PIVOT TALK BUSINESS
コンサルで学んだ優秀な人の仕事術
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2024年12月10日

そもそも「仕事ができる人」とは?優秀な人が当たり前にやっていることとは? 『仕事ができる人の当たり前』著者・西原亮氏に秘訣を聞いた。 <ゲスト> 西原亮|明治クッカー代表 慶應義塾大学卒業後、家業の牛乳配達のアルバイトを経て、経営コンサルティング会社入社。2013年に廃業寸前の牛乳販売店を事業承継...
「仕事ができる人の当たり前」作者に聞く、真の「仕事力」とは
仕事ができる人とは何か。その定義から日々の行動、思考法まで、「仕事ができる人の当たり前」著者の西原亮氏に聞いた。曖昧な言葉を使わず、相手の期待を超える—それが「仕事ができる」ということの本質だという。

Q. 「仕事ができる」とはどう定義されますか?
「仕事ができる」とは、相手の期待を超えられる人です。しかし、期待を超えるためには、まず期待を言語化できないと「超えている」かどうか判断できません。例えば営業件数が月10件の目標で11件達成すれば期待を超えたと言えますが、世の中には数値化できない仕事がたくさんあります。
牛乳配達のような業務では、「3ヶ月後に誰のヘルプもなしに自分1人でお客さんからの質問に即答できる状態」というように、相手の期待を言語で握り、それを上回れるかどうかを設定できる能力が非常に高いのです。
Q. その能力はどうやったら身につくものですか?
この能力を身につけるには、日々曖昧な言葉をなくすことです。会議でも曖昧な表現が多く使われています。例えば「来年度の営業施策の討議」と言われても、何が終わったら会議が終わりなのかが分かりません。多くの人はそれをスルーしますが、少しでも曖昧だった時に「効率的とは具体的に何ですか」と一つ一つ曖昧にせずにスルーしない人になることが求められます。
Q. 仕事ができる人の考え方として、事実と主観の切り離しが重要とのことですが、これはどういう意味ですか?
事実と主観をごちゃ混ぜにすると、次のアクションがずれることがあります。例えば「みんなが給料について不満を言っています」と報告があっても、実際に言っていたのは2人だけで、それが主観で「みんな」になっていることがあります。
本来なら「2人が給料について不満を言っています。私の主観としては、おそらく全員そう思っているかもしれません」と分けて伝えれば、次のアクションが変わります。営業の報告でも「検討したいと言っていた」という事実と「私の主観ではいけると思います」を分けないと、その後の対応が変わってしまいます。

Q. 「いきなり手を動かすな」とありましたが、これはどういうことですか?
仕事ができる人は、最初にいきなり手を動かしません。例えばパワーポイントの資料作成では、メッセージを書いては消して、という作業を繰り返すのではなく、最短距離を考えるべきです。最初に「この資料には何と何と何があればいいか」を頭で考え、上司と大まかに確認して不要なものを削ぎ落としてから作業に取りかかります。
実は私がやっていた20個の作業を、優秀な同僚は事前に考えて上司と確認し削ぎ落としたことで3つの作業で完了させていました。これは作業量の1/10で済むということです。AI時代になっても、最初に考えるのは紙とペンで、本当に必要不可欠なものに削ぎ落とした上でAIを活用する方が効率は高まります。
Q. 再現性のある仕組みを作ることの重要性を教えてください
個人で仕事して一生自分だけが仕事をするなら問題ありませんが、通常はそうではありません。「仕事ができる」と一般的に言われている人ほど再現性のある仕組みを作ろうとしない傾向があります。
例えば私は牛乳の営業で一軒家を1日300軒回っていましたが、これは個人の営業能力として属人化しがちです。しかし、ドアのインターホンを押す時に「ここから70度の角度だと顔が怖くなく映ります」というように検証して画像を貼るなど、一つ一つの手順を仕組み化していくと、他の人たちが学べて任せられるようになります。面倒でも同時並行でやっていくことが、組織が大きく生産性が上がるために大事です。

