超予測
【永守重信氏に聞く、2025年超予測(前編)】1ドル200円の時代が来る
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2025年1月3日

2025年の日米経済、世界のビジネスはどう動くのか?2025年に注目しているテクノロジー・ビジネスは何か?日本が国力を高めるために必要なことは何か?ニデック創業者でグローバルグループ代表の永守重信氏に聞いた。
2025年は賃上げの年! ニデック永守氏が語る「変人の時代」と世界経済
ニデック創業者でグローバルグループ代表の永守重信氏に、2025年の世界経済と日本について聞いた。「賃上げをもっとやる年」と断言する永守氏は、円安は進行し「1ドル=200円」になる可能性があると予測。トランプ政権の行方やM&A市場の展望など、独自の視点で語った。

Q. 2025年で最も注目しているテーマは何ですか?
世界的な政治的混乱が最も注目すべきテーマだ。アメリカの政治状況、世界各地で起きている戦争、ヨーロッパや日本の選挙など、各国で似たような現象が起きている。2025年は混乱の年となるだろう。
ただ、これは必ずしも悪い意味での混乱ではない。2024年より総合的な雰囲気はよくなるのではないか。国民が心配するような、生活が困難になるような状況にはならないと思う。

Q. 日本の賃上げについてどう見ていますか?
2025年は「賃上げをもっとやる年」になる。当社でも昨年は初任給を15%上げた。賃上げができないような経営者はもはや時代遅れだ。みんなで頑張って利益を出し、もっと賃上げしていこうという流れになっている。
かつては「自社だけいい待遇を出すな」という雰囲気があったが、そんな時代はもう終わった。従業員はインフレで生活が大変なのだから、思い切って賃上げをする。その代わりにしっかり頑張ってもらう。これが今後の流れだ。

Q. 日本経済の見通しをどう考えていますか?
日本経済については多くの人が心配しているが、私は意外に悪くならないと思う。楽観的と言われるかもしれないが、これまでの50年以上の経営経験から言っても、今までのデフレ時代は楽しくなかった。
これからは賃上げが当たり前になり、企業が大いに利益を出し、社員の給料を上げ、みんなが「今年は楽しい年だった」と言えるような状況になるだろう。
Q. 株価の見通しはどうですか?
株価を上げるためには、金融緩和などの政策だけでなく、実際の経営によって成果を出すことが重要だ。「みんなでこんなに頑張った年はなかった」と言えるほど成果を出し、それに応じてボーナスも上げる。
日本と欧米の違いは、日本では経営者の報酬が低すぎることだ。アメリカでは経営者が100億円もらっても問題にならないが、日本では1億円以上出るとまずいと考える。この考え方を変える必要がある。「私ももらうからあなたたちももらっていいよ」という考え方に変えるべきだ。

Q. TOBなど企業買収について、2025年はどうなりますか?
2025年は企業のTOBや大型再編、プライベートエクイティの売却などがさらに増えるだろう。私自身もそういった活動を行っていく。もっと大きな会社を買いたいと考えている。
日本では企業買収というと「乗っ取り」のイメージがあるが、そうではない。一生懸命経営して利益を上げ、従業員の給料も上げ、競争に打ち勝っていくためだ。中国など他国との競争が激しくなる中、日本企業も強くなる必要がある。
Q. 円安の見通しはいかがですか?
今回の円安は非常に深刻なものになる。私の予測では1ドル=200円になる可能性がある。極端と言われるかもしれないが、日本の現在の政治状況を見ると、円が強くなる要素はない。
通貨の強さは国家の強さを反映する。強い国の通貨は強くなり、弱い国の通貨は弱くなる。金利や輸出の状況だけで為替が決まる時代ではない。日本の競争力が低下する中、円安はさらに進むだろう。
1ドル=200円になる時期は正確には言えないが、意外に早く来るかもしれない。一直線ではなく、上下しながら、気がついたら200円になっているという展開になるだろう。
Q. 総理大臣だったらどんな政策を打ちますか?
国力を強くすることに集中する。弱い国では通用しない。国民が強い政治家を望み、強い工業力を持ち、日本が世界で強い国だと認識されるべきだ。
若い人たちが大きな夢を持ち、自分の将来に希望を描けるようにしたい。今の若者は「ライフワークバランス」を重視し、あまり働きたくないと言う。そんな国の通貨を誰が買うだろうか。
経営者が賃上げをし、若い人が「頑張ったらこんな給料をもらえるのか」と実感できれば、みんな頑張るようになる。効率よく質の高い仕事をし、国際競争に勝てるようにすることが重要だ。

Q. トランプ氏をどう評価していますか?
トランプ氏が初めて大統領になった時に会ったことがあるが、世間で言われているような人物ではないと感じた。世の中を改革するには、時に極論が必要だ。会社でも同じで、おかしくなった会社を立て直すには、全く違う経営者を連れてくることがある。
トランプ氏は一見おかしなことを言っているように見えるが、終わってみれば良い結果をもたらす可能性がある。世界に自分の考えを伝えるには、正しいことだけ言っていても届かないことがある。
トランプ政権によってアメリカ経済はさらに強くなると思う。現在のドルの強さがそれを示している。トランプ氏の主張は、アメリカの弱点を指摘し、自国の産業を強くしようというものだ。
Q. 2025年以降の技術トレンドは?
健康、特にアンチエイジング分野に注目している。この分野は技術革新が大きく、お金を出して研究してもらうことで巨大産業になる可能性がある。
また、電気自動車(EV)は一時的に成長が鈍化しているものの、必ず普及する時代が来る。新しい技術には必ず反対する人がいるが、社会はそれを乗り越えて進化していく。
Q. 成功するために何が必要ですか?
大きな成功の前には、大きな失敗を何回か経験することが重要だ。失敗の数が多い人ほど、後に大きな成功を収めている。
また、調子が良い時こそ注意が必要だ。「努力、努力、努力」の次に「我慢、我慢、我慢」が必要となる。努力だけでは不十分で、それが報われない時期も我慢することが大切だ。そうすれば、いずれ花開く時が来る。
混乱している時、変化が起きている時こそチャンスだ。短期的な結果を求めるのではなく、10年単位で投資する長期的な視点が重要となる。