超予測
エミン・ユルマズの2025年超予測:米国マーケットと日本マーケット
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2025年1月1日

新冷戦が加熱する世界。2025年の地政学、世界マーケット、米国マーケットはどう動くのか?エコノミストのエミン・ユルマズ氏に超予測してもらった。 <ゲスト> エミン・ユルマズ|エコノミスト トルコ・イスタンブール出身。16歳で国際生物学オリンピックの世界チャンピオンに。1997年に日本に留学。1年後...
「投資はカジノ化している」エコノミストが語る2025年の世界経済予測
米国株は完全にオンラインカジノと化し、日本はインフレに苦しむ庶民の不満が政治を変える時代に。エコノミストのエミン・ユルマズ氏が語る2025年の経済展望と投資戦略とは。

Q. 2024年の米国株はなぜこれほど強かったのですか?
マネーサプライに連動している面が大きいです。マネーサプライは2023年10月から上昇に転じており、株価はそれを先取りして上昇しています。株価は通常、マネーサプライの動きより半年ほど先行するので、このパターンは過去にも見られました。
もう一つの理由は、資金の行き場がないことです。世界を見渡すと、欧州は経済的に苦境にあり、中国にはリスクがあって資金が流入しにくい。結果として、投資先は主にアメリカ株、日本株、インド株の3つに絞られます。その中でも米ドルの強さもあって、アメリカ株に資金が集中しやすい状況になっています。
Q. 実体経済と株価の乖離についてはどう考えますか?
現状、実体経済と株価は明らかに連動していません。これはバブルの兆候です。ウォーレン・バフェットの現金比率が最高水準に達していることも注目すべきでしょう。彼のような投資家がバカにされる時期は、通常バブルの末期症状です。ITバブルやリーマン・ショック前も同様の状況でした。
現在、アメリカ株は世界の株式時価総額合計の65%を占めており、明らかにバブル状態にあります。問題は、それがいつ、何をきっかけに崩壊するかという点ですが、それを正確に予測するのは難しいのが現実です。

Q. バブル崩壊のリスクに備えるにはどうすればよいですか?
アメリカ国債は現在比較的安価なので、今後金利が下がるなら良い投資対象となります。また、セクターのローテーションも検討すべきでしょう。例えば、ディフェンシブな銘柄や防衛関連株は、どのような状況でも堅調さを保つ可能性があります。医療セクターや製薬関連も売られすぎている印象があります。
ただし、バフェットのような投資家でさえ投資先を見つけられないほど、市場全体が割高になっています。賢い投資をしたいなら、安い投資対象を探すことが大切ですが、現在はそのような投資対象が少なくなっています。
Q. AI関連投資からの次のテーマはどうなりそうですか?
AIから量子コンピューターに投資テーマが移行する兆しがあります。NVIDIAの株価は最近やや下落していますが、これは新チップの出荷問題などが影響しています。ウォール街はAIというテーマにやや飽きてきており、次のネタとして量子コンピューティングに注目し始めています。
量子コンピューターは様々な用途が期待できますが、一般的なパソコンのように汎用的ではなく、特定の目的のために設計されるものです。すぐに収益化できるかは別問題ですが、現在の相場は収益性よりも「次のブームを作る」ことが重視されています。
Q. アメリカ市場の現状をどう表現しますか?
アメリカ市場は完全にオンラインカジノ化しています。例えば「ゼロデイオプション」という、その日のうちに期限が来るオプション取引が流行していますが、これは本質的に「株価が上がるか下がるか」に賭けるギャンブルと変わりません。暗号資産市場でも、ビットコイン以外の実用性の乏しいコインが高騰する現象が見られます。
このようなカジノ化した市場を支えているのは、FRBや日銀といった中央銀行による流動性供給です。彼らが市場に資金を供給し続けることで、このような投機的な動きが加速しています。

Q. インフレ問題の今後はどうなりますか?
インフレは確実に続くでしょう。しかし、中央銀行が本格的な引き締めを行うのは難しい状況です。特にアメリカは国の借金が膨大で、金利上昇による利払い負担が大きくなるため、インフレを本気で抑制するインセンティブがありません。
最終的には、国の借金をインフレで目減りさせる戦略をとらざるを得ません。これは日本と同じ手法です。このプロセスでは、資産を持つ人々は守られますが、資産を持たない人々は貧困化していきます。
Q. トランプ政権は庶民のためのインフレ対策をするのでしょうか?
次期トランプ政権は「ビリオネア(億万長者)のための、ビリオネアによる政権」と言えます。閣僚や側近の多くが超富裕層で構成されています。彼らが労働者や低所得者層のために本格的な対策を行うとは考えにくいでしょう。
共和党の伝統的な政策は、労働組合の解体や自社株買いの推進など、中間層の衰退につながるものでした。これは「トリクルダウン経済」の考え方に基づいていますが、アメリカはこの40年間それを試みて失敗しています。
実際にはアメリカに必要なのは、富の再分配や社会保障の強化、インフラ投資の促進など、ルーズベルト大統領時代のような政策です。しかし、トランプ政権はその逆の方向に進む可能性が高いでしょう。

Q. 日本の株式市場の今後の見通しはどうですか?
日本株は今年18%上昇しており、ダウ平均と同程度のパフォーマンスです。日経平均は現在4万円前後で推移していますが、ステージごとの動きとして考えると、まだ「4階」の段階にいる状態です。
5万円の「5階」に上がるためには、まず4万2000円を明確に超え、その後に一度戻してきて、4万2000円〜4万2500円あたりで跳ね返される必要があります。そうなれば「階が変わった」と判断できるでしょう。ただし、2025年はしばらく現在のレンジ内で踊り場的な展開になる可能性があります。
Q. 為替相場は今後どうなりそうですか?
日本は実質的に通貨の切り下げを行っており、110円から150円へと2年かけて水準を調整しました。これにより150円が新しい「ニューノーマル」となっています。
この通貨切り下げの背景には、サプライチェーンを日本に戻すという戦略があります。日本の労働コストや工場建設コストをドル建てで安くすることで、製造業のパワーハウスとしての地位を取り戻そうとしています。これはアメリカの戦略にも合致しており、中国からの生産拠点移転先として日本を選ぶ動きを後押ししています。
2025年も為替は150円を起点に上下10円程度の変動になると予想されます。150円という水準は政府、日銀、財務省にとって居心地の良い水準であり、激しい変動は抑えられるでしょう。
Q. 日本の政治情勢はどう変化しそうですか?
インフレの時代に入り、国民の不満が高まっています。体感インフレ率は14%程度あり、食料品などの日常生活品の価格上昇が続いています。このような状況では、国民の不満が既存の政権に向かいやすくなります。
政治的には「時代が政治家を作る」という側面があります。現在の国民民主党の玉木代表のような政治家が注目されているのも、時代がそのような政治家を求めているからです。
インフレは社会を変える力を持っています。明治維新の背景にも20年間で物価が倍になるというインフレがありました。日本は今後、政治的に大きく動く可能性があり、様々な形の政治家が生まれてくるでしょう。必ずしも良い方向に動くとは限りませんが、変化は確実に起こります。
Q. 注目すべき投資セクターはありますか?
トランプ政権の誕生により、カジノ関連(IR)やホテル業、不動産関連に追い風が吹く可能性があります。トランプ自身が元カジノオペレーターであり、彼の主要な支援者にはカジノ業界の大物が含まれています。
日本でもIR法案が通った背景にはトランプからの要請があったとされており、大阪を中心としたIRプロジェクトが加速する可能性があります。また防衛関連銘柄や量子コンピューター関連も注目セクターとなりそうです。