Q. 言葉の定義ができていないまま進みがちなシチュエーションには、どんなものがありますか?
言葉の定義ができていないシチュエーションで最も多いのは、会議のゴール設定の仕方です。「営業施策を討議しよう」と言っても、何を指しているのか明確でないため、参加者はそれぞれの思いを言ってしまいます。ある人はWeb施策、別の人はチラシなどのアナログ施策について考えているかもしれません。
また、誰かから依頼された時も言葉の定義がずれると業務に支障が出ます。「多めに印刷しておいて」と言われた時に、「多め」が具体的に何部なのかを確認しないと、期待値とのずれが生じます。これが人と人とのずれの原点なのです。
Q. 上司に答えを聞かないというのはどういうことですか?
「どうしたらいいですか」と聞くと激怒されたことがあります。なぜなら、自分の答えの軸がないからです。上司に聞くべきは「私はこう思います」と自分の考えを伝えることです。そうすると上司は「答えはこうだよ」と教えてくれ、初めて自分の答えと上司の答えのギャップが分かります。
自分の考えを出さない限り、このギャップは測れません。「どうしたらいいですか」と聞くと、自分がどこまで上司と考え方のギャップがあるか分からないままです。間違えていても恥ずかしくても、自分の最善の答えを出すことで「ここが考え方が違った」と気づいて成長できるのです。
Q. 「5つのない」について教えてください
新入社員に向けて伝えている「5つのない」は以下です:
1. 分からない言葉をスルーしない
2. 答えを当てに行かない
3. 同期で群れない
4. 影口を叩く人の近くに行かない
5. 笑顔を絶やさない
特に「同期で群れない」は、同じ視点の人たちだけで集まると学びにならないからです。経験や実績のある上司と話すと、同じ物事に対しても視点が全く違います。同期との交流も良いですが、視点が違う人の考え方をどれだけ吸収できるかが重要です。
また「影口を叩く人の近くに行かない」のは、ネガティブな言葉を聞くだけで自分の気持ちもダウンしますし、自分も影口を言っていると見なされる可能性があるからです。周りにはポジティブな言葉を使う人たちを集めることが、自分の人生をより良くします。
Q. できる人のToDo管理はどこが違いますか?
できる人は、ToDo(やるべきこと)が出てきた時に一瞬でプロセスが目に浮かびます。例えば「コンビニで牛乳を買う」という簡単なタスクでも、「コンビニに行き、牛乳売り場に行き、牛乳を手に取り、レジで会計する」というプロセスに分解できます。
できる人はこれがパッと浮かぶレベルになっていますが、できない人はどういう手順になっているか分からないのです。特に重要なのは、この「ToDo分解」の能力です。これは上司が階段式に教えることで身につきます。例えば「新規サービスの提案資料を作る」というゴールを、「必要な情報収集→ドキュメントにまとめる→資料の流れとメッセージ作成→必要なグラフ作成→資料の最終化」という階段に分けて教えることが重要です。
Q. 依存関係のToDoとは何ですか?
依存関係のToDoとは、自分だけでは完結せず他の人が関わるものや、他の人の承認が必要なものです。例えば日程調整や承認プロセスなど、これらが動かないと次に進めないToDoです。
ToDoを洗い出した時に、依存関係のあるものを赤く色分けするなどして先に取りかかることで、「なぜこれを先に取らなかったのか」と言われる事態を避けられます。自分だけでは完結しないToDoを優先することが、効率的な仕事につながります。

Q. 会議で「できる人」はどんな動きをしていますか?
会議でできる人は、会議の進行役ではなく決定事項とネクストアクションを導く人です。30分の会議に8人参加すれば240分(30分×8人)の時間を使うわけですから、何の成果を出すのかを考え、「何が終わったら会議が終わりなのか」を明確にします。
多くの会議は呼ばれたから出席し、なんとなく話して終わってしまいますが、できる人は会議のゴールを明確にし、議論がずれた時は「今決めていることは〇〇です」と論点に戻します。これは上司に対しても同様です。
また、会議で参加者から意見を引き出す際は、最初からオープンクエスチョン(「何かありますか?」など)で聞くのではなく、まずはクローズドクエスチョン(Yes/Noで答えられる質問)で発言を促し、心理的安全性を高めてからオープンクエスチョンに移行すると、具体的なアイデアが出やすくなります。
Q. できる人のノート術とは何ですか?
できる人のノート術は「1つにまとめる」ことです。ノートを取っても振り返らなければ意味がありません。自分で振り返って初めてノートの効果が発揮されるのです。
また、インプットの際は「読み切ることを目的にするな」「仮説で読め」が重要です。例えば本のタイトルから「この本には何が書いてあるのか」を想像し、それを書き留めてから読むことで、「ここが違った」という驚きが定着率を高めます。
Q. これからのビジネスパーソンに必要なことは何だと思いますか?
普遍的にどこでも活躍できることがこれからの時代は非常に重要です。コミュニケーションが不足していたり曖昧だったりする人は淘汰される傾向にあります。信頼関係を築くためには、言葉の定義を明確にし、曖昧なことは使わず、具体的に話ができることが普遍的なスキルです。これからのビジネスパーソンはそこを守るべきでしょう。