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急増中!新富裕層のリアル
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2024年12月5日

近年、株価上昇、パワーカップルの増加などにより急増している新富裕層。新しい富裕層はどのような人たちなのか?どんな価値観を持っているのか?新富裕層向けマーケティングの示唆を含めて、博報堂富裕層マーケティングラボの三宅大介氏に聞いた。
「拡大する新しい富裕層」の実態とは?時間価値・教育・健康に積極投資する「インカムリッチ」家庭の特徴
富裕層マーケティングの最前線から届いた新しい分析によると、世帯年収1500万円以上の「インカムリッチ」層が日本社会で存在感を増している。彼らの特徴は何か?どのような価値観を持ち、どこにお金を使うのか?白報道富裕層マーケティングラボの三宅大介氏へのインタビューから、拡大する新しい富裕層の実像に迫る。

Q. 富裕層と一口に言っても、どのような区分があるのでしょうか?
資産で見るか所得で見るかは重要なポイントです。一般的に富裕層というと資産ベースの「ウェルスリッチ」を指すことが多いのですが、今回は所得ベースの「インカムリッチ」に注目しています。
ウェルスリッチは、野村総合研究所の定義によると約150万世帯(全世帯の2.8%)存在します。これに対し、年収1000万円以上の高所得世帯は約700万世帯(12.6%)あります。
特に注目したいのが、世帯年収1500万円以上の「インカムリッチ」層です。彼らは約200万世帯(全世帯の4%弱)存在し、この10年間で大きく増加しています。

Q. 「インカムリッチ」層が増加している背景は何ですか?
最大の要因は共働き世帯の増加です。特に「パワーカップル」と呼ばれる、夫婦ともに年収700万円以上ある世帯が2013年から倍増し、現在約40万世帯に達しています。その6割が子どものいる家庭です。
女性の社会進出が進み、働き盛りの女性の共働き率は44%程度で、10年間で15%増加しました。仕事と子育てを両立する家庭も22%増えています。
興味深いのは、妻の年収が高いほど夫の年収も高い傾向があること。いわゆる「同類婚」の傾向が強まっているようです。
Q. インカムリッチ層はどのような職業の人が多いのでしょうか?
会社員が非常に多く、特に上場企業勤務の比率が全体と比較して高くなっています。これは両立環境の格差を反映しているとも言えます。子育て支援制度が充実した企業に勤める人同士が結婚しているケースが多いのです。
若年インカムリッチ層(20~30代)には、プロフェッショナルワーカーや外資系金融、コンサルタントなどの高収入職種の方も多く含まれています。

Q. インカムリッチ層の消費の特徴はどのようなものですか?
特徴的なのは「物消費」から「体験型消費」へのシフトです。成長や自己実現に対して非常にポジティブなモチベーションを持ち、そういった領域にお金を使う傾向があります。
また、共働きで忙しい彼らは「時間価値」を非常に重視しています。タイムパフォーマンスを意識した生活を望み、時間やゆとりを得るためにお金をかけることをいとわない傾向が顕著です。家事代行や育児サポートなどの外注サービスも積極的に利用します。
健康やウェルビーイングへの投資意識も高く、「自分自身が最重要な生活インフラである」という認識を持っています。
Q. 住まいに関してはどのような特徴がありますか?
インカムリッチ層、特に共働きファミリーは新築分譲マンションや中古分譲マンションの居住率が高くなっています。これは通勤時間を短縮し、子育てとプライベートをコンパクトに実現するための「時間価値への投資」と捉えることができます。
東京23区のマンション価格高騰の背景には、こうしたインカムリッチ層の需要増加も一因と考えられます。彼らにとって利便性の高い立地のマンションは、時間価値を最大化する生活インフラなのです。
Q. 食生活についてはどのような特徴がありますか?
忙しくても健康的で豊かな食生活を送りたいという意識が強く、中食(惣菜・弁当・デリバリーなど)の利用率が非常に高くなっています。月平均の中食利用金額は2万円を超えており、全体平均と比較して顕著な差があります。
最近では高付加価値な冷凍宅食サービスなども人気です。フレンチシェフ監修のミールセットや、デパートのバイヤーがセレクトしたグルメが定期便で届くようなサービスが増えています。これらは日常の食事を効率的に充実させると同時に、週末や人が集まる際の「ご褒美グルメ」としても活用されています。

Q. 教育に対する意識はどうですか?
インカムリッチ層は「教育ファースト」の意識が非常に高いです。子どものためなら仕事や居住地、ライフスタイルを変えることもいとわないという傾向があります。海外留学させたいという意向も強く持っています。
彼ら自身が比較的教育熱心な家庭で育った割合が多く、自分以上の教育を子どもに受けさせたいという思いが強いようです。
私立幼稚園、小学校、中学校の受験経験率も高くなっていますが、専業主婦家庭と共働き家庭では若干差があります。受験には親、特に母親の関与が必要な部分が大きいため、共働きとの両立の難しさがここに現れているかもしれません。
Q. 子育て支援と教育の関係についての新しい動きはありますか?
最近注目されているのが、長期休暇中も預かりをしてくれる学童を併設した学校です。例えば東京農業大学稲花小学校は、農業を活用した体験型教育や食育、言語教育などユニークなカリキュラムが人気の要因ですが、同時に子育て支援の機能も備えています。
今後は子どもの教育環境だけでなく、親としての子育て環境をどうサポートできるかという点も、学校選びの重要なポイントになっていくでしょう。「子どものウェルビーイング」と「親のウェルビーイング」の両方を実現する教育サービスへのニーズが高まっています。
Q. 健康やウェルビーイングに対する意識はどうですか?
「自分の健康や心の豊かさのためにお金をかけている」というスコアが特に共働きインカムリッチ家庭で高くなっています。忙しいからこそ、自分自身の健康に投資する意識が強いのです。
最近では子育てとウェルビーイングを組み合わせたサービスも増えています。例えばバイリンガル幼稚園とフィットネススタジオが合体した施設では、預かり機能と子どもの習い事(フィジカルと語学)をワンストップで提供しています。
また、子どもを同伴できるゴルフタクシーサービスなど、親の趣味活動と子育てを両立させるサービスも登場しています。今後は保育や教育といった子育ての必須要素と、健康・ウェルビーイング領域のビジネスが融合していくことが予想されます。
Q. 若年インカムリッチ層の特徴は?
いわゆる「パワーシングル」や「パワーカップル」と呼ばれる層です。特徴的なのは、リセールバリューを重視して物を購入する傾向が強いことです。「若者は物を買わない」と言われていましたが、高所得な若年層が増えることで個人消費の活性化につながる可能性があります。
インカムリッチ市場は今後も拡大していくと予想され、当面は成長するマーケットと言えるでしょう。