超予測
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2024年12月28日

生成AIによって大企業の仕事はどう変わるのか?大企業DXの次なる一手は何か?LayerXの松本勇気CTOに2025年の展望を聞いた。 <ゲスト> 松本勇気|LayerX CTO 東京大学在学時にGunosy入社。CTOとして技術組織全体を統括し、ブロックチェーン研究開発チーム立ち上げる。2018年...
世界的にブームとなっている生成AI。企業のDX推進やビジネス変革の切り札として期待される一方で、実際の導入事例や成功例はまだ限られています。今後の展望や課題はどうなるのでしょうか?LayerXの松本勇気CTOに、生成AIと大企業DXの未来について話を聞きました。

生成AIモデルの性能進化はここ数ヶ月で落ち着きを見せています。これまでは「全くできなかったことができるようになる」段階でしたが、今は「できることの精度が上がっていく」フェーズに移行しつつあります。
一方で価格は急速に下がっています。2024年初頭から現在にかけて、同じ量のデータを処理するコストは約1/10になり、この傾向は今後も続く見込みです。2025年にはさらに10倍以上の効率化が期待されます。
興味深いのは、最新モデル間の性能差が人間には判別しづらくなってきていることです。GPT-4Oのようなモデルでもバージョンアップによる違いを一般ユーザーが体感するのは難しくなっています。
データ面では、インターネット上の良質なデータがすでに大量に消費されており、今後は動画や音声といった別種のデータを活用する方向に進むでしょう。また、モデルの大型化よりも効率化を重視する傾向も強まっています。
2024年のブレイクスルーの一つが、AIが一つの問題を長時間かけて考え続ける能力の獲得です。OpenAIのO1モデルに代表されるこの技術は、時間をかければかけるほど複雑な問題を解ける可能性を持っています。
従来のAIでは対話が長くなると話が逸れてしまう傾向がありましたが、新しいモデルでは一つの問題に集中し続けることができます。例えば、東大の数学の問題を4分かけて解くなど、複数のステップを必要とする思考プロセスを実行できるようになりました。
ビジネスでの活用場面は実はそれほど多くないものの、法律文書のレビューやルールとの照合など、多段階の論理的思考を要する業務には有効です。保険約款の解釈や経営会議での法律相談など、すでに実務での成果も出ています。
エージェントとは、特定の業務シナリオやルールに基づいて自律的に動作するAIシステムを指します。例えば「経理担当」というロールを与え、必要なツールと知識を与えることで、指示に従って自動的に業務を遂行します。
しかし、生成AIは100%正確な回答を返せないという課題があります。単純な経費精算のような判断しやすい業務には向いていますが、契約書の法的チェックのような複雑な業務では、AIの判断根拠を確認する必要があり、必ずしも効率化につながりません。
より興味深いのは「マルチエージェント」の概念です。これは複数の専門エージェントをオーケストレーターが管理し、適切な業務を割り振るシステムです。例えば社内チャットに質問を投げると、適切なボットが自動的に応答するようなイメージです。
2025年はこうしたエージェントシステムの試行錯誤が進む年になるでしょう。ただし、過剰な期待は禁物で、「自分でやった方が早い」場面も多いという現実的な視点も必要です。


大企業の生成AI導入は主に3段階で進んでいます。まず社内でCopilotやChatGPT Enterpriseなどの法人向けツールを導入し、次にRAG(Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる社内文書検索と組み合わせたチャットボットの構築を進めます。
しかし、RAGには課題もあります。社内データは整理されておらず、同じ文書の複数バージョンが存在するなど、検索精度を上げるのは難しい状況です。そのため、POC(概念実証)の段階では特定の業務に特化したツール開発が進められますが、汎用的に展開することが難しく、多くの企業が「やりたい仕事は無限にあるができない」状態に陥っています。
こうした課題を解決するため、2025年にはAIを活用した新しい世代のSaaSが登場するでしょう。これらは特定業務のワークフロー全体をAIに教え込み、汎用的に活用できるプラットフォームとなることが期待されます。

今後注目すべき領域として「AIナレッジベース」があります。これまで企業内の知識は十分に活用されていませんでしたが、AIを使って目的別に知識を整理・活用することで、営業資料の共有や過去のプロジェクト事例の検索など、新たな価値を生み出せます。
もう一つの注目領域は「AIレビュー」です。企業では稟議書や契約書などのレビューに時間がかかり、スピードが低下する原因となっていました。しかしAIがルールに基づいて24時間365日レビューすることで、提出から数日かかっていたプロセスが数分で完了し、修正と再提出のサイクルを1日に何度も繰り返せるようになります。
これは企業のガバナンスとコンプライアンスを維持しながらスピードを上げる可能性を秘めています。大企業でありながらスタートアップのようなスピード感で業務を進められる未来が見えてきます。
日本には大企業DXの膨大なニーズがあるにもかかわらず、それに応えるソリューションが不足しています。海外ではプラットフォームやワークフローエンジンが次々と登場する中、日本発のアプリケーションは限られています。
この状況はインターネット時代の「デジタル赤字」の再来となる危険性をはらんでいます。日本は基礎技術は豊富なものの、実用的なアプリケーションを作るエコシステムが弱いという課題があります。
特に課題となるのは、機械学習の知識、アプリケーション開発能力、事業推進能力の3つを兼ね備えた人材や企業の不足です。アメリカではコンピュータサイエンスと経営学のダブルメジャーなど、横断的な教育背景を持つ人材が多く、このギャップを埋めるには教育システムからの変革も必要かもしれません。
2025年に向けて、日本企業がこの機会を活かすためには、技術と事業の両面から生成AIアプリケーションの開発に取り組む必要があります。
※こちらは生成AIによるまとめ記事です。