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日銀の12月利上げ確率は80%。来年末には1%に
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2024年12月1日

12月の利上げが予測される日銀。利上げに傾く背景は何か?来年はどれくらい利上げするのか?第一生命経済研究所の藤代宏一・主席エコノミストに分析してもらった。 <ゲスト>藤代宏ー|第一生命経済研究所主席エコノミスト 2005年第一生命保険入社。2010年内閣府経済財政分析担当へ出向し、『経済財政白書...
日銀は12月に8割の確率で利上げへ - 「物価目標超え・賃金上昇・円安」が追い風に
専門家が示す2025年の金融政策展望 - "消費は弱くない"日銀の判断が後押し

Q. 日銀は12月に利上げを実施するのでしょうか?
現状では日銀が12月に利上げを実施する可能性は7〜8割程度と高い。その背景には複数の要因がある。まず物価が日銀の目標である2%を大幅に上回っている点が挙げられる。さらに重要なのは賃金の動向で、現在30数年ぶりの上昇率となっており、来年も同程度の伸びが続くと予想されている。
また為替相場も円安が継続しており、150円を超える水準が続くことで輸入物価が上昇し、国内物価への影響も懸念される。加えて日銀は最近の個人消費について「明るくなってきている」と判断しており、これらの要因が利上げの環境を整えている。

Q. 日銀が判断する「消費が明るい」という評価は、国民感覚と合っているのでしょうか?
統計上は消費が改善している一方で、国民感覚とは乖離があるのが実情だ。日銀が公表している実質消費活動指数を見ると、増加しているとは言い切れない状況にある。しかし日銀は「緩やかな増加」と表現しており、これは先々の消費に自信を持っている証左と解釈できる。
この乖離の理由として、年齢層によって賃金上昇率に差があることが挙げられる。統計上は賃金が上昇している一方で、40〜50代は上がっておらず、主に30代以下の若年層や人手不足が深刻な中小企業で賃上げが進んでいる状況だ。また、賃金は上昇していても物価も同時に上昇しているため、実質賃金では改善を実感しにくい面もある。
Q. 日銀の政策金利はどのような状況にあるのでしょうか?
現在の政策金利は、物価や賃金の上昇率と比較して明らかに低い水準にある。1990年代前半は賃金・物価・政策金利が概ね同じ動きをしていたが、現在は高インフレの状況にもかかわらず政策金利が著しく低い状態が続いている。
この状況が続いてきた理由は、国内景気があまり好調ではないためだ。金融引き締めは景気の勢いを抑制し、賃金・物価を適正水準に調整する手段だが、実質GDPはほとんど横ばいで推移しており、景気が強すぎるという状況ではなかった。しかし最近の個人消費の改善や賃金・物価の上昇を背景に、利上げの環境が整ってきていると判断されている。
Q. 12月に利上げが実施された場合、2025年の日銀の金融政策はどのように展開すると予想されますか?
日本経済が大きく崩れない限り、2025年は慎重なペースで利上げが継続し、年末までに政策金利が1%程度まで引き上げられる可能性が高い。これは半年に1回程度のペースでの利上げを想定したものだ。
この見通しの鍵を握るのは実質賃金の動向である。政府の電力・ガス支援などもあって実質賃金がプラスになり、消費が強い状態が維持できれば、2025年も賃金・物価は高い水準で推移すると見込まれる。また、政治的な動きとして検討されている103万円や130万円の壁の撤廃といった税制改革も、減税効果による消費押し上げを通じて利上げを後押しする要因となりうる。
Q. 金利上昇は株価や為替にどのような影響を与えるでしょうか?
日銀の利上げによって株価が大きく下押しされる懸念は少ない。米国経済は軟着陸が見込まれる中、日本はインフレの追い風が吹いており、企業の資本効率改善も進んでいる。自社株買いのペースは直近12ヶ月で16兆円と過去最高水準に達しており、こうした要因から日経平均は4万2000円を超える可能性もある。
為替については、トランプ政権の政策(トランプトレード)がどう影響するかに左右されるが、現時点では150〜155円程度のレンジが中心になると予想される。
Q. 米国の金融政策はどのような見通しですか?
米国は2024年9月に0.5%の利下げを実施し、11月にさらに0.25%引き下げた。12月の利下げについては市場ではほぼ確実視されている。金利市場の予想では、2025年半ばまで利下げが続き、政策金利は3.75%程度まで低下すると見込まれている。
しかし、長期的な利下げ見通しについては不透明感が強まっている。直近の物価指標では、食料・エネルギーを除いたコア指数の下落ペースが緩やかになっている。その背景には賃金の再加速の兆しがあり、これにトランプ政権の減税政策や関税引き上げ、移民政策の影響が加われば、インフレが再加速する可能性がある。
そのため、政策金利は3.5〜3.75%程度で利下げが止まる可能性が高く、一時的に3%台前半まで下がるという9月時点の見通しからは大きく修正されている。しかし、今後3ヶ月程度で新たなインフレデータが出れば、また見通しが変わる可能性もある。

Q. 米国経済は景気後退に陥る可能性はありますか?
現時点では米国経済の景気後退を本気で懸念している専門家は少ない。8〜9月頃には失業率の上昇ペースが早まり、製造業の景況感も悪化していたが、最新のデータでは失業率は低位で安定している。
また、大統領選挙までは企業が設備投資や雇用を抑制していた面もあり、トランプ政権が発足すれば不確実性が徐々に低下する中で、設備投資が加速し雇用も回復する可能性がある。現状では経済後退の明確な兆候は見られない。