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【アメリカから見た日本文化】ポートランドの日本庭園が大人気の理由
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2025年1月13日

アメリカにおいて、漫画・アニメなどのポップカルチャーに加えて、日本庭園などの伝統文化への関心も高まっている。なぜ今、日本文化が人気なのか。ポートランドで日本庭園を運営する中西玲人氏と戦略デザイナーの佐宗邦威氏に聞いた。 <ゲスト> 佐宗邦威|BIOTOPE代表 東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学...
アメリカ人が求める「本物の日本」とは?庭園に5000円払い、月見に殺到する理由
日本のグローバルでの存在感が低下していると言われる中、意外にも日本文化への関心は高まっています。特にアメリカでは、都市部の富裕層や高学歴層を中心に「日本庭園」が人気を集めています。なぜアメリカ人は日本の伝統文化にこれほど魅了されるのでしょうか?ポートランドで日本庭園を運営する中西玲人氏と戦略デザイナーの佐宗邦威氏の対談から、海外から見た日本文化の魅力を探ります。


Q. アメリカにある日本庭園はどのような人々に支持されていますか?
ポートランドの日本庭園は年間約50万人が訪れる人気スポットです。訪問者の60%は45歳以下で、若い世代に強い支持があります。驚くべきことに、入場料は日本円で約3000円と決して安くありません。それでも多くの人が訪れるのは、この場所が提供する体験に価値を見出しているからです。
訪問者の属性を見ると、70%以上が白人アメリカ人で、20%近くがアジア系アメリカ人です。さらに興味深いのは、来場者の53%が世帯年収1500万円以上、そのうち20%は3000万円以上という高所得層が中心であることです。また、教育レベルも高く、大学卒業以上の学歴を持つ人が大多数を占めています。


Q. なぜアメリカ人は日本庭園に惹かれるのでしょうか?
アメリカ人が日本庭園に惹かれる理由の一つは、日本人と自然との関わり方にあります。日本庭園は、工業製品や社会的ストレスに囲まれた現代人にとって、文字通りのオアシスとなっています。
アメリカの作家は「庭園とは、自分を発見するために自分を忘れさせてくれる場所」と表現しました。これは日本庭園が持つ不思議な魅力を端的に表しています。訪問者は日常から離れ、自然とつながる体験を求めているのです。
また、日本文化への関心は単なる一時的なブームではありません。多くのアメリカ人にとって、日本の伝統文化は深く探求する価値のあるものとして認識されています。例えば、ポートランドの小学校では義務教育の一環として俳句を学ぶなど、日本文化はすでに教育にも取り入れられています。
Q. 日本庭園ではどのようなイベントが人気ですか?
日本庭園で特に人気があるのは、9月中旬の名月を楽しむ「お月見会」です。300席用意すると5分で完売するほどの人気イベントで、チケット価格は約5000円。雨が降れば月は見えないというリスクがあるにもかかわらず、人々は熱心にチケットを求めます。
この現象に中西氏は「なぜわざわざチケットを買って、雨が降れば見られないかもしれない月を見るために5000円も払うのか」と疑問を呈しつつも、「月が見えないのが逆に良いね」というような感覚を2024年の都市生活者が楽しんでいる点に注目しています。
Q. インバウンド観光の変化について、どのような傾向がありますか?
近年、訪日外国人の旅行スタイルに変化が見られます。特にアメリカからの訪問者は滞在期間が長く、平均で2週間から3週間滞在する傾向があります。これにより、一か所に滞在する時間も深さも変わってきています。
以前は旅行代理店やパンフレットの情報に頼った観光地巡りが主流でしたが、今ではソーシャルメディアの普及により、誰かが投稿したジオタグ付きの場所へ行きやすくなりました。Google翻訳や電子決済の普及も、地方への旅行を容易にしています。
このような変化により、「ストリートレベルの日本文化」を発見する外国人観光客が増えています。彼らは地元の人々との交流を通じて、自分が全く知らなかった日本の文化を見つけ出す楽しみを見出しています。
Q. 日本文化の魅力をどのように外国人に伝えるべきでしょうか?
外国人と接する際に気をつけるべき点として、中西氏は「全然分からないものでしょう」と決めつけないことを挙げています。「あなたには分からないでしょうけど、教えてあげる」という姿勢は、実は相手が既に情報を持っていたり、独自の見解を持っていたりする場合に障壁となります。
特に現代では、日本文化は欧米の日常生活の一部となっています。俳句や水墨画、禅といった日本的なものが学校教育にも取り入れられている地域もあります。「もしかしたら知っているかもしれない」というスタンスで話すことで、共通点が見えてくる可能性があります。
Q. 今後も海外で人気が続く日本文化は何でしょうか?
日本の存在感が低下する中でも、残り続ける日本文化として、中西氏は以下を挙げています:
1. 日本庭園をはじめとする総合芸術としての伝統文化
2. 漫画・アニメなどのポップカルチャー
3. 日本食
特に食文化については、発酵文化や手仕事の良さを理解する人々が世界中に増えています。これらは日本独自の価値観が込められた分野であり、外国人が深く共感できる要素を持っています。
また、主要観光地から外れた地方への訪問者が増えることで、予測のできないコラボレーションやインスピレーションが生まれる可能性もあります。例えば日本の喫茶文化がアメリカでブルーボトルコーヒーとして進化したように、海外で日本文化が独自の発展を遂げる可能性も期待されています。
Q. 日本の文化資産をどのように活用していくべきでしょうか?
かつてソニーやトヨタの時代には「ハイテクな国」という自己イメージを持っていた日本ですが、現在では古いものに価値が見出されるようになっています。中西氏は「日本が常に新しいものを作り続けるというプレッシャーを感じる必要はなく、むしろ古いものをどうやって新しい味をつけて外に出していくかということも戦略になり得る」と指摘します。
実際、日本の文化を守りたいという理由で寄付を申し出る外国人も少なくありません。このような海外からの支援を受け入れる仕組みが整えば、日本の伝統工芸や地場産業に直接投資が流れる可能性もあります。
日本の文化は海外でこれからも大きな可能性を秘めています。伝統と革新のバランスを取りながら、世界に向けて日本の魅力を発信していくことが重要です。