PIVOT TALK BUSINESS
継続成功率「約8倍」習慣化アプリのUI秘話
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2024年11月29日

運動や勉強、やろうと決めても意外となかなか続かない。継続できないのはなぜ? 200万ダウンロードを記録した「継続する技術」のbondavi・戸田大介代表に聞いた。
「習慣化アプリ」は複雑すぎない!5分だけ1つのことに集中する戦略が継続成功率を最大化
習慣化の難しさを抱える人々に向けて、シンプルな機能で黒字化に成功した人気アプリの戦略とは。開発者の戸田大介氏がアプリ開発の裏側と習慣化の秘訣を語る。

Q. このアプリの特徴的なUIについて教えてください
アプリの特徴は徹底的なシンプルさにあります。すべての要素を実験して検証し、機能しなかったものは消していくという方針で開発されています。ABテストを繰り返した結果、本当に必要な機能だけが残されました。
最初は多くの機能がありましたが、目標設定の選択肢や30日・90日の期間設定など、様々な機能が検証の結果削除されていきました。
Q. 最初に「5分だけ」という目標設定を促す理由は何ですか?
人間は習慣化アプリをダウンロードする際、通常よりも高いモチベーションの状態にあります。この「異常な状態」で入力すると、毎日ジムに行くなど非現実的な目標を設定してしまいがちです。
しかし実際には、忙しい日常の中で習慣を続けるのは難しいもの。そこで「5分だけでいい」と目標を下げることで、継続できる現実的な習慣にします。これが継続成功率を上げる重要な仕掛けの一つになっています。
Q. なぜ複数の習慣を同時に登録できないのですか?
多くの習慣化アプリでは複数の習慣を登録できますが、このアプリでは敢えて1つだけに制限しています。これについてはユーザーから「開発者の技術力を疑います」といった声もあるそうです。
しかし実際には意図的な設計で、人間は一度に複数のことを習慣化することが難しいという事実に基づいています。5分でようやく続けられるのが人間の現実であり、2つ、3つを同時に始めるとほぼ確実に失敗します。
まずは1つを30日間続けることに成功してから、次の習慣に取り組むというステップを踏むことで継続率が高まります。
Q. アプリの使い方はどれくらいシンプルなのですか?
極めてシンプルです。設定した習慣(例:運動する)を行ったら、アプリでボタンを押すだけ。すると「頑張ったね」という応援メッセージが表示されます。ユーザーの平均利用時間は約3秒程度と想定されています。
この徹底的なシンプルさにも関わらず多くのダウンロード数を獲得できた理由は、継続成功の実績の多さにあります。30日継続できたら「成功」と定義した場合、このアプリは日本で最も習慣化の成功実績が多いアプリとなっています。
Q. 「何々しない」という目標(禁煙、断酒など)はどう扱うべきですか?
「何々しない」という目標は、「24時間誘惑に耐える」という定義になるため継続が難しくなります。このような目標は、「何々する」にひっくり返す技術が有効です。
例えば禁煙の場合、「タバコを吸いたくなった時にガムを噛む」という目標に変えれば、ガムを噛んだ瞬間に「成功」と定義できます。本数が毎日減るわけではなくても、プラスの行動を積み重ねていくことで、長期的に見れば成果につながります。
同様に断酒の場合は「小さいグラスで飲む」など、できることを増やしていく方向に目標を変換するのが効果的です。
Q. 仕事や組織でもこの習慣化の考え方は活用できますか?
ビジネスでも応用できます。日常業務とは別に「やった方がいいけれどなかなかやらない」業務改善などがあります。例えば、仕事の効率化のためのメールテンプレート作成や業務の振り返りなど、誰もが大切だと分かっていながら先延ばしにしがちなタスクです。
このような「緊急ではないが重要なこと」を、ほんの少しでも毎日行う習慣を作ることで、長期的には組織全体の生産性向上につながります。
法人向けには直接展開していませんが、学校などの大規模団体での導入事例もあります。広告がないシンプルなアプリであるため、例えば新潟市の公認アプリとして採用され、学校の端末から利用できるようになっています。
Q. 広告がないアプリでどうやって収益を上げているのですか?
このアプリは寄付だけで運営されています。4〜5年の赤字期間を経て、2023年にようやく黒字化しました。
寄付はユーザーからのもので、企業からの支援ではありません。アプリ内から直接寄付できる機能があり、また定期的な寄付をするユーザーも一定数存在します。
Apple のシステム上、純粋な寄付は認められていないため、「何かの代わりに支払う」形式を取る必要がありました。そこで生まれたのが「無駄機能」の購入という形式です。具体的には、アプリの応援メッセージが「中二病っぽくなる」という実用性のない機能を購入してもらうことで、実質的な寄付を可能にしています。
英語版では「Japanese Style Comments」として、サムライや忍者、寿司などの言葉を使った応援メッセージが表示される機能として提供されています。
Q. 習慣化について、最後に伝えたいことはありますか?
習慣化は生まれ持った性質ではなく、誰でも習得可能な「技術」です。自分が「三日坊主だから」と諦める必要はありません。
習慣化の失敗には特定のパターンがあり、それを理解して対策することで誰でも習慣を定着させることができます。技術を身につければ、一生役立つ良い習慣を作ることができます。
継続のコツは、目標を小さく設定し、取り組みやすいタイミングで思い出し、例外を作らずにコツコツと続けることです。「できなかった」ではなく「何ができたか」に注目することで、長期的な成果につながります。