
オルカン投資 3つの心得【ダイヤモンドZAi編集長・熊谷久美子】
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2024年12月9日
EXIT・りんたろー。と国山ハセンが株・保険・住宅など資産運用にまつわるスキルセットを学ぶ。最も月刊売れているマネー誌ダイヤモンドZAiの編集長が新NISA最大の人気を誇る“オルカン(全世界株)”投資の心得について解説 <ゲスト> 熊谷久美子(ダイヤモンド・ザイ編集長) https://www.y...
「非効率こそが価値」トリドール社長が語る丸亀製麺のブレない経営戦略
焼き鳥店からスタートし、現在は世界30の国と地域で約2,000店舗を展開するトリドールホールディングス。年間売上は2,300億円を超え、丸亀製麺を筆頭に約20のブランドを持つ食のグローバル企業だ。創業者であり代表取締役社長の鮎田高也氏に、成功の秘訣と未来への展望を聞いた。

Q. トリドールホールディングスが目指す夢は何ですか?
世界規模でお客様に来ていただけるグローバルフードカンパニーになることを目指している。現在は国内の方が店舗数も売上も利益も多いが、これが逆転して海外でもしっかりと店舗数と売上と利益を上げられるようになることが、私にとってのグローバルフードカンパニーと言える状態だ。
Q. 焼き鳥店からうどん店へと転換したきっかけは何でしたか?
創業から15年ほど焼き鳥に取り組んできたが、2002年から2003年頃に鳥インフルエンザが日本を襲い、売上が半減以下になった。上場計画も白紙にして事業の再構築を図る中で、2000年に開業していた丸亀製麺に可能性を見出した。焼き鳥では確立できなかった「圧倒的な強み」を模索していた時期だった。
Q. 丸亀製麺のビジネスモデルの着想はどこから得たのですか?
父親の出身地である香川県に行った際、製麺所の前に行列ができているのを見て衝撃を受けた。内装もなく、サービスもなく、うどんしか提供していない製麺所に人が集まる理由を考えた時、「商品」だけでなく「体験価値」がお客様を引きつけていることに気づいた。粉からうどんを作って、出来立てを提供する「体験」こそが価値だと悟った。

Q. 他のチェーン店との差別化ポイントは何ですか?
一般的なチェーン店は効率化や標準化を重視するが、丸亀製麺は「非効率」にこだわっている。粉から麺を打ち、お客様の目の前で茹でて提供するという手作り体験を大切にしている。これは人の手による「俗人性」を含むため、どうしても店舗間でブレが生じる。だが、その「非効率」こそが顧客を引きつける独自の価値だと考えている。
Q. その「非効率」を貫くことで批判されることはありませんか?
「そんなことをしていたら大きなチェーン店にはなれない」とよく言われた。チェーン店はスケールメリットを追求するべきだという意見もあった。しかし、非効率なことをするからこそ多くのお客様が来て、高い売上と収益を上げ、結果として早い展開につながると信じている。成長のエンジンとなる「体験価値」を手放さないことが大切だと考えている。

Q. 「二律両立」という言葉を大事にしているそうですが、その理由は?
多くの企業は「選択と集中」や「トレードオフ」を重視し、成長するためには捨てるものと取るものがあると考える。しかし私たちは、非効率と思われる体験価値を大切にしながらも、それが多くのお客さんを呼び込み、高い収益につながると考えている。両方を実現することで成長できるという「二律両立」の精神を大切にしている。

Q. 変えてはいけないものと、変えるべきものをどう区別していますか?
変えてはいけないのは、粉から麺を打ち、出来立てを提供するという体験価値の部分だ。一方で、店の内装やフェアメニューは時代に合わせてアップデートしている。時代の変化に合わせないと、お客様から見て「鮮度感」が失われてしまう。コアな部分は守りながらも、周辺部分は時代を取り込んでいくことが重要だ。
Q. コロナ禍で大ヒットした「うどん弁当」はどのように生まれたのですか?
コロナ禍で店内にお客様が来なくなった時、テイクアウトに力を入れることにした。しかし単に「テイクアウト始めました」では弱いと考え、「うどん弁当」という言葉を造り出した。さらに、事前に作り置きせず、注文を受けてから目の前で作るという丸亀製麺らしさを貫いた。ピーク時には行列ができる非効率さがあったが、それこそが私たちの価値だと信じて続けた結果、大ヒットにつながった。
Q. 人手不足や原料高騰の課題にどう対応していますか?
世の中全体が人材確保の難しさから自動化やデジタル化に向かっているが、私たちは体験価値を提供するために人の手を大切にしている。ただし、お客様と接しない作業、例えばワークシフト作成や発注業務などのバックオフィス業務については、AI予測などを活用して効率化を図っている。お客様との接点を大切にしながら、見えないところでは最新技術を取り入れるというバランスを取っている。
Q. 海外展開で成功するためのポイントは何だと考えていますか?
高級店として「日本らしさ」を全面に出すビジネスモデルなら成功しやすい。しかし私たちは大衆向けの店を目指しているため、現地の食文化に合わせる必要がある。日常的に食べてもらうためには、味の親和性を担保することが重要だ。その国の食文化に寄り添いながらも、私たちらしさを失わないバランスが大切だと考えている。
Q. 社長はとても謙虚な姿勢を持っているように見えますが、その理由は?
まだまだ成長したいという思いが強くある。焼き鳥店から始めて今日まで、常に未知の領域に挑戦してきた。その過程で多くの人から学び、教えを請うことで今日まで来た。さらに高いステージに上がっていくためには、様々な人の知恵や経験から学び続ける必要がある。そのためには、教えを乞いやすい謙虚な姿勢が大切だと考えている。
Q. 働く環境についての考えを教えてください
働く人の幸せも重要なテーマだ。特に大切なのは日頃のコミュニケーションだ。店舗をリニューアルする際には、客席数を減らしてでもスタッフルームを大きくするなど、働く人の環境改善も意識している。
このインタビューからは、「感動の体験価値」を重視し、時に世の流れに逆らっても自社の強みを貫く経営哲学が浮かび上がる。非効率に思える手法が、実は大きな価値を生み出すという逆説が、トリドールの成長を支えてきたのだ。
