と、まだまだ小規模です。
Q. 「コンテンツのラジオ化」とはどういう意味ですか?
テレビもネットも、どんどんラジオに近くなっています。以前のテレビは多人数で話す形式が多かったですが、今は2人くらいで話す番組が増えています。YouTubeの生配信やピボットのような対談番組も含め、視覚情報より聴覚だけの情報で成立するコンテンツが増えています。
これは二極化の流れとも言えます。一方では映画館で映画を見たり、Netflixなどで作り込んだリッチコンテンツを視聴する層があり、もう一方では「生配信」のような緩やかなコンテンツを楽しむ層があります。ラジオは生放送率が非常に高いメディアなので、この生配信の流れとマッチしています。
Q. ラジオの課題と将来性は何ですか?
ラジオ自体の番組内容はあまり変わっていませんが、デジタル化によって聴かれる機会が増えています。今後の課題はビジネス面のアップデートです。ラジオ広告は2023年で1139億円の市場があり、ピーク時の半分程度になっていますが、この10年ほどはあまり落ち込んでいません。一方、ポッドキャストなどのデジタル広告は28億円と少なく、この市場をどう成長させるかが課題です。
アメリカではポッドキャスト広告が伸びており、日本でも今後デジタル音声コンテンツがインターネット広告と結びついてマネタイズできるようになれば、さらに市場が広がる可能性があります。
また、2025年はラジオ誕生100周年です。形は変わっても100年続いてきたラジオ文化を次の世代に繋げていくことが大切です